優シサ 残酷サ ノ 平等
平等。
小学校の先生が口を揃えて言う言葉。
良い子はみんなに平等。
だから少女は平等だった。
誰にでも優しく、誰にでも笑顔で、誰にでも真面目に、誰にでもーーー
少女は好かれた。
誰にでも。
少女は好きにならなかった。
誰でさえも。
少女は成長した。
少女は今日もまた告白を振った。
少女は好きになれなかった。
誰でさえも。
少女は言われた。
羨ましいと。
美貌も。頭脳も。性格も。
少女は成長した。
少女は気づいた。
少女は恋ができないのだと。
美貌? 頭脳? 性格?
完璧。
では、なぜか?
私はみんなに平等だったんだ。誰にでも優しいし誰からも好かれる。だから、私は『差別できない』んだ。あの男の子も、あの女の子も、、
『誰にでも優しい』のは『誰にも興味がない』からだ。
私って優しいな。
ハハハ、、
ハハハ、、
ハハハ、、
『平等』を体現した少女は『特別』を失った。
少女は一生恋ができない。
少女は後に1人となった。
誰かに向けられる優しさと、少女に向けられる残酷さを誰にも理解されぬままに。