【10話】ランディ第2レベル呪文に目覚める
僕が七歳になった辺りから、第2レベルのクレリック呪文が解放された。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
第2レベル呪文 ー32
オグルパワー≡力が上がる(力230又は対象者の力×1,1倍の高い方を自動選択)
鋼皮LVⅠ≡通常武器からのダメージ半減
サイレント≡半径5mの無音空間を作る
死者弱体※≡アンデッドモンスター弱体化
ヒール※≡中傷を治す
ライトヒールサークル≡周囲の軽傷を治す
ライトリジェネレイト≡再生
クリエイトフード≡LV×二人分の食糧を出す
ストライキング≡武器 拳に魔法追加ダメージ
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
うん……前世の時と同じく、第2レベル呪文は二十九回使えるな。
既に、この世界魔法とくらべても、僕の第2レベル呪文は、チートだ……
さあ、説明をしよう。
【オグルパワー】この呪文は、非力な人に使えば腕力限定だけど、爆発的に力が上がる。
何せ一般の『オーガ』に近い腕力を手に入られるんだ。
人間の最高峰だと、思って良い。
しかも、元々化け物並みの腕力を持っている猛者なら、腕力1,1倍だ。
【鋼皮LVⅠ】これは、通常ダメージを半減してくれる力を持つ呪文だ。
捨て身の攻撃が、捨て身じゃ無くなる……これは、強敵相手にはかなり有利に働く。
【サイレント】これは、狙った空間を無音状態にする所謂、呪文封じの呪文だ。
僕は、囚われの人を助けるため、奇襲を掛ける時に使った事が有る。
あと、音が漏れそうな場所でのエッチにも使えると思うぞ。
【死者弱体】まあ、アンデッドモンスターを弱らせる魔法何だが、この世界にアンデッドモンスターはいないから、あんまり意味なし。
【ヒール】ライトヒールの強化版だ。
これも、リバース可能呪文だ。
【ライトヒールサークル】これは僕の周囲の怪我人をまとめて治してしまう回復呪文で、この世界の回復魔法と違い、一瞬で治る。
要は、戦闘中にも使える優れモノ。
回復量は『ライトヒール』と同じだ。
【ライトリジェネレイト】これは、欠損部位の再生や、古傷を治してしまう呪文……僕がある程度成り上がったら、ガンガン使って恩を売れる筈だ。
もしかしたら、この世界にも似たような魔法が有るかも知れないけど、レジーナの知識まででは、そんな魔法は無いらしい。
【クリエイトフード】これは、そのまんまビッグサイズのカロリーメ◯トだ、第1レベル呪文の『クリエイトウォーター』と併用すれば、僕が餓える事は無い。
しかも、屈強な大人百人分だから、今の僕なら百八十食分くらいは、有るだろう。
しかし、量の調節が出来ないのが難点だ。
【ストライキング】こいつは、武器や拳に魔法の追加ダメージを付与するんだ。
通常攻撃の効かない、ガーゴイルやトロルなんかにも有効打を与えられるんだ。
攻撃力としては、打撃ならメイスやフレイル一つ分、斬撃ならショートソード一本分追加される。
▲△▲△▲△▲△
アリサの髪が伸びてきて、ツインテールになった。
うん可愛いなぁ……
そんなアリサも『エクスヒーリング』を十回以上使えるようになった……順調に成長していますね。
『グランヒーリング』を教える日も遠くない未来かもしれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今日も暇そうな、ロイエン、セナリースを相手に修行の毎日、やっと二人に本気を出させるまでになって来たけど、本気の二人は強い、力・速度・体格の不利さが相まって今一歩で負けてしまう。
前世の力を15%も継承しているにも係わらず勝てない……へこむ。
そして、まだ前世の力を完全に継承していないせいか、意識しないと力が上がらない……まあ、意識すればコンマ数秒で力が跳ね上がるから、ランディ版肉体強化って、感じだ。
まあ、第2レベル呪文の『オグルパワー』を使えば不利も一気に解消出来るだろうが、ロイエン達も肉体強化魔法を使っていない……
ガッチリ鍛えて、もっともっと強くならなくては……
それから、僕は模擬戦闘よりも、基礎の向上に努めた。
そして、月日が流れ……僕は八歳になった。
※ランディ 八歳
※ギフト 暗黒女神の愛
※魔法の種別 回復系
※使用可能魔法『ヒーリング』『エクスヒーリング』『グランヒーリング』『アルテミットヒーリング』
※魔力総量 3401
※クレリック呪文 第1レベル 35回
※クレリック呪文 第2レベル 32回
※アリサ 八歳
※ギフト 無し
※魔法の種別 回復系 ???
※使用可能魔法『ヒーリング』『エクスヒーリング』
※魔力総量 643
◆
◇
◆
この部屋の、大きなテーブルの片側に、十人もの村人達が座っている。
その向かいには、タイム・マツヤが座っていて、傍には一人の執事が立っている。
「君達さえ良ければ、我が管轄の畑でもっと作物を作ってみないか? 当然だが、今よりも確実に収穫が増える」
村人達は、いきなりの好提案に驚く。
そのうちの一人が、口を開く。
「私にとっては願ってもない話ですが……その……ダーナス様は……」
「もちろん、アイツには見つからないよう、離れた農地を提供しよう……やってみるか?」
別の村人が立ち上がる。
「おら、そっちへ行きてぇだ! 」
「おらもだっ」
「わいも、行くぞ」
一人、慎重な男が質問をする。
「それで、我々は何をすれば良いのでしょうか?」
「ふむ……ダーナス家の管轄地には行かない事、そして君達は隣の町から来た事にしてもらう。それだけでいい。あとは、その区域の長に従ってくれ……今より豊かな生活を保証しよう」
「ありがとうです」だ」ございます」×10
……
…………
それから約三ヶ月後……ダーナス家の管轄地から、十八にも及ぶ家族が消えた。




