僕の愛した女性は100年前の人だった。
___僕は人生に心底、疲れていた。
この時代で、僕がしたいことがない事。
もっと過去に戻れば、何か? 僕が本当にしたいことが
見つかるかもしれない。
・・・ずっと、そう思っていた。
今の時代、何でもありすぎて何かしようと思っても
先に誰かがしている。
新しいモノを生み出す事が、この時代ではどれだけ大変か!
僕には、痛いほど分かるんだ。
僕も、何かを創り出すクリエイターだからね。
*
___でも、僕はこの時代に絶望している。
だから、敢えて僕はこの時代から離れる事を覚悟した。
僕の知り合いに、“タイムマシーン” を作った人間がいるんだ。
僕は、その実験台1号になる!
僕は過去へ行き、何かを見つけて帰ってくると決めたんだ!
『・・・やっぱり、やるのか?』
『___なんだ? 自信がないのか?』
『まだ、最終試験をしていないと言うのに、お前ときたら、、、?
どうなっても知らんぞ!』
『分かってる! 済まない、無理を言って...。』
『まあ、いいさ! 俺が作ったモノだ! 必ず上手くいくよ!』
『___あぁ、そう信じているよ!』
『___そうだ! さあ、行くぞ!』
『___うん!』
___早速実験をはじめた。
『___さあ~! はじめようか!』
『あぁ、頼む!』
『よし! 行くぞ!』
『___あぁ!』
機械の音が鳴り響き、僕の乗っているタイムマシーンがぐるぐる
回転しはじめ、光を帯びて速度を上げていく。
そして、僕は光の中に溶け込むように過去にタイムスリップした。
・・・数時間、過ぎたような時間がゆっくりと感じたかと
思えば、何処かについている。
『・・・ココは? まさか!? 100年前だと! えぇーっ!?
100年前といえば? 1920年(大正9年)じゃないか!!!』
何もかもが、新鮮で何もない場所に着いた。
僕は一先ず、タイムマシーンを誰も来ないようなところに隠して。
この時代の服を纏い、何もかもこの時代に来るために仕込んでおいた。
この時代には、【中山一男】という男性がいて僕の先祖にあたる人だ。
その人を見つけて、1週間ほど眠っててもらい僕が代わりに中山一男に
なるという訳だ! まあ、うまくいくといいのだが、、、。
___そこに、時間通りに現れた“中山一男”が僕の横を通り過ぎる。
『・・・あんた、この辺じゃ見ない人だね?』
『そうですか? でも、大丈夫ですよ! 直ぐに慣れますから!』
『・・・えぇ!? 何をする、ん、、、だあ。』
『・・・本当にスミマセン。少しの間、眠っててください。』
僕は中山一男をタイムマシーンに乗せて、、、。
僕は “中山一男” に取って代わった。
一時的なモノとはいえ、一男には本当に申し訳ないと思っている。
さあ、この時代がどんなところなのか、、、?
自分の目で確かめる事にしよう!
___中山一男は、生涯独り身で......。
小さな家に一人で住んでいる事は知っている。
そこまでは、情報としてあったのだが...。
まさか!? 一男には、恋ゴコロを抱いていた女性がいたとは?
思っても見なかった。
___取りあえず。
僕は、一男の家に行くと? 一人の着物を着た若い女性が一男の
家の前で立っていた。
『___あら? 何処に行っていたの? ずっと待っていたのよ!』
『・・・・・・』
『一男さん? どうしたの、今日は口数が少なくない?』
『・・・いいえ、そんな事はないよ。』
『それならいいんだけど、さあさあ~中に入って! 晩ごはんを私が作って』
あげましょう~! 一男さんの好きなフキの煮物よ。』
『・・・あぁ、ありがとう。』
___なんて! キレイな女性なのだろう。
僕は、一目で彼女に恋をしてしまった。
家庭的で、品があり、女性的な人。
僕の理想とぴったりの女性だった。
『___どう? 料理は口に合いましたか一男さん?』
『もちろんです! どの料理も美味しかった!』
『___じゃあ、また明日も作りに来ますね!』
『___はい! 明日も、久子さんの手料理が食べれると思うと
明日まで、待ちきれませんよ。』
『___あら? 嬉しい事を言ってくれるのね!』
『本当の事ですよ。』
『・・・一男さんらしくない、言い方ね!』
『・・・そ、そんな事がありません! いつも通りですよ。』
『まあ、そうよね! じゃあ、また明日。』
『___はい!』
*
___僕は、完全に目的を忘れていた。
僕の目的は? 過去へ行き、何かを見つけて帰ってくる事だった。
その事を! すっかり忘れて、僕は久子さんに夢中になった。
彼女と居ると、僕の心が安らぐというか?
こんな気持ちになったのは初めての事だった。
・・・そして、1週間後。
僕は、やってはいけない事をしてしまう。
【本物の中山一男】をタイムマシーンに乗せて未来に送ったのだ!
___僕は、ココに残り。
久子と一緒になると決めた!
『___久子さん! 僕と結婚してくれますか?』
『___はい!』
僕と久子さんは、結婚して直ぐに子供を久子さんが身ごもる。
未来の僕は、55歳まで独身で運命の人とは出会えなかった。
だから、まさか!? この100年前のこの時代で運命の人と
出逢い、家族を作るとは思っても見なかった。
・・・その頃。
100年後の未来に行った本物の一男は?
『___おっ! 無事に帰ってきたか? 正男!』
『・・・うっ、イタタタタ、ココは?』
『・・・えぇ!? 正男じゃないのか? あなたは?』
『___中山一男だ!』
『・・・な、なんて事を、アイツはしてくれたんだ! 過去の人間を
未来に連れてくるとは? してはいけない事だぞ!!!』
『・・・・・・えぇ!?』
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