自信のない男
掲載日:2026/01/10
下を向いて歩くのは危険です。
あるところに、とても自分に自信がない男がいました。
男はいつも下を向いて、力なく歩いています。
そんな男の口癖は「どうせ、俺なんて」です。
周りはそんな男に「危ないから前を向いたほうがいい」と注意します。
ですが、男は下を向いたままです。
周りはあきれて「けがをしても知らないぞ」と言います。
それでも、男は下を向いたままです。
周りはそれ以上、男に何も言いませんでした。
男は下を向いて歩きます。
雨の日も、風が強い日も、晴れの日も、曇りの日も、雪の日も。
男には関係ありません。
そして、その日は真っ暗で足元もよく見えない日でした。
男は下を向いて歩きます。
すると、男は足を滑らせて、ゴロゴロと転げ落ちてしまいました。
男が足を滑らせたそこは、坂だったのです。
そして、あおむけに倒れた男は初めて上を見ました。
そこには、たくさんのキラキラが詰まった宝石箱がありました。
男は感動して、長い時間、上を、空を見続けました。
そして、男は思います。
「どうして、今まで下を向いて歩いていたんだろう」と。
それから、男は前を向いて歩くようになりました。
もう下を向いて歩くのはやめようと思ったからです。
そして、周りのみんなに言うのです。
「前を向いて歩こう」と。




