9) 第4話 オレは初めてステータスを見る(2)
オレは詳しく内容を確認する前にどうしても気になってしまった点に突っ込んだ。
こんなオレは多分、悪くないと思う。
性別が女ですらなかったぜ……。
気を取り直し、改めてオレは自分のステータスを詳しく確認していくことにする。
入主 神威【イリス カムイ】
種族 ヒト族
性別 美少女
職業 無選択 選択可能職あり【タッチで確認】
レベル 1
BS:なし
信仰:なし
筋力 17(14+3) 【力の強さ、物理攻撃に関係】
耐久 15(12+3) 【肉体的な打たれ強さ。HP、防御力に関係】
敏捷 16(13+3) 【素早さ。移動速度、近接精度、物理回避に関係】
器用 11(8+3) 【器用さ。射撃・近接精度、多くのクラフトに関係】
感覚 7(4+3) 【感の良さ。射撃回避、精霊術に関係】
知識 6(3+3) 【知識量。多くの魔術に関係】
精神 19(16+3) 【精神の強さ。魔術回避、信仰術に関係】
魔力 17(14+3) 【魔力の多さ。魔術威力に関係】
【ヒトの能力平均の目安は10、レベルにより変動】
HP 19 【物理的打たれ強さ】
MP 23 【精神的打たれ強さ】
スキル
【喧嘩殺法】:素手を使ったルール無用の戦闘術。奇襲効果あり
【抵抗】:あらゆる抵抗判定に+補正。
【説得/無法者】:あらくれ者を説き伏せる交渉術
ユニークスキル
【栄光の手】:手で掴みとった対象に【完璧なる美少女】を与え、元の姿に基づくたヒト系種族に変化、ソレに類ずる専用衣裳を与える。この時ダメージ判定を含んだあらゆるバットステータスが解除される。専用衣裳はこのスキルの効果を弾く。
付加スキル
【完璧なる美少女Ⅲ】:自身を完璧なる美少女へと変える。ランクはその度合。
自身の言葉はキレイな言葉へと自動的に変換される。また完璧属性はあらゆる能力と成長に強い補正値を与える。また自身にこのスキルを付加したモノに対し、愛情と信仰心を抱く。その強さは環境に依存する。自身に付加した時のみランク値へと変換される。
ランクⅡ:立ち振舞が自動補正され、キレイな動作となる。能力補正あり。
ランクⅢ:性別が美少女となり、種を超絶した美しさを得る。
また言動補正が強化され、より美しい言葉となる。能力補正あり。
・
なんかオレのスキル完全にあらくれモンのソレになってねぇか?
不良更生の為のあれこれが完全にスキル化しとるぞコレ。
それにこの能力値。そこはかとなく、オメェ鈍感でバカじゃんって言われてる気がするわ。そっか。自分の数値化ってワリと精神的にクルモンなのね。
ううん?
おう。なんかオレが掴んだモンが全て美少女に変わんのこの【栄光の手】のおかげらしい。お、これオレが変えた女の子の持ってるモンならオレも使えそうじゃん。
こりゃ後でやるこたぁ決まったな。
おう。
オレがカミサマ呼ばわりされるのって【完璧なる美少女】ってスキルの効果かよ。
あぁ、コレ悪質な洗脳だわぁ。…………深く考えたら負けるなぁ。
思ってたより美少女化ってメリットあるな。能力・成長補正ってなんかすごそう。
って性別美少女お前のせいかよっっっ!!
あと”自身の言葉はキレイな言葉へと自動的に変換される“ってなんじゃい?
オレずっと普通にしゃべってんだけどな。
周りからはそう聞こえてるってことなんだろうか?
ま、意味が通じりゃ大した問題じゃねぇな。
会話なんて要は心だろ。それがちゃんと伝わってりゃ十分だ。
あ……、職業ってコレに触れればいいのかな?
その時オレの頭に衝撃が奔ったっ!!
・
以下の職業に転職可能です。
コモンクラス
村人
戦士
格闘家
神官
レアクラス
神官戦士
トリプルレアクラス【トップレアリティ】
女神見習い
各クラス説明表示可【ここをタッチで表示】
各クラスタッチで初期スキルを見る。
・
「ふぁぁぁぁぁっっっ!?」
「ふぇぇっっ!!」「ふぇぇ。」
カミサマ、あんたオレをドコに向わせたいんだっっ!!
1つ飛び抜けて凄そうなんだが、男のオレがなるのは気が引けるモンが混じってるじゃねぇかっっ!!
と、とりあえずこりゃ確認するしかねぇな。
むこうはトップレア様だ。貧乏性のオレにゃあとても無視できる存在じゃねぇ。
震える手でオレはステータス画面をタップする。
・
以下の職業に転職可能です。
コモンクラス
村人 【この世界の一般的な村人。クラフトに補正あり】
戦士 【近接戦闘に長けた職業。弓・投擲の射撃スキルも少し修得可】
格闘家【素手戦闘に特化した職業。極めると気の波動を飛ばせる】
神官 【信仰術を使える職業。信仰した神の戒律を護る必要がある】
レアクラス
神官戦士【信仰術を使える戦士。信仰した神の戒律を護る必要がある】
トリプルレアクラス【トップレアリティ】
女神見習い【複数人から女神として認識、信仰された者のみが選択できる隠し初期クラス。いずれは神々の頂きに登らんとする者。信仰対象として信仰心を集めれば集めるほど、強力な奇跡を使えるようになる。信者に信仰術を授けられる。
「おお今まさに天界の輝かしい光が誕生せんとしておられる。見よアレこそが我らが希望、新たなる我らが女神の姿よ。その名を讃えよ、その名を讃えよっっ!」】
各クラス説明非表示可【ここをタッチで非表示】
各クラスタッチで初期スキルを見る。
・
なにこれ。
めっちゃ強そうなんだけど女神見習い。
だってあからさまに説明凝ってるし。
ツーか何で職業の説明にフレーバーテキストとか入ってんだよっっっ!!
でもこれ選んだらオレもう男に戻れないような。そんな確信があるぜ。
…………。
オレはそっとステータスを閉じて、問題を先送りすることにした。
今はまだきっと選択の時じゃない。
とりあえずミンナには職業以外のことを教えよう。
そうしよう(現実逃避)
「とりあえずステータス見てみたわ。オレはヒト族。
職業はちっと思うトコがあって未定な。んでオレの力の正体がワカッタ。」
「カミサマの力っっ!!」「カミサマの力。」
「まぁ~、詳しくお聞きしてもぉ?」
「むー、むー」
なんか押さえつけられてる小悪魔ちゃん。
もう完全にそういう立ち位置なのね、納得しちまうわ。
さってこっからが本番だ。
「おう。オレの力は掴んだモン全てを美少女にしちまう能力。ンで、そのことなんだけどな。オレってどうやらもう変えちゃった子の着ているモン以外は全部掴んだら美少女にしちまうみてぇなんだ。だからよ。」
オレはその場に素早く頭をつけて……、
「すまねぇっ!!オレにみんなの着ている服を少しずつワケてくれっっっ!!」
言うが早いが土下座したっっ!!
NEXTSTORY
「オレに君のアレを下さいっ!!」
閲覧ありがとうございます。
職業欄をそっと閉じていくスタイル(白目)
なお彼が翻訳後の自分の言った言葉を分かっていないのは、彼が自分が喋りながら聞き取りできる程賢くも鋭くもないからだとか。知力と感覚最低ラインだしね。仕方ないねっ。