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没作品集 〜何故続きを書いてないのかは神のみぞ知る〜  作者: 黒犬狼藉
異世界にいったので全力で生き抜きます
8/10

4

4話 *4話:異世界の一時*

「ほら、落ち着いて、ゆっくり飲んで。」 「う、コクコクコク。」

胃液と昼食が思いっきり吐き出された後少しスッキリした顔の彼女を川まで連れて行き水

を飲ませる。

ついでに、口も洗わせ俺も洗う。

あー、気持ち悪い。慣れないな、この味は。

「服、汚れちゃいましたね。」 「大分酷い匂いだな、はあ。予備の服は......、まあ持って無いよな。」 「持ってる訳ないじゃ無いですか!!」 「だよなあー、交代で水浴びするって案もあるけど。」 「ぜ、絶対に見ないならいいとは思います。」

うん、まあそう言うことだ。

思春期男子が、水浴びをしている女性の身体を見ないはずが無い。

自分で言ってて悲しくなるけど。



「仕方ない、俺が先に入って服を洗ってそのあと森宮さんの服を洗うって言うのはどう だ?」

「そ、それは......、私の下着を......」 「それぐらいは我慢してくれ。パンツまで胃液塗れってことはないだろ?」 「い、いえ、ちょ、ちょっとだけ漏らしてしまって......。」

はい八方塞がり、どうしろっちゅうねん!! あ、好感度に関してはゲロった後の事情説明や介抱で多少マシになった。 まあ、クラスメイトだしぃ? 殺されかけたしぃ? これぐらいはいいと思う。 内心チョロインだと思ったのは秘密だ。

「流石にパンツは自分で洗ってな、後スカートも。それ以外なら洗うから。」

そういうと、俺は上着を脱ぎ川で洗い始める。

うわあ、これは酷い。


「返り血とゲロでマジで汚いな。」

透明だった水が茶色と赤黒の血により濁ってゆく。

後で体も洗っておこう。

「大分、綺麗になったか?」


真っ白とまではいかなくても、ゲロの跡は完全に抜けている。

血の跡はまだ残っているがこれぐらいは諦めるか。

「これを、模倣したらどうなるんだろ?」

濡れた手をズボンで拭きつつ早速試してみる。

模倣(ミミック)、ほお?」

まず一つ目として、服は模倣できた。

そして二つ目。

「乾いてる、か。」

コレは面白い性質だな。

この模倣は服だけを模倣して服に付いてる水は模倣しないのか。

上着の方はゲロが取れなさそうだし模倣してパッパと終わらそう。

しっかし、大分綺麗だな。

血の跡も無い。汚れもない。

完全にまっさらなシャツだ。

「光真くん、終わりました......、キャッ!!」


俺が上裸なのを見て目を隠す森宮さん。 しかし、俺は見てるぞ。 その目を隠している指の隙間がガッツリと開いてることを。 森宮さんてムッツリなのかな? どうでもいいけど。

「一応、服洗ったからコレ着て。」 「は、はい。ぶ、ブラジャーはどうしたら......。」 「自分でどうにかしてくれ。」

そこまでは知らんよ。 こっちは男なんだよ、考えてくれ。

「え、えっと、見ないでくださいね。」

「当たり前だ!!」

そう言って、俺は川の方に向かい彼女は木陰で着替え出す。

布擦れの音が聞こえるが一切興奮しない。 うん、EDじゃないよな? マジで。 精神的ストレスでEDになったんじゃないのか?


などと、くだらぬ妄想をしていたらいつのまにか着替え終わってたみたいだ。

うん、クラスメイトの女子が俺のシャツを着ているってのはそこはかとなく興奮するもの で俺のED疑惑が晴れたわけだ。


うん、今度は別の意味でやばいぞ。

とりあえず気取られないようにしつつ。

「服、自分で洗うか?」 「あー、お願いしても良いですか?」

そう言われて渡された、ゲロ塗れのシャツと上着。

臭いし汚い。とっとと洗うぞ!!

シャツを手渡された瞬間にダッシュして水の中に放り込む。

コレもコレで返り血も酷い。ある程度流れたと思ったら水の中でゴシゴシゴシゴシ。

かなり取れたみたいでよかった。

ゲロ臭いのは仕方ないけど、できれば模倣して綺麗なものを渡たしてやりたい。うーん、

模倣できるだけの魔力はあるか? 【ステータス】

*ステータス* 名前:月田 光真(コウマ・ツキダ) 種族:人族(ヒューマン)

進化:1

魔力:4/10

スキルポイント:0 スキルツリー名:贋作者(フェイカー) 保有スキル:模倣

* *


あー、まだ余裕はあるな。

よし、コピーするか!!

「ど、どうしたんですか?」

「いや、服を模倣しようと思ってな。しかし、魔力の兼ね合いもなあ。」

「魔力......、ですか?」

「ステータスを開いてみ?」

「は、はい。」

魔力と言われて不思議がってる彼女にそう伝えると、大人しく従ってくれた。

「あ、ありますっ!? あそこでは無かったのに......。」 「いくら減ってる?」 「は、はい!! えっと今八だから2です。」 「ん? ファイヤで2も消費するのか?」 「あ、いえ。多分、その前にサンドを使ったのが原因かな?」

じゃあ、初期の魔法は消費魔力量が1で固定なのか? って、ちょっと待て!!

「サンドって言ったな!? もしかして二属性使えるのかッ!?」 「は、はい。他にも水も風も使えます。」 「はあ!? マジか!?」


俺より強いじゃん、俺いらない子じゃん、もしかして追放されんのかな? ってそんなこ とはどうでも良い。

「え、王道の四属性全部使えるの? スキルツリーの名前何?」 「え、えっと、四属性魔術師(フォースマジシャン)です。」 「うわあ、羨ましい。」

俺なんか贋作者(フェイカー)だぞ、贋作者(フェイカー)

「え、えっと光真くんのはなんですか?」 「贋作者(フェイカー)

「え?」 「贋作者(フェイカー)だよ!!」

なんか悪いか!!

「えっと、その、」

「......、【ステー、あれ?」

魔力が4から5になっているのを見て慌てて確認する。

「さっきまでは4、だったよな? 条件はなんだ......?」 「どうしたんですか?」


質問に答えている暇はない。 回復の条件を探らなければ。 RPGだと大抵行動条件を満たせばMPは回復する。 例えば宿屋で寝るとか、ポーションを飲むとかだ。 多分、こちらではない気がする。 とすれば、もう片方。小説でよくある時間経過での回復だ。

チラリと時計をみる。 現在時刻は6:32だ。大体この世界に来てから2時間経ったと言うわけだ。

「可能性としては2時間経てば魔力が1回復する......、か?」 「どうしたんですか?」

「いや、他にもあるかも......」

他の条件はなんだ? 行動条件の達成なら何が当てはまる? ック、考えつかない。となれば、やはり2時間経てば回復するって言う可能性が高い。

確か、最初に使ったのがこっちに来て直ぐだったはずだから、そう考えるとやはりこの条

件しかない気がする。

「どうしたんですか!!」

「あ、ごめん。少し考え事を。」 「あ、そ、そうですか。ほっ、変な病気とかじゃ無くてよかったです。」 「ああ、それより森宮さんがサンドの魔法を使ったのは何分前ぐらい?」


「1時間前ぐらいでしょうか?」 「そうか、わかった。」

あと、1時間ほど待てば結論が出るわけか。

「【ステータス】っと、」 「閉じたんですか? なら私も【ステータス】。そういや、夕ご飯はどうします?」 「あー、魚でも捕まえれたらいいけどなあ。」

あー、忘れてた。

「とりあえず、簡単に焚き火でも作るか。」 「そうですね!! お料理は任せてください!!」 「はあ、作れるほどの器材はあるのか?」 「あ、」

まあ、そう言うことだ。

「そ、それでも、火加減とかは見れますよ!!」 「その時はよろしくな。」

ま、捕まえられるか分からんけども。

しっかし、食料調達か本当にどうしようか。


「とりあえず、俺が川に潜って魚を取る。その間に焚き火を起こすか、二人で焚き火を起こ してから俺が魚を取りに行くか。どっちがいい?」

「え、あ、それなら二人で焚き火を起こしましょう!!」

最初だしな。

二人でやった方が確実、か。

でもなあ、

「二人で今からやり始めたら下手しい、日が暮れるぞ?」

「えっと、今何時ですか?」

時計を確認。 あ、俺の時計は俗に言うミリタリーウォッチでかなり丈夫でいながら長く使えている。 1万以上もした価値があると言えよう。

「今は、6:33。火を用意する薪を30分で集めれたとしても7時。かなりキツいな。」 「火種はどうするんですか?」

「魔法」

「あ、たしかにそうですね!!」

「固定観念はある程度捨てた方がいいぞ。」

「魔法とかありますもんね......、そ、そういやその模倣って言うスキル? あるじゃないで すか。」

「ああ、それがどうした?」


「時計は模倣できないんですか?」 「あー、模倣(ミミック)。うん、出来ないな。」 「そうですか......。」

たしかにコレは複数個有れば良いもんな。

しかし、模倣できないか......。

条件が分からない。

と言うか絞り切れないと言うのが正しいか。

一つ目は大きさ、二つ目は使われてるギミックの数、三つ目は前二つ以外、四つ目は前二

つどちらも、ってところか。

どれもあり得る。

まあ、おいおい絞り込んで行くしかないか。

「まあ、それより乾いた木材を探すぞ。」 「木は切らないんですか?」

「アホか、そんなもんを使ったら全然火がつかなくて苦労するぞ。それに、一体何時間かけ

るつもりだ?」

火がつかないのは、テレビで見た記憶がある。

「あ、たしかに、す、すいません!!」

「わかったんならさっさとやるぞ。ま、落ちてる大きめの枝とかを頼む。」

「わかりました!!」

「あ、あと落ち葉とかも!!」


「了解です!!」

火種を広げるために落ち葉がいるしな。 家で何回かBBQをした事があるからそこら辺は分かる。

「さて、拾うか。」

森の中に入る。

とは言え川は見えるし滝の音も聞こえる。

流石に離れるつもりはない。

森宮さんの姿も視界に入れつつ今後のことを考える。 と言うか、クラスメイトを優先するか街探しを優先するかの二つだな。 クラスメイト探しのメリットは人出が増えること。 デメリットは、誰しもが俺の言うことを聞くわけでもないと言うことだ。 いや、俺が正しいって言いたいわけじゃない。 俺はクラスの中でも立場の低い人間だ。 そんな奴の言うことを果たして聞くのかって話だ。

俺なら聞かない。

そう言うわけであまり乗り気で無かったり......。 まあ、集合してる人も一定数以上はいるだろうしすぐ死ぬことは無いと期待したいな。 最低、川を見つけて火を起こせる魔法を使えたら生きてはいけるはず。 で、二つ目の町探し。

メリットは数え切れないほどある。


デメリットは先行き不透明なところだ。

現状、街に行けそうな方法がない。

ゴブリンが鉄の剣を持ってることから遠くないところに人が、少なくとも鉄を錬成し形成

出来るだけの技術を持った生命体がいるのは分かっている。

そいつらに出会い、そして交渉して生き残れれば俺と森宮さんは少なくともこの世界で生 き残れる。

......筈だ。

「全く、嫌になるな。」

楽観視してるつもりは無いんだけどなぁ。

心のどこかで自分なら大丈夫って思ってる。

簡単にそれを消せはしないだろうけどこの悪癖はどうにかしなきゃな。

いつか、身を滅ぼしそうだ。

っと、大分集まったし戻るか。


サンプルテキスト


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