学生接待麻雀記
昔の記憶を思いだして。
大学時代のことだ。
ひょんなことから、俺は卓を囲んでいる。
普段なら、友人同士わきあいあい土曜夜の徹萬なのだが、今日はずっと緊張感が走っている。
友人の先輩が我々と麻雀をしようと話しかけてきたのだ。
しかもレートは・・・おっと、あくまでも健全な遊技で邪推するべからずだぞ。
まあ、所詮創作の域を越えない話かもしれないからな(笑)。
第一その友人の先輩とやらは一度も話したことが無い上に、ヤツが崇拝する先輩ときている。
実に面倒くさい。
俺の本能が訴える。
やり過ごせと。
我々後輩2人と先輩2人の戦い。
いわゆるチーム戦だ。
向こうは、仕掛けてくるかもしれない。
こっちは無論ノープランだ。
なので、俺はいかにも勝負をするような真剣なキメ顔を決めて、相手の捨て牌を睨み、相手のテンパイ及びリーチを察知すると・・・いや、その前から堂々と自分の良い手配を河へ捨てた。
安牌あれば、すぐ河へ投げる。
いわゆる戦い(勝負)を放棄して、敗北を回避する。
だが、その策はジリ貧である。
しかし、相手の顔を立てるという大人の配慮。
うかつにも振り込んだり、ツモられたりして、自分の手持ち点数が減った時に、ようやく攻撃をみせるのだ。
そう、ウェイウェイウェイアンドヒット戦法。
つまらない?
なんとでも言え、接待麻雀なんてこんなもんだろ。
なので、俺の手持ちの牌はいつもバラバラなんの役も狙えない。
俺一人冷めている。
皆は真剣なのか?
アツくなれよ。
心が問う。
アツくなれるかこんなの。
心が返す。
しかし、こんなの楽しいのか?
俺はこれでいいのだろうか?
自らに問いかけるよりも。
波風を立てないように。
凪だ。
静かな平穏無事これ大事。
ほれ、大自慢じゃなかった大事マンも言ってたじゃないか。
付き合う。
この戦いの行く末を。
攻防戦を。
第三者目線で・・・(笑)。
結果はちょい負けだった。
ふう。
俺はやりすごした。
少しだけ、大人に近づいたのかな。
帰り道。
缶コーヒーを飲み、夜明けの空を見ながらそう思った。
書いてみた。