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20) 第9話 オレの光が全てを照らすっ!!

今輝く時っ!!

主人公目線ですよ。

我が根源よ(シャイニング)光となりて今輝かん(レイン)


オレがそれを唱えた時、瞬く間にオレの身体を虹色の光が包む。

わかりやすく虹ってわけじゃないんだが、こうキラカード見てぇな光沢を帯びてるっていうか。見方によって様々な色に変化する感じの綺麗な光だ。

……いや確かに輝いてるけどさ。オレ今どう考えて光ってる場合じゃねぇだろ。


その時オレの頭に衝撃が奔る。


なんとその光を見た狼たちはたちまちにおとなしくなり、次々とオレの姿を見ては地にひれ伏していくじゃねぇか。正直オレにはワケがわからんかった。


《彼らは何らかの呪いを受けていました。この神術はそれらを解除し、精神を沈め見るもの全ての傷を微量回復していきます。》


やっぱりオレの頭に響いた声がオレの疑問に答えてくれた。

なん、だ。そんだけで、こんな術1つ使うだけで全て丸く収まったのかよっ!

じゃあオレが最初っから職業ちゃんと選んでたらワカバも、みんなも傷つかなくてすんだってことかよっ、本当にオレのせいじゃねぇかっ!!


《否定。この神術はあなたが悲しみを経て得た根源により生じたモノです。

また狼達の行動も貴方達の行いの果てに生じたモノ。

あなたの行いはけして無駄ではなかった。》


納得できっかっ!

ああ、でも。そうだな。

終わったんだ。あんな意味わかんねぇ戦いが終わったんだ。


《狼らが貴方を信仰対象として求めています。彼らとの対話を推奨。

呪いの解除が完全ではありません。強く対象の美少女化をお進めます。》


ああ、わかった。でもアレ全部掴むのは骨だな。


《種族名称:蒼の狼は群体生物です。そのどれかを掴めば全てが変化します。》


なんだソレ。じゃあこの状況、やっぱオレが迷ってたのが原因じゃねぇか。


《肯定。しかし迷いがあったからこそのこの状況です。貴方は考えうる中で最良の結果を掴んでいる。それはけして恥じるべきではない。》


なにが最良だっ、みんな傷ついてワカバが死んじまったんだぞっ!

つかむしろオメェさっきからなんだよっ、誰だよ!


《回答。当機は貴方のステータス表示システム。貴方の力により人格を得たモノ。つまり当機は美少女です。これより当機は主に貴方の知識面でのサポートを行い、その目的の手助けに徹します。》


ん?今美少女言う必要あったか?

まぁいいや。とりあえず目の前の狼たちだ。


オレはゆっくりと一番大きな狼の元へと近づいていく。途中で剣さんがオレに一礼をし、狼たちとおんなじように傅き、頭を下げられる。気付きゃあその場の全員が、オレに頭を下げていた。それはなんとも不思議な光景だった。


オレはそのデっけぇ狼の頭を掴み、美女に変える。

これでもうこっちをいきなり襲ってくるようなことはねぇだろ。

オレらの安心は確保されたってやつだ。


「これで話ぃできるな。」

「……なぜ我らの、……在り方をお変えに?」


危険がなくなったことにオレがほっとしてついつい漏らした言葉に、狼だった美女が問いかけてくる。長い蒼い髪と目をした、狼耳の美人さんだ。まぁここは素直に答えるだけだ。


「もうこの力を使うのを、変えるのを躊躇わらんって決めたんだ。

仲間(みんな)を守る為に。仲間(みんな)の今を守る為にはよ。」


そうだ。オレはもう、仲間を、家族を失いたくねぇ。

その為なら卑怯であろうが卑劣であろうが飲み込んで、あらゆるモン美少女にして従わせる。もう失うのはたくさんだ。そう決めた。


「我は、我らは貴方の仲間を殺しました。その命を奪った罪、決して許されるモノではない。それなのに貴方は、貴方様は我々を許されるおつもりか?」


ああ、コイツ、コイツラって元々イイやつだったんだな。自分のしたことを心ん底から悔いてやがる。呪い、だったか。なんか事情が合ったんだろ。まぁそれは後で聞くとして。今は思い詰めてるコイツラに道を示してやらんとな。


そういうんはこちとら不良(悪ガキ)どもで慣れとんだ。


「んなもん望むヤツじゃねぇ。みんな一緒がいいって、いっつも笑ってた娘だったんだ。だからよ、別にオメェらに罰なんて必要ねぇ。でもよ、それでオメェの気がすまねぇってんなら、俺らの仲間(みんな)の住む場所を作る手助けをしてくれねぇか?」


そうさ。こういう思い詰めちまうような奴は、ちゃんと歩き方さえ示してやりゃ、後は勝手に進み出す。オレもこの世界で暮らすんなら住処はぜってぇ必要だ。

オレらも幸せ、コイツラも幸せ。ちっとずりぃが、まぁこれで丸くおさまんだろ。


「お、おお、ぉぉっっ……、なんという誉れ、なんという栄誉っ。

我らに、この我らに御身の偉業に関わることをお許しになられるとっ!」

「頼めっか?」


なんか思ったよりも感動してねぇか?

まぁそれだけ思いつめてたんかね。ホント、根はイイやつらなんだな。


「是非もなくっ!!

我ら蒼き狼はこれより貴方様に仕え、この身が尽きて幾度生まれ変わろうと貴方様の求めるモノを必ず用意してみせましょうっ!

これより我らはそれを新たな誇りとし、この誇りを貴方様に捧げるっ!」

「「「「「「捧げるっ!」」」」」」


おお。なんかそこまで熱心にオレなんかの思いつき受け取られても気が引けるぜ。ほどほどにな。ほどほどに。

ま、盛り上がってんなら今口出しするこってもねぇわな。


「どうか、どうか偉大なる御方。慈悲深き真の女神よ。

我らに貴方様の御名前を。

我らを導きし御身の御名をお教えくださいっ!」


ああ。そういやなんかコイツラオレの事信仰してぇとか思ってたんだっけか。

スキルの効果とはいえ(・・・・・・・・・・)なんか複雑だな。

ま、いいや。普通に教えりゃ問題ねぇ。


「イリス・カムイだ」

「ヴィリス・カムィっ!!」


あ、やっぱコイツラも変な訛りあんのね?

もうオレ、この世界じゃそっちで呼ばれ続けんのかね?

ここは一応訂正しとくか?


「「「「「「ヴィリス・カムィっ!!」」」」」」


「「「「「「ヴィリス・カムィっ!!」」」」」」


おいおいおい、と、とてもじゃねぇが訂正できる雰囲気じゃねぇっ!!

おい、なんで狼達に混じって剣さんや鎧さんも叫んでんだよっ!

んなことよりコイシや小悪魔は大丈夫なんかの方がオレ知りてぇんだけどっ!!

ちょ、お、落ち着けっっ!!


テメェら、落ち着きやがれってぇっっっっっ!!


これはひどい(オーマイガッテス)。》

NEXTSTAGE

第10話 そしてオレとアレの再会


閲覧ありがとうございます。

次の話が第1章の締め、でもその後ももう少しだけ続くみたいです。


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