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序章・大小のカンケイ、肉体の神秘

初回のみお下劣なネタ構成となっております。嫌いな方、苦手な方、真面目な方は閲覧を御控えください。ヒント:ターメリックの原料と綴り間違い

「あ痛ッ! ……ちょっと、テメェなにしてくれんのよ!」

 とんでもない声で怒られた。俺、なんかしたか? ……いやいや、ここ自分の部屋じゃなかったっけ? 

 おかしいな、と思いつつ辺りを見回すと、なぜかそこは古風な教室のような場所だった。それどころか人が大勢いて、丁度先月まで通っていた高校のように、机と椅子がずらりとならんでいる。そして、目の前には尻もちをついた女の子がひとり。寝てる間にリフォームでもしたんだろうか? そんなお金はないはずだが……

「いやいやそういうことじゃないだろ。夜更かしのせいでバッドトリップでもしたのか? いやいやいや俺のりピーちがうアルヨ」

「なにブツブツ言ってんの? 真っ先にごめんなさいするべきでしょうが!」

「目の前にいた少女はいつの間にか立ち上がって、俺を見降ろしている。ああ、俺は座っていたのか。てっきりベッドに寝てたんだと思ってたが」

「だからなに言ってんのよ……? ……ちょっと、だれか先生呼んできてくれない? 錯乱系かなぁ」

 相当混乱しつつ、俺はとりあえず立ち上がった。近くにいた少年と少女が、両脇で『大丈夫? ちゃんと立てる?』と心配してくれている。大丈夫、と返しながら周囲を見まわすと、皆が皆こちらを見ている。不審がっている顔5割、野次馬顔4割、うっとりした表情一名。知り合いは、残念ながらいないようだった。

 先程まで怒った様子だった女の子は、並んで立っている別の少女とボソボソ言い合っていた。よく聞こえなかったが、断片的に『数式じゃない……』とか、『空想方式なら……』とか、わけのわからない用語が聞こえた。もう俺にご立腹の気配もないし、安心だ。

 なにかがおかしい。まず場所がおかしい。移動した記憶はない。ドッキリか? そして人がおかしい。赤の他人ばかり30人ちかく集まるなんて入学式以来だ。ドッキリか? 最後に少女がおかしい。勝手に怒って勝手に相談を始めて…… ドッキリか? ドッキリか。


 ドッキリの仕込みご苦労様です、と余裕を見せつけようとした瞬間。教室の扉が開いて、不審な女性が入ってきた。

 どのくらい不審かといえば……

「騒がしいですね。みなさん、なにか問題でも?」

物語の中の『魔女』にそっくりな、典型的な格好だったからだ。




 先の混乱から十分後、俺は事態を把握した。といっても自力でやったわけではない。親切なカップルに助けてもらいながらどうにかどうにかこうにか、である。

 その心優しいアベックから得た情報は、次の通りだ。

 一、ここは魔法学園である。

 二、我々は今年度新入生である。

 三、今は待機部屋で先生から指示があるまで待っている最中である。

 四、わたくし代塚尚人はこの世界の人間ではない

 五、それどころか教室にいる大半の人間はこの世界の人間ではない。

 六、その上少数ながら人間以外の種族も混じっている。


 馬鹿な、というのが最初に思い付いた言葉だった。しかし話を聞き、周囲を観察するうちに、それらが真実であると認めざるをえなくなった。

 窓の外には宙に浮く小島や砦のようなものが見えたし、他にも常人なら口に出すだけで既知外あつかいされる事象が乱立していた。教室には角や尻尾、羽の生えた人間がいたし、それらが本物としか思えない『生き物の動き』をしているのを見た。飛んでる所も見せつけられた。羽以外から浮力が発生しているようにしか見えない飛び方で。吊り糸はなかった。


他にもおかしい、常識では考えられないことがあった。例えば、向こうの方から聞こえてくる会話だったり――






「やぁ、僕うんこです。おいしいうんこ」

 俺は今はとんでもない事を口走っている人と話している。そして、このネタはあれだな。

「うんこおいしい おいしいうんこ うんこたべたい おいしいうんこどこですか 」

 あれウコンだっけ。まあいいやどこですか。

「衛生兵ー!! メディーっく!、メディーっクッ!!!」

「落ち着け、錯乱してるだけだ。こう、ガっと……」


 ……ハッ、俺はいま何を? なにかターメリックについて熱い議論を交わしていたような気がするが……?


「うん。錯乱は解けたようだな。僕の名前はおいしいうんこ。よろしくな」

「ああ、よろしく。俺は…………名前を決めてください。五文字以内です」

「じゃあ、僕がうんこだから君はしっこだ。よろしくなしっこ」

「ああ、よろしく」

「さて、早速だが、この学園を案内したいと思う」


「……そろそろよいですか? 説明を聞かないと後悔しますよ」

誰だ横合いから目ざわりな。ああ、あのローブ着た幕後長流先生か。

「先生、この人たち錯乱してるみたいなんです。保健の先生呼んできていただけませんか? ……ちょっとキちゃってるみたいです」

 耳障りな声が聞こえるな。誰かと思えば、さっき騒いでた連中の一人だった。委員長気取りか?


「やぁ、委員長。今日も僕をいじめてくれよ。特に僕のうんこをさ!」

 うんこが委員長に話しかけた。

「え? いや、あの、先生! 早く保健の先生を! 一人もう手遅れなのが!」

「おい、うんこをいじめるなら俺もいじめてくれ。俺は尿道攻めが好みだ」

「すみません。もう一人手遅れがいました」


「いいえ問題ありません。みなさんは色々な世界から招かれているのです、自分の常識と照らし合わせただけで短絡的に『変だ』と決めつけるのは良くないですよ」

委員長はすこし恥ずかしそうに俯き、すぐに「それでもイかれてる」という顔でこちらを見やった。Hahaha,照れるじゃないか。

「でも、えー、先生? こういう文化の世界があるのをご存じなのですか?」

 今度は後ろから声が聞こえた。さっき委員長とペアになってごにょごにょやってた男の方が発信源らしい。確か、ナオト?


「ナオトー? 今日ハ暇カイ? ホテル444ニキテクレ。マッテルカラ……Hahaha」

「おいおい、うんこ、ナオトはあおかんの方が好みに決まってるだろ? Hahaha。ナオトオ外デマッテルカラネ! ナデナデシテー」

「ナオトはそんなエッチしません!」

 委員長が真っ赤の顔をしてそんな事を言った。


「おいおい委員長が錯乱しちゃだめだろ、俺たちの仕事ダゼ? ハヤクハヤク、ナオトナデナデシテ―」

ナオトが困ったような嬉しそうな顔で幕後長流の方を見る。幕後長流も同じような顔で、溜息をついた。

「……私が知る限り、このような思考が一般的な文明には出会ったことがありません」

 このことばで少し自信を持ったのか、委員長がまた「狂ってる」と呟いた。そこで「犯してくれ」と頼むと殴られた。

「ファ、ブルスコファー」


 流石は委員長。うんこも殴られたそうな表情をしている。

「うんこもなぐられたいー」

 なんだ。うんこも委員長狙いか。全く、そんな欲望丸出しでは女は落とせないぜ。

「全く、うんこはだめだな。今の時代はしっこだ。尿道攻めだ。委員長もそう思うだろ。俺と一緒に尿道プレイしようぜ」

 俺はキラリと歯を光らせた。これで委員長も落ちただろう。


 良い腸、おっとミスタイプだ。しかし良い腸からおいしいうんこが生まれるのも事実。良い尿、というミスもいいな、ダイレクトだ。さあ、君もレッツトライ。

「流石に今の発言は問題じゃあ…… 校則違反にならないんですか?」

ナオトがまた口を出した。相変わらずナヨナヨした動作だな、今日からお前はナヨトだ。ナヨトに幕後長流が返答した。

「残念ですが、我が校に厳格はおろか明確な校則は存在しません。すべては現場の裁量、状況次第です」


「hahaha,流石は幕後長流! 太っ腹だ! 便秘で溜まってるのかい? でも、あんたのはノーサンキュー。俺は若くておいしいうんこにしか興味無いのさ! なぁ、委員長!」

 なんで私に振るのよ。って言う顔している良い腸。いいぜ。いいぜ。

「おいおい、待てよ。うんこ。うんこなんて今の時代ダサい。今は尿の時代だ。良い腸だってほら、良い尿になるだろ? 良い腸、君の黄色い聖水が飲みたくてしょうがないぜ。あ、でも、幕後長流先生のはノーサンキューだな」


「先程申し上げた通り、校則如何は現場の裁量に委ねられています。そして、あなたは少々やりすぎました」

なんだなんだ、雲行きが怪しいぜ。良い尿良い腸委員長は顔真っ赤にして震えてるし、ナヨトはおろおろしてやがる。どうなるってんだ?

「私個人への誹謗中傷は仮に各々の権利として認めましょう。しかしクラスメイトへのいわれなき暴言は好ましいとは言えず、今回は度が過ぎました。……ところでお聞きしますがミス・セブンシープ(仮)? あなたは委員長に任命されたのですか?」


「……私は委員長になったつもりはありません」

 良い腸は顔を真っ赤にさせ、肩を震わせそう呟いた。hahaha,委員長に間違われてうれしいのか。正しくは良い腸。更に正しくは良い尿だけどな。

「そうですか。では、本当の委員長は誰ですか?」

 そう言ってまずい尿、マズ尿の幕後長流が本当の委員長を探す。全く、もうめんどくさいから良い尿が委員長を務めればいいじゃないか。


「……我が校では慣例として、生徒たち自身で役割を担うことが多々あります。今回もその例に従って自主的に委員長の任に就くもよし、我々教員が指名するのを待つもよし。少なくとも今現在、自分から名乗り出るものは居ない。よろしいですね?」

 本当に面倒な学校だな、と思いつつ、周りの皆と同じように頷いた。あたりまえだ、良い尿が誰かは俺が決める。

 幕後長流が後を続けた。表情は先程の呆れたような冷酷なものに戻った。

「さて、話を戻しましょう。錯乱状態とはいえ、このような無礼を私は許しません。そこで、本件の罰則の権利を――」


「うんこが決めるよー! さぁ、みんなでうんこを食べよう。おいしいうんこ、良い腸のうんこはおいしいよ!」

 またうんこが出しゃばった。うんこうんこと! うんこがなんだというんこ!

「だから、うんこでは無く、尿だと言ってるだろ。*なんて古いんだよ。今の時代はおしっこ! おしっこは偉大だ。誰だったか知らないがおしっこを飲んで、おしっこは飲めるんだと証明してくれた人が居ただろ? おしっここそが世の中で一番おいしい飲料だ。さぁ、みんなでおしっこを飲もう」


「――本件の罰則の権利をミス・セブンシープに委託しようと思いましたが、私がやります。みなさん下がりなさい」

そう言って、先生が教壇から下りて近寄ってきた。うんこと俺以外はみんな隅の方に下がって、こちらを見つめている。幕後長流は平然とした様子で、授業のように話し始めた。

「みなさんはまだわからないと思いますが、このような症状は悪質な行動理念を植えつけるはずの術が失敗したときによく起こります。常識のたがを外すことから始まる術式だからです。その場合、ショックで意識を飛ばすか数日昏睡させると良いでしょう」


 そう言うと幕後長流は杖を振り上げ、俺たちに近付いてきた。

「マズうんこが! 僕様がそんなうんこ攻撃にひるむとでも? 食らえ、うんこ盾!」

 そう言いながら、うんこは俺を盾にする。な、こいつめ。何を言うか!

「おい! それを言うならしっこ盾だろ! 間違え―――うぎゃああああ!」

 俺は意識を飛ばされた。どうやらマズ尿に杖で後部を殴られたらしい。背後からとは卑怯な。流石はマズにょ――





そして数日後、俺は意識を取り戻した。しかし、失ったものは大きい。名誉と、信頼と、クラスメイトだった――





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