表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/195

【9話】ランディ、アリサに回復魔法を教える

 六歳になって、僕の魔力総量は更に上昇した。


 ここで久しぶりに、自分の魔法使用限界を検証してみた。


 ヒーリングから、アルテミットヒーリングまで、四日間費やした。


 いちいち指を折るのが面倒だったが、僕は検証好きなので、実行に移した。


 一日目は『ヒーリング』二百五十二回で、目眩がした。

 二日目は『エクスヒーリング』八十四回で、目眩がした。

 三日目は『グランヒーリング』二十六回で、目眩がした。

 四日目は『アルテミットヒーリング』九回で、目眩がした。


 検証結果は、『アルテミットヒーリング』は魔力をガンガン消費するので、逆に効率が悪いと判断した。


 指折りじゃ回復量も分からないし、何が有効かも分からない。

 でも、検証好きの僕は一応満足……最低でも魔力総量が1500は楽勝で超えているからな。


 しかし、四百回近くの指折りヒーリングで、アリサに回復魔法を使っているのを見つかってしまった。


 アリサの口止めは簡単だったが、一つ交換条件があった……アリサめ、なかなか策士よの……



 その交換条件は、アリサにも回復魔法を教えてくれって事だった。


 教える分には構わないが、回復魔法の素質を持つ人は少ない、アリサに出来るだろうか……

 もう一つ問題がある……いくら回復魔法で完全に治療出来ても、六歳の女の子に傷を付けるなんて僕には無理だ。


 思い付いたのは、先の尖った棒等で、アリサのお肌を自ら傷つけて貰う事だった。



 ちょっぴり傷が出来たアリサに『ヒーリング』を使って傷を治した。


「どお? アリサ、何か魔力の流れとか感じた?」


「う……ん、よく分からない……けど、体の中で変な物が動いた気がするの……もう一回お願い……」


 そして何回かヒーリングを繰り返したが、思うように行かないらしい、アリサは少しイライラして、ザクッと自分の腕に棒を突き立てた。


 うわっ! 怖いよアリサ……って回復、回復。

「ヒーリング……アリサ大丈夫か?」


「あっ……解った気がする……」


 とアリサは、自分でザクザク腕を刺して、ヒーリングを唱えた。


 結果アリサは『ヒーリング』に成功した。

 調子に乗ったアリサは計八回のヒーリングを使った後、目眩を訴えた。

「ランディ……なんか、クラクラする……」


 あっ魔力枯渇のサインだ。

「アリサ、ここまでだよ……これ以上使うと倒れてしまうし、魔力総量が少なくなるからね」


「うん、分かった」



 しかし、アリサは偶然にも回復魔法の素質持ちだったか……それに魔法の修得って意外に簡単なんだな……アリサは初回で八回も『ヒーリング』が使えたか……僕の時は一回だったから、チョッピリショック……


 アリサ魔力総量87→89


 この日より、アリサは僕と一緒に寝るようになる……

 理由は就寝前に魔力総量を枯渇寸前まで減らしたいからだ。

 まだ、この『指折りヒーリング』はバレたくない。

 なんと、この事に誰も反対しなかった。

 あっレジーナは少しだけ渋っていたな……理由は授乳の機会が減った事だろうな……


 はい、まだ僕はレジーナに授乳を強要されているんです……もう、六歳なんだけど……

 まあ、楽しいからいっかぁ。



 六歳になっても、僕のクレリック呪文は第1レベル止まりだった……まさか、このままなんてないよね?


 クレリック呪文は、この世界には無い術式なので、こそこそと使っている。

 特に『レベルサーチ』は楽しかった。

 皆の頭の上に数字が浮かんでいるからな……


 でも、数日で飽きた。

 だって、村には目新しい人はなかなか来ないし、殆どがランク『1』だったしな……

 でも、ロイエンとセナリースはランク『3』だった。

 『3』は、大した事ないが、ここら辺ではずば抜けて強い。

 何せ、今の僕じゃまだまだ勝てない……


 僕はこのまま目標ロイエンで頑張る事にした。


 ▲△▲△▲△▲△


「はっ、ふっ、 とぅっ!」


 僕は、散々村中を走り回った後、ロイエン、セナリースと模擬戦をする。

 武器はおねだりして、棍を使っている。

 実は三節棍や五節棍の方が得意なんだけど、この世界にはそんな武器は無いみたいだ。


 棍を使うようになってからは、二人とも受けるだけでなく攻撃も交ぜてきて、訓練は本格的になっていった。


 そんなある日の訓練後、ロイエンルーガとセナリースが二人で話し合ってる。


「ボン……最近マジで強くなってきたなぁ……ハッキリ言って、異常だ……」


「ああ……それに、気づいたか? 俺たちがランディに一撃与えても、全く堪えていないことに……」


「旦那もそう思いますか……たしか昔そう言った変なやつがいたような……」


「まさか、第四のギフトの事か? それは無い。ランディはギフト無しって判定がでているからな……」


「旦那ぁ、その話はマジなんだよな? 『判定の儀式』失敗してねぇか? こうして見てると、どうにも『人神の加護』と『龍神の加護』二つ有るように見えるんだよなぁ……そうそう、どっかの国から来た密偵に有ったギフトな、たしか『冥皇の加護』だったらしいぜ、耐久力(ヒットポイント)三倍って噂だ……」


「それこそ、『判定の儀式』の失敗だろ……そんな加護、聞いたことも無いわ」


「そうか……そうだよな……」


 ▲△▲△▲△▲△



 僕とアリサは、親に内緒の『指折りヒーリング』を日々続けていた。

 アリサも魔力総量が上がってきたから『エクスヒーリング』を覚えてもらった。

自虐回数も減るからね。


 アリサは、あっさりと『エクスヒーリング』を覚えた。

 僕の仮説だと、回復魔法の魔力の流を覚えて貰うには、かすり傷より、深い傷のほうが覚えが良いのかもしれない……研究対象はまだアリサだけだから、あくまでも仮説だけどね。


 こうして月日は流れ、ランディとアリサは七歳になった。


 ※ランディ 七歳

 ※ギフト 暗黒女神の愛

 ※魔法の種別 回復系

 ※使用可能魔法『ヒーリング』『エクスヒーリング』『グランヒーリング』『アルテミットヒーリング』

 ※魔力総量 3101

 ※クレリック呪文 第1レベル 35回



 ※アリサ 七歳

 ※ギフト 無し

 ※魔法の種別 回復系 ???

 ※使用可能魔法『ヒーリング』『エクスヒーリング』

 ※魔力総量 363






ある薄暗い、部屋で二人の男が会話していた。


「ダーナス家の管理下の住人で、貧しい者達の名前を調べろ……」


「承知致しました、御館様」


「二人の時に、その堅苦しい言い方はよせ……」


「では、タイム様、調べるだけで良いので?」


「ああ……今はいい……頼むぞ」


「承知致しました」



本日さらにもう一本行きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ