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僕の愛した女性は100年前の人だった。

作者: 七瀬
掲載日:2020/07/08






___僕は人生に心底、疲れていた。

この時代で、僕がしたいことがない事。

もっと過去に戻れば、何か? 僕が本当にしたいことが

見つかるかもしれない。




・・・ずっと、そう思っていた。

今の時代、何でもありすぎて何かしようと思っても

先に誰かがしている。



新しいモノを生み出す事が、この時代ではどれだけ大変か!

僕には、痛いほど分かるんだ。

僕も、何かを創り出すクリエイターだからね。




 *



___でも、僕はこの時代に絶望している。

だから、敢えて僕はこの時代から離れる事を覚悟した。



僕の知り合いに、“タイムマシーン” を作った人間がいるんだ。

僕は、その実験台1号になる!




僕は過去へ行き、何かを見つけて帰ってくると決めたんだ!


『・・・やっぱり、やるのか?』

『___なんだ? 自信がないのか?』

『まだ、最終試験をしていないと言うのに、お前ときたら、、、?

どうなっても知らんぞ!』

『分かってる! 済まない、無理を言って...。』

『まあ、いいさ! 俺が作ったモノだ! 必ず上手くいくよ!』

『___あぁ、そう信じているよ!』

『___そうだ! さあ、行くぞ!』

『___うん!』





___早速実験をはじめた。


『___さあ~! はじめようか!』

『あぁ、頼む!』

『よし! 行くぞ!』

『___あぁ!』 




機械の音が鳴り響き、僕の乗っているタイムマシーンがぐるぐる

回転しはじめ、光を帯びて速度を上げていく。

そして、僕は光の中に溶け込むように過去にタイムスリップした。



・・・数時間、過ぎたような時間がゆっくりと感じたかと

思えば、何処かについている。


『・・・ココは? まさか!? 100年前だと! えぇーっ!?

100年前といえば? 1920年(大正9年)じゃないか!!!』



何もかもが、新鮮で何もない場所に着いた。

僕は一先ず、タイムマシーンを誰も来ないようなところに隠して。

この時代の服を纏い、何もかもこの時代に来るために仕込んでおいた。

この時代には、【中山一男】という男性がいて僕の先祖にあたる人だ。

その人を見つけて、1週間ほど眠っててもらい僕が代わりに中山一男に

なるという訳だ! まあ、うまくいくといいのだが、、、。





___そこに、時間通りに現れた“中山一男”が僕の横を通り過ぎる。


『・・・あんた、この辺じゃ見ない人だね?』

『そうですか? でも、大丈夫ですよ! 直ぐに慣れますから!』

『・・・えぇ!? 何をする、ん、、、だあ。』

『・・・本当にスミマセン。少しの間、眠っててください。』



僕は中山一男をタイムマシーンに乗せて、、、。

僕は “中山一男” に取って代わった。

一時的なモノとはいえ、一男には本当に申し訳ないと思っている。



さあ、この時代がどんなところなのか、、、? 

自分の目で確かめる事にしよう!



___中山一男は、生涯独り身で......。

小さな家に一人で住んでいる事は知っている。

そこまでは、情報としてあったのだが...。

まさか!? 一男には、恋ゴコロを抱いていた女性ひとがいたとは?

思っても見なかった。




___取りあえず。

僕は、一男の家に行くと? 一人の着物を着た若い女性ひとが一男の

家の前で立っていた。


『___あら? 何処に行っていたの? ずっと待っていたのよ!』

『・・・・・・』

『一男さん? どうしたの、今日は口数が少なくない?』

『・・・いいえ、そんな事はないよ。』

『それならいいんだけど、さあさあ~中に入って! 晩ごはんを私が作って』

あげましょう~! 一男さんの好きなフキの煮物よ。』

『・・・あぁ、ありがとう。』




___なんて! キレイな女性ひとなのだろう。

僕は、一目で彼女に恋をしてしまった。

家庭的で、品があり、女性的な人。

僕の理想とぴったりの女性ひとだった。



『___どう? 料理は口に合いましたか一男さん?』

『もちろんです! どの料理も美味しかった!』

『___じゃあ、また明日も作りに来ますね!』

『___はい! 明日も、久子さんの手料理が食べれると思うと

明日まで、待ちきれませんよ。』

『___あら? 嬉しい事を言ってくれるのね!』

『本当の事ですよ。』

『・・・一男さんらしくない、言い方ね!』

『・・・そ、そんな事がありません! いつも通りですよ。』

『まあ、そうよね! じゃあ、また明日。』

『___はい!』





 *




___僕は、完全に目的を忘れていた。

僕の目的は? 過去へ行き、何かを見つけて帰ってくる事だった。




その事を! すっかり忘れて、僕は久子さんに夢中になった。

彼女と居ると、僕の心が安らぐというか?

こんな気持ちになったのは初めての事だった。




・・・そして、1週間後。

僕は、やってはいけない事をしてしまう。

【本物の中山一男】をタイムマシーンに乗せて未来に送ったのだ!




___僕は、ココに残り。

久子と一緒になると決めた!



『___久子さん! 僕と結婚してくれますか?』

『___はい!』



僕と久子さんは、結婚して直ぐに子供を久子さんが身ごもる。

未来の僕は、55歳まで独身で運命の人とは出会えなかった。

だから、まさか!? この100年前のこの時代で運命の人と

出逢い、家族を作るとは思っても見なかった。







・・・その頃。

100年後の未来に行った本物の一男は?


『___おっ! 無事に帰ってきたか? 正男!』

『・・・うっ、イタタタタ、ココは?』

『・・・えぇ!? 正男じゃないのか? あなたは?』

『___中山一男だ!』

『・・・な、なんて事を、アイツはしてくれたんだ! 過去の人間を

未来に連れてくるとは? してはいけない事だぞ!!!』

『・・・・・・えぇ!?』



最後までお読みいただきありがとうございます。

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