【161話】第8レベル呪文開放
感想にあった問題点は、出来る範囲で直していきます。
ついに、第8レベル呪文が開放された。
肉体的には、転生前の力が全て継承された事になる。
使える呪文も、三神と闘った時の状態に戻った。
ただし、アーティファクトに近いマジックアイテムはないから、総合的な強さはあの時に比べて、かなり弱いことになる。
でも、僕にはもう2つの力が残っている。
第9レベル呪文と第10レベル呪文だ。
三神と闘った時は、僕とランデイヤの融合から年月があまり経過していなかったから、使うことが出来なかった。
第9レベル呪文さえ覚えてしまえば、強引に本拠地に戻り、そこから仲間を探す事ができる。
長かったこの生活も、およそ後1年。
それまでに、アカシア王国の脅威を取り除いて、家族に安定した暮らしを提供したい。
そのためには先ず、この久し振りの第8レベル呪文に慣れておかなくちゃね。
第8レベル呪文 ‐10
鋼皮LVⅢ≡+2程度までの武器からの完全防御
サモンアンデッドLVⅡ≡強力なアンデッドモンスターを産み出す
アストラルボディ≡霊体化
アンチエイジング≡10年分若返る
レイズデッドLVⅢ≡死体の重要部位が有れば蘇生可能(注:1年以内)
ワンダーゲート≡未知の召喚門の出現
マジックポーション≡マジックポーションの原料を造る
スイッチングマジック≡任意の呪文を条件付き発動させる(死亡は不可)
バリア≡超高度の障壁を造る
鋼皮LVⅢ
これは、一定時間物理攻撃に対して無敵になる呪文。
ただし、マジックウエポンで名剣と呼ばれるような武器までは防御できない。
サモンアンデッドLVⅡ
これは、何もない空間から中位のアンデッドモンスターを召喚する呪文。
アンデッドに対して対抗手段を持たない世界の場合、1国を相手にできるほど強力な呪文だ。
おそらく、この世界では使う事のない呪文だと言えよう。
アストラルボディ
自らの肉体を霊体とする呪文。
僕は迷宮のトラップをまとめてスルーしたい時に使う。
この、世界ではやはり使う事はほとんどないだろう。
アンチエイジング
これは、10年分若返る呪文で、第7レベル呪文の『ファイブイヤーズオフ』との大きな違いは、寿命すら10年延ばすことにある。
さらに、年齢で衰えた力まで復活してしまう。
通常の人間には、回数制限があり、最大でも10回までしか重ねがけ出来ない。
つまり永遠の命が欲しかった、およそ150年の間に、神に近づくイベントをこなさないとダメだって事だ。
レイズデッドLVⅢ
通常、クレリックの使う最大級の蘇生呪文。
蘇生必要な部位は『脳』または『心臓』のどちらかあればいい。
しかも、損傷していても問題ない。
通常のクレリックでも蘇生率は95%誇る、反則呪文。
確か僕の蘇生成功率は、99,95%らしいけど、屈強な冒険者相手に失敗したことはない。
逆呪文は『オブリタレイト』
第6レベル呪文『エクスキューション』より、致死性が高く、生き残ったとしても肉体が受けるダメージは深刻だ。
ワンダーゲート
異世界の扉を開く呪文。
恐ろしいことに、どんな異世界と繋がるかは全くの不明。
こちらから入る事は出来ない一方通行だが、異世界から来た物体だけは、相互通行が可能な不思議なゲート。
これも、殆ど封印した呪文だ。
何故なら、前々回は地獄の下層と繋がって、半殺しにされた上、喜んだのはアーサーだけった。
前回は汚物処理場の処理前の場所と繋がり、汚物まみれになった。
マジックポーション
これは、マジックポーションの原料とも言える液体を造り出す呪文だ。
この液体に回復呪文を掛けたら、ヒールポーションが出来上がる。
ただ『四種の秘薬』で、大騒ぎしちゃう世界だから、あんまり使えないかも。
スイッチングマジック
この呪文を唱えた後、次を唱える呪文は『条件発動式呪文』となる。
例えば、ある橋を100人目の男性が渡ると『コーズフィアー』が発動するとか。
転生前の僕は、心臓の破壊を条件にとある呪文を仕掛けていた。
スイッチングマジックは死をきっかけに発動する事は出来ないが、心臓を潰された直後なら、死と扱わない。
ただ、残念な事だけど、生き物にスイッチングマジックを掛けれるのは自分だけと、不便な呪文だ。
念のため、HPが1割切った時点で『オールヒール』を発動するようにした。
バリア
所謂、障壁の事です。
限界はあるけど、任意の範囲で障壁を張ることが出来る呪文だ。
障壁の耐久力はそこそこあるが、子供のパンチでも、減ってしまう代物なので、長時間は持たない。
この世界では、使えないまたは、使いたくない呪文が多いから『鋼皮LVⅢ』と『バリア』を多く覚える事だろう。
さて、まわりが大騒ぎしない程度にイタズラをしよう。
ストレス解消は必要だからね。
……
…………
深夜みんなが寝静まった頃、やって来ましたロイエンとクラリスの寝室。
以前5年分の見た目を若返らせたけど、逆呪文で元に戻す。
そして、小声でこの呪文を使う。
「第8レベル呪文……アンチエイジング」
おおっ、さすがに10年分だと判っちゃうかな。
まぁいっかぁ。
この調子で、ロイエン、クラリス、セナリース、シープレス、レジーナと次々にアンチエイジングを使いまくった。
その後、僕の屋敷に、もの凄く身体に良い食べ物があると噂になって、面倒くさい事になった。
◇
◆
◇
ある日、鍛えていた子供たちや、ナパの住人の一部が、クレリックとなり、第1レベル呪文が使える様になって、感動の涙を流していた。
でも、第1レベル呪文を1回か2回使えるだけの、お試しクレリックって感じなんだけど、僕はクレリックに目覚めたときは、呪文を4回使用できた。
僕はクレリックの素質としては300人に1人の逸材だったからな。
ただ、そこから高レベルクレリックに、なれるのは1万人に1人もいない。
理由は経験値をためるのが難しいからだ。
ここから順調に成長するには、冒険が必要だ。命を懸け、心を奮わす冒険がね。
普通に訓練していては、生涯で10レベル程度しか上がらない。
それを考えるとキンジの成長率は凄いと思う。
キンジの事を思い出したら皆に会いたくなってきた。
あのカーズが、僕を見つけられない事態に疑問を持ちながら『先ずは戦争』と、僕自身を戒めるのだった。




