#10 WHAT WE REALLY NEED to DO NOW――
朝日大学文学部棟、中庭を囲むように中央が空いた造りになっている建物の五階。エレベーターを降りてすぐ右手側の通路の一番手前に津島の研究室はあった。左右の壁には背の高い本棚が隙間なくずらりと立てられていて、奥の隅には来客用の机と椅子が用意された小スペースが、中央には津島の机が置かれてある。
夕方過ぎ。カデノーランドから戻ってくると津島は、仕事中のそのまま放り出していた資料を簡単にまとめ部屋を整頓し古見を招き入れた。
「失礼します……。うわぁ、流石文学部の先生ですね、僕の知らない本が沢山ある」
「これはまだまだほんの一部ですよ、能力の本質を掴むにはもっと古い時代の文献も読み進めていく必要があるからね」
「津島先生の視点にはいつも驚かされてばかりですよ。能力には大昔の妖や神話伝承、信仰心が深く関与してくるなんて僕には到底考え付くことすら敵いませんから」
「それを言うなら僕の方もですよ。隕石に含まれる宇宙由来の物質が能力の根源だなんて古見先生じゃないときっと思い付かないよ」
偉大なる教授たちは口癖のようにお互いを褒め合う。讃えあって謙遜し合い、そうやってきりがなくなると顔を見合わせて笑い合う。どこの平和空間だと第三者が見ればこちらが小恥ずかしくなるようなやり取りが研究室の片隅で繰り広げられていた。
「とはいえ、まだどちらの説も完全なる能力証明には至ってないけれどね」
「そうですね、まだまだ調査と研究が足りないということです。ですが、一先ずは柊さんからの依頼の検証を始めなくてはなりませんね」
「そうだね。十七夜君の為にも、天王寺屋先生の為にも」
津島は本棚の上部寄り中央の段にある一冊の本に手をかける。雪乃の書いた本だ。雪乃の本は管理局図書館にあるものから一般の書店で発売しているものまで、どんなものでも津島の研究に於いては重要な役割を果たしている。能力者によって認められたというだけでなく、それ自体が能力発動の触媒となり能力の本質を示している貴重な資料なのだ。
「雪乃さんが何かの罪に問われるなんてこと……ないですよね?」
「もし天王寺屋先生が意図的に十七夜君を別の本に閉じ込めているとしたらそれはきっと罪になるだろうけど、それはないからね」
津島はエラーが起こったとき、確かに二人の名前が同じ本に書かれてあったことを確認したと話す。
雪乃は能力犯罪者を収容する監獄の看守という立場にあるからか、常に厳しく正しい振る舞いを心がけている。勿論それは彼女自身に対しても同じことで、何らかの悪意を持って能力を使用することはまず考えられなかった。
「でもこのまま十七夜君が見つからずに事態が深刻化したら、少なくとも天王寺屋先生に対する世間の目は良くないものになるだろうね……」
「そんな、雪乃さんは何も悪くないのに! そもそも誰も悪くなんてないのにどうしてこんなことに……。一刻も早く解明しないといけませんが、今回のような件で果たして僕が役に立てるのでしょうか?」
津島の立てた仮説によれば少女十七夜は並行世界かつ過去の存在であるという。そしてエラーも恐らくはそれに起因する現象だと考えられた。だが古見は普段それらを真っ向から否定する側の立場に立っていて、そう易々と肯定的には捉えられないでいた。しかし仮説が立証されなければ事件については振り出しに戻され、また雲を掴むような思いをすることになる。
一秒でも早く解決したい気持ちと自身が積み重ねてきた理論がせめぎ合い古見は頭を悩ませていた。
「時間と空間を超えた存在……うーん、やはり俄には信じられないですね」
「十七夜ちゃんはかなり異質な存在だと僕も思うよ。そもそも並行世界とは言っても天王寺屋先生の物語世界は擬似的なものであって正確には違うでしょう? 彼女が物語世界の存在であるとすれば、それは次元まで超えていることになってしまうから一層事をややこしく見せているんだろうね」
「時間と空間に加え次元まで関わってくるのですね、確かにそれだけで二軸で見るよりずっと複雑になってしまいます」
古見はその場にあったホワイトボードに平面的なグラフを描き、矢印を書いたその隣に立体図形を描き手前にある辺それぞれにX,Y,Zと記す。「数学で言うとこういうことですね」と言うと「そう……なのかな?」と津島は首を傾けて困惑しつつ微笑んだ。
「でも古見先生、少し考えてみて欲しいのだけれど。次元を超えることに関しては天王寺屋先生の能力で説明がつく。そして本の中であるなら時間も空間も考慮しなくていいよね」
「言われてみればそうですね! そういうことならあまり難しい話ではないかもしれません」
「けれどここでネックになってくることがあるんだ。十七夜ちゃんが天王寺屋先生の意図しないところで此方の世界に現れたことと、そして何より彼女が〝冠崎十七夜〟であること……だね」
「といいますと、雪乃さんの能力が暴走したということですか?」
「端的に言えばね。でも天王寺屋先生の能力に限ってはそう考えにくいところでもあるんだ、身一つで使えるものではないからね。確か本文中の対象にマーカーで線を引けばいいって彼女言ってたよ」
「ほら、こんな感じで」と言いながら津島は手元にあった雑誌を手に取り蛍光イエローでマーキングされた箇所を指さす。
「ふむ、これまた僕の理論ではどうも説明しきれないようですね……。ところで、その〝特大テディベア 全三種 各七,八〇〇円+税〟というのは一体?」
「ああこれはね、この子が一人じゃ寂しいだろうし可哀想かなって思って新しい子を買おうとね。古見先生はどの色の子が良いと思います?」
津島が「この子」と言ってソファに座らせてある大きなクマのぬいぐるみの肩に手を置くと、古見もそちらを見る。難解そうな本が並ぶ厳かな研究室の雰囲気を一変させているソレは、強ばった学生の表情を緩め思わず口元を綻ばせてしまう存在だという。そういえば、と津島が講義にクマのぬいぐるみを連れてきていたらしいという話を学生から聞いたことがあるなと古見は思い返した。
「えーっと、僕はこういったものにはあまり詳しくなくて……。ですが、ピンク色のクマなんて現実には存在しないのにぬいぐるみだと違和感がないのは不思議ですよね」
「ピンクの子、可愛いよねぇ。よし、この子にしようかな。いやでも茶色の子も白の子も可愛いなぁ……」
カタログを眺めあっちこっちに視線をうろつかせ落ち着かない様子の津島は、終いにソファにふんぞり返っているクマにまで「どうしよっか?」と訊き始めた。
「あのー、そのクマは答えをくれないと思うのですが……」
「え?」
「い、いや、なんでもないです! ははは……。そ、それよりエラーについての話をしましょう!」
「おっといけないいけない、危うく忘れるところだった。クマちゃんのことは後でゆーっくり考えることにするよ」
「そうして下さい!」と古見は津島をデスクへ向かわせる。一連のエラーは古見一人では手に負えないことが事実で、普段は対等していても今回ばかりは頼りきってしまった方が合理的なのだと冷静に判断した。
デスクにつくと津島は先程までの幼女が如く花の舞うパステルカラーのオーラを取っ払い、教授らしい顔を見せる。
「僕の仮説の検証――それ即ち十七夜ちゃんの存在証明、此処とは違う世界の存在証明なんて今すぐにささっとお手軽にできることじゃないし、そのことは柊さんなら重々に承知しているはずだよね。それに僕は、別に僕の説が正しくなくてもいいんだ」
「それは一体……?」
「研究は失敗を積み重ねて試行錯誤することの繰り返しでしょう? だからそこに正しさはなくてもいい、最後に手にできればいいだけなんだ。その為に僕らが今、本当にやるべきこと――それは十七夜ちゃんとどう向き合うべきか考えること、なんじゃないかな?」
「どう向き合うべき……ですか」
「そう。十七夜ちゃんが何処の誰かなんてこの際関係ないしどうだっていいと思うんだ、どういう因果であれ僕らが出逢ったのは運命に違いない。古見先生にはあんまり理解して貰えないかもしれないけれど」
「同じ名と同じ記憶を持つ異なった二人との出会い……確かに偶然やたまたまなんて言葉で片付けてしまうより何かによって予め決められていたと考える方が自然でしょうか」
「十七夜ちゃんは十七夜ちゃんとして今此処に存在している、例えそれが〝エラー〟と一言で済まされてしまう間違いだとしても。そして僕らや管理局のみんなはその間違いを正そうとしている。勿論十七夜君には無事に帰ってきて欲しいけれど、でもそうしたら十七夜ちゃんは一体どうなってしまうのかな」
単純に考えれば、間違った状態が正される――少女十七夜は元々存在していた物語の中か何処かに帰って行くのだろう。古見の頭の中にある答えはそうだった。それ以上でもそれ以下でもない、単なる事実を述べれば。
「十七夜ちゃんがどうして此処に現れたのか、それが分からないと僕はどうにも動き出せないな」
「ですが、彼女は本来この世界には存在しないはずなんですよ? このままの状態が長く続く方が問題なのではないですか?」
「それもそうなんだ。少し意味は変わってしまうけど、此の世ならざる者は良くも悪くも世界に大きな影響を与える。幽霊や妖怪の類いがそうであるように、ね。だからこそ天王寺屋先生も何かを持ち込むことはあまりしないようにしているし、もし持ち込んだとしても必要以上にはこの世界に残さないようにしているみたいだよ」
ほんの少し、それだけで世界は変わってしまう。バタフライエフェクト――蝶の羽ばたき一つで狂わされる世界は、時空或いは次元まで超えて不意にやってきた少女の存在によってどんな変化がもたらされるのだろうか。
「でも、だからって十七夜ちゃんを邪険に扱うのは違うでしょう? 彼女が〝冠崎十七夜〟を名乗ったから感情移入してるだけ……古見先生ならそう思うかもしれないけれど、これが天王寺屋先生の場合なら君だって同じことを考えるんじゃないかな」
「全く違う姿をした雪乃さんですか……うーん……。いや、雪乃さんは雪乃さんだからこその雪乃さんですから!」
「古見先生は相変わらず意志が強いなぁ。いつもは冷静で柔軟だけど研究と彼女のことになれば途端に熱くなる。きっと、明確な根拠なんかがない限り他を天王寺屋先生だとは認めないのだろうね。僕が愛したのは君だけだ――なんてね」
津島があまりに照れくさい台詞を言うので古見の方が紅潮して「そんなこと……!」と言って腕を前に突き出し手を忙しなく振っているが、否定するのもどうなのかとぴたりと止まって立ち上がり冷静になる。と、思えばまた慌てた調子で手を振り……そんな上下左右前後運動をどたばたと繰り返している。
奇しくも、こんな場面に於いてまで二人の教授の意見は真っ向から対立した。〝冠崎十七夜〟である全ての存在を尊重する津島と〝天王寺屋雪乃〟はたった一人だと主張する古見。一見どうやったって噛み合うはずのない二人が、これまで互いに切磋琢磨し合いながら権威を勝ち得てきた秘訣は一体どこにあるのだろうか。
「たった一人の天王寺屋先生を助けるにせよ十七夜君も十七夜ちゃんもみんな救うことにせよ、僕達の目的は同じなんだ。エラーの解明、全ての解決の鍵であると同時にそこには能力の本質へと繋がるヒントがあるかもしれない」
「しかし、僕たちは能力について研究している学者とはいえ、今回のエラーのような能力が関与して起こった現象については全くの素人も同然です。それこそ管理局の方がよく分かっているようなものじゃないですか、僕たちは二人ともそういったことには今まで無縁だったのですから」
特殊能力研究の権威――つまり誰よりも能力についてよく知っているということだが、それとこれとは話が近しいようで全く違うのだ。本質と現象では寧ろ正反対と言った方が正しい。
「事件に巻き込まれた経験もなければ、津島先生の能力だって事件に発展するようなものではないでしょう?」
「そうだね。もしかしたら使い方次第で悪いこともできるかもしれないけれど僕には思い付かないな。柊さんに言わせれば『毎日ハロウィンみたいで楽しい能力なのです!』って感じかな、お菓子は強請らないし悪戯もしないけれど」
「ああ確かに、なんと言いますか……可愛らしい能力ですよね。パーティグッズみたいな娯楽の能力で事件にならない分、解決の力になる訳でもない……」
「使えない能力でごめんね……」
津島はデスクに置いてあった小さな猫のぬいぐるみを抱きしめ急に塞ぎ込んだように目を潤ませた。
「いえいえ! 決してそういう訳では‼ そういう意味でしたら僕の方が無力です。だからこそ僕たちは能力ではなく知識を使って管理局とは別の観点から今回の件を見ていくべき……ということは分かっているのですが、やはりどうすれば力になれるのやら……。僕たち二人とも皆さんより当事者との距離が近いのに」
「それだよ、古見先生」
「え?」
「僕らは特殊能力研究の学者である前に十七夜君や常之君、それに天王寺屋先生の友人じゃないか。ゆっくり一つ一つ話を聞いて寄り添うこと、それもすごく大切なことなんじゃないかな」
「そんなことじゃ何も……
「変わらないし分からないって? 確かにそうかもしれない。でもそのことさえ分からないんだ、特殊能力についてはまだまだ分からないことだらけなんだから。案外感情が関与しているかもしれない、可能性はゼロじゃないでしょう?」
「でも、話を聞くなんて僕たちでなくたって誰でもできるじゃないですか。僕たちは僕たちにしかできないことをやるべきではないですか?」
「これも十分僕らにしかできないことだよ。十七夜ちゃんを見た古見先生なら分かるでしょう、信頼できる相手にしか話せないこともあるって」
事ある毎にスーツの男の陰に隠れていた少女の姿を思い出す。警戒心など本来であれば目に見えるはずもないのに、あまりに溢れ出していたのでまるで可視化でも出来てしまったのかと古見に考えさせる程に彼女は他者に怯えていた。そこまではいかなくとも雪乃もかなり警戒心が強いタイプであることは彼も分かっていたので、津島の言葉にはすんなりと頷けた。
「やはり津島先生は偉大な方だ、僕じゃ到底考えつけないことに沢山気付いていらっしゃる。僕の視野が狭いことは大きな課題ですね」
「そんなことないよ。僕はただ、誰にでも分かるような当たり前の中にこそ大事なことがあるって思っているだけだよ。それに宇宙にまで目を遣る古見先生の視野が狭い訳がないでしょう。そういえば、そろそろ流星群が見られるんでしたっけ?」
「そうなんです! 覚えていて下さったんですね、さすが津島先生です!」
星の話になり途端に声のボリュームとトーンを上げる古見に苦笑しながら津島は「研究会議の度に聞かされていたからね」と返す。
「流れ星かぁ、最近はちゃんと見ていないなぁ。小さい頃はよく願い事を言ったりしていたんだけれど」
津島は「小さいって言ってもその頃からおっきかったんだけれどね」と自虐めいて続けた。
「では、今度一緒に見ませんか? 皆さんもお誘いして。こんな大変なときですが、そんなときこそ星を見るべきです!」
「はは、そうだね。お星様に解決を願えば叶えてくれるかもしれない……って古見先生はそんなこと考えていないか」
「星を見ることは特殊能力研究においてとても大事なことですから!」
「能力者に共通して見られたアレのこと?」
「はい――mone-G粒子、能力者の体内から共通して高い数値で検出された宇宙由来の物質です」
mone-G粒子。能力者の身体を検査する中で、能力発現前後での数値の変化が特に顕著であった物質である。これの影響で能力が発現すると主張する学説自体は今よりもかなり前から有力視されてきたが、未知の物質ということもあってか、決め手に欠けなかなか研究が進まないでいた。ところがそこに、宇宙化学界のホープ――新星と謳われた古見が現れたことにより研究は飛躍的に進歩したという。mone-G粒子と呼ばれる物質が本来地球上には存在せず宇宙由来の物質であると突き止めたのは他でもない彼である。
「能力の発現に大きく関わっているということは恐らく間違っていないのですが、何処の星の物質なのかもまだ突き止められてませんし、具体的に身体にどのように作用しているのかも分からないのが現実です。そもそも天体由来でなく宇宙線に含有する物質という可能性もあってとにかく手がかりが少な過ぎるんです。サンプルが少ないので検証も行えず、憶測だけ綴った論文が量産され誤った情報が拡散されたりもしているので早く真実を突き止めないといけないんです!」
「研究は大事だけど、折角みんなで見るのならもっと気楽にしていた方がいいんじゃないかな」
「ですが……! いや、それもそうですかね。また黒葛原さんに怒られてしまいます。雪乃さんは喜んでくれたんですけど、それも昔の話ですからね」
「そうか、天王寺屋先生は立場上好きに空を見上げることすらできなかったのかもしれないからそれは嬉しかっただろうね」
本の中の檻の看守として幼い頃から自由に図書館の外には出られなかった雪乃は、時々遊びに来る古見の話をとても楽しみにしていた。広大な敷地には檻ではない通常の書物も無数に存在していてその数だけ世界について知ることも、天井をスクリーンにして青空や星空を映し出し眺めることも出来たが所詮は造り物であった。一方、彼の持ってくる話と写真には造り物では適いようのない鮮明な色と光があったのだ。
少し灰がかった闇と藍が混ざり合いながら層を成した一面に点々と瞬く小さな光たち。星灯りに色があるなんて知らなかった。それぞれ個性豊かにその身を輝かせる星たちが写された真実とそれを彩る話に、無機質な蛍光灯の明かりばかり見てきた雪乃は魅せられひどく感動していた。
「そういう意味では看守である彼女が一番囚われの身なのかもしれない」
「そうですよね、強力な能力を持ってしまったが為に幼少期から管理局の監視下に縛られたままだったんですから。図書館にある本のデータ化に成功して少しは解放されたと思った矢先にこれですし……って、あれ、なんか変ですね」
「どうしたの古見先生?」
「雪乃さんの能力は僕の理論では証明できていないのにデータには応用出来ているんです、科学的に利用されているんです。仮に僕の理論が見当違いの誤謬で津島先生の仮説が正しかったとしてもそれじゃあやっぱりおかしいじゃないですか」
「言われてみればそうだね。魔法的だっていう僕の仮説に照らし合わせても、科学技術の結晶だとしか言いようのないデータとの整合性は極めて低い」
「これはやっぱりおかしいです。もしかすると、管理局は僕たちも知らないような能力に関する事実を知っているのでは?」
「エラーにだって同じことが言えるね。そもそも能力のエラーって時点でおかしいとは思っていたけれど、それが深く関わっているかもしれない。僕らだけじゃなく民間人みんなに隠す必要があるくらい重要で重大なことなのだとしたら」
教授二人は管理局に漠然とした不信感を抱く。研究とは疑うことから始まるとはよく言うが、彼らに関しては成人らしからぬ無垢さ故に揃っていつも先ずは信じる姿勢でいたので、それは新鮮な感覚であった。道は違えど信疑と目的の一致、これがいつも彼らを繋ぐものだったのだ。