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おっさんの徒然エッセイ

JBCが破綻危機だけど、とどめ刺した感のある亀田一家の裁判について、ボクシングファンが語ってみた件 今までで一番の長文タイトル

記憶を頼りに書いてますから、間違っていたらコメントで教えてください。





 タイトルが粗筋だよって話なんですが、JBCが破綻危機です。

 まずJBCってなんぞやって方も当然いると思いますが、JBCは日本ボクシングコミッショナーの略称だったと思います。

 プロボクシングの選手やコーチ、トレーナーなどの資格の認定、国内のジムの取り纏めから国内興行における認定などを取り仕切る民間の団体で、詰まる所、国内でプロボクシングの選手として活動するためには、このJBCに所属していなければいけないんですね。


 さて、そんなJBCが破綻危機なのは、それなりに前から言われていました。

 現理事が就任以降、不可解な処分や経理があり、所属選手の保険金積立などでも不正が噂される、団体の保有資産がコロナによる減収を上回る勢いで減っているなど、正直、証拠は無いけれど破綻もやむ無しかなと思う状況が続いた中での敗訴でしたから、関係者から「破綻が濃厚になった」と思われるのは、経済的な理由だけでは無いんですよね。


 この経済的な理由だけでは無い、と言うのが今回の裁判でも良く現れていると思います。

 このあたりを、ボクシング好きの私が記憶を頼りに解説していきます。


 亀田一家がJBC相手に起こした民事訴訟の内容は

 「不当な処分によってライセンスを失い、出来るはずの試合が出来なくなったことによる損失の補填」

 というものです。

 この亀田一家の主張についてはボクシング好きやボクシング関係者はだいたい、まあ、そうなるよねって感じだったと思います。

 この不当な処分とは何だったのか。


 ことの発端は亀田一家の次男 亀田大毅がIBF(ボクシングのチャンピオン認定のメジャー団体の一つ)のスーパーフライ級のチャンピオンだった2013年(だったと思う)に同じスーパーフライ級のWBA(チャンピオン認定団体)チャンピオンだったリボリオ ソリスとの統一戦を行ったことでした。


 ボクシングを知らない方に統一戦について説明すると、ボクシングにはチャンピオンを認定する団体がいくつもあり、世界的にメジャー団体とされているところだけでも4つあります。

 それぞれの団体のそれぞれの階級(体重別)にチャンピオンがいるので、「どっちの団体のチャンピオンの方が強いんだ」という疑問が出ますよね。

 その疑問に応える唯一の方法が団体の垣根を越えた統一戦なんですね。別団体の同階級チャンピオンが戦って、2つの団体のチャンピオンを統一するわけです。

 で、亀田大毅とリボリオはIBFとWBAのベルトの統一を争うことになったんですが、ここで問題が起きました。

 前日計量(ボクシングは体重別で階級があるので計量をします)において、リボリオ ソリスがリミットオーバーしたんですね。時間をおいて再計量するもオーバー、失格になりました。

 通常であれば、これで試合は流れて終わりなんですが、注目の統一戦、テレビ放映も決まっていれば、当然、当日のメインの試合ともあって、試合をすることが決まります。

 もう、この時点でおかしいんですが、この試合、本当に色々と酷かったんですね。


 1 当日計量を亀田大毅はするがリボリオはしない


 格闘技では安全のために前日計量が当たり前になっているんですが、水抜きで体重を落として、前日計量のあとに体重を戻す行為を禁止するためにIBFは当日計量で体重が増えすぎていると失格になるんです。

 IBFの亀田大毅は対戦相手がすでに失格なのに当日計量が行われて、失格になったリボリオは当日計量は免除されていました。


 2 ベルトの行方が2転3転


 リボリオは減量失敗で失格になった段階でWBAのベルトをペナルティとして失いました。なので、亀田大毅はWBAのベルトは手に入れることは出来なくなっていたんですね。

 そして、たとえ試合をするにしても、体重超過の失格者相手なら、負けたとしても亀田大毅もベルトを失うことはあり得ません。

 なんですが、何故か当日のテレビ放映ではアナウンサーが間違って「リボリオのベルトはすでにないため、亀田大毅は勝っても統一王者になれないが、負ければIBFのベルトを失う」と意味不明なことを言って試合が始まりました。

 結果、亀田大毅は負けたんですが、当然ですがベルトは失うことはなく、しかしテレビを見ていた人たちから「負けたのにベルトが無くならないのはおかしい」と叩かれました。


 3 この経緯のあとのJBCの対応


 JBCは国内のボクシング興行の統括責任者ですから、この試合についても、両団体のあいだで条件をあわせたり、こうした問題が発生した場合の対処をしなければなりません。

 なんですが、何故か、この時にJBCは問題の責任を亀田一家に押し付けたんですね。

 本来なら相手の失格負けでやらなくていい試合をした亀田側、また、報道機関への通達の不備で間違ってアナウンスされたこと、どちらもJBCが対応しなければいけない案件であるにも関わらず、「亀田一家が報道に間違って伝えたことで、日本ボクシング協会の信用を失墜させた」と非難したばかりか、翌年のライセンス更新を認めず、そのために亀田一家は国内で試合が出来なくなったんですね。

 おかげで長男のラストマッチとなった防衛戦も日本人同士の対決にも関わらず、海外で行われました。


 この3の対応について、本来であればライセンスを管理し、興行を取り仕切るはずの団体が、問題の責任を所属選手やトレーナー個人に押し付けた挙げ句に不当な処分で損害を与えたと訴えられた訳です。


 実際、当日計量してないので証拠はないんですが、リボリオは前日に失格になったあとにドカ食いしていたと言われていて、当日の体重差が5キロ以上だったなんて言われてるんですよ。

 その上、勝ってもベルトは手に入らない亀田大毅側にたいして、すでに失格負けなのに試合できるリボリオ側、どっちのモチベーションが上かなんてわかりきってるじゃないですか。

 この状況で試合させただけでも団体としては不誠実きわまりないのに、試合後の炎上は亀田一家には何の瑕疵も無いのが明白なはずなのに、庇うどころか、責任転嫁して悪者扱い。

 こんな団体じゃ信用出来ないと選手に思われるのは当たり前ですよね。


 亀田一家はビックマウスや八百長を疑われるなど、メディア露出が多く、ボクシング人気に貢献した分、叩かれることも多かったので、この騒動でも亀田側を叩く人は多かったと思いますし、今回の裁判でも亀田一家を叩く方はいますよね。

 ただ、例えば現在の日本ボクシングの最高峰、井上尚弥が「アメリカで2団体統一戦をしようとしたら、

相手選手が計量で失格になったのに、何故かそのまま試合をさせられ、負けたからとベルトを剥奪された」なんてなったら、ふざけるなってなると思うんですよ。

 またはオリンピックでドーピングしてた選手が何故か試合出場を認められて、1位になってしまい、金メダルが空位で実質1位の選手に銀メダルが授与されたってなったら、おかしいと思いますよね。



 私は亀田兄弟については殊更好きだったわけではないですが、才能があり、努力もして、ボクシング人気のためにヒールを演じることを求められる、朴訥とした根は誠実な青年だと思っていましたから、リボリオとの件はテレビの前で怒り狂った覚えがあります。

 「なんで失格負けのやつに負けたらベルト剥奪されなきゃならんのだ。それじゃ階級の意味がないだろ」

 格闘技好きなら、絶対にこう思うはずですからね。



 JBCの敗訴は団体として果たすべき責務を果たさず、多くの不信感を抱かせ続けた現理事たちへのボクシングファンからのアンサーにもなると思いますから、破綻して、何処かに買収されるか、破綻を免れて再起するのか、どうなるかはわかりませんが、是非とも健全で誠実な団体になってほしいと思います。



亀田兄弟は背もある、リーチもながい、ピーガブーで亀になるスタイルだったけれど、足を使えばキレイなボクシングもできる。


世界チャンピオンになるわけですから、批判されているほど弱くはなくて、むしろ、スタイルをかえてアウトボクシングでポイントアウトを狙うなら、もっと強いだろうにと何度も思いました。

ヒールに徹して、koを狙うがゆえの足をとめ、頭を下げてのベタ足スタイルだったんだと思うんですが、アウトボクシングなら、あのリーチもダッシュ力に優れた足ももっと活かせたのになーなんて思ってましたね(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] JBCは破綻危機だったのですね。しかも、その原因がコロナだけではなかったとは… 詳しい人が感情を抑えて、時間や文字数の制限なくアナウンスしてくださるとモヤモヤしていた所が解るし納得もし…
[良い点] そーゆー『事件』が有ったことを知ることが出来た点(苦笑) [一言] うん。 興味がない人間からすると、『ボクシング界には亀田ってゆー、ヒールがいる』くらいしか認識なかったです(苦笑) JC…
[一言] 世界を名乗る団体がいくつもあるんだから。日本でも世界を名乗る団体を作れば良いのに。
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