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羊さんと私
「助けて!」
結子は森の中で叫んだ。
目の前の狼への精一杯の抵抗だった。
「ウルフフ、ここは森の中。
助けなんか来る訳が無い。
大人しく我輩に喰われるのだ!」 狼が私に飛びかかる。
彼女は願った。
「助けて!羊さん!」
「ウルフゥ!頂きます!」
もふ
「の!?」
何時まで経っても狼が来ない。 恐る恐る目を開けると、そこには白いもふもふがあった。
「呼んだかい?」
もふもふが喋った。
狼が羊毛にめり込みながら言った。
「お前は!羊さん!」
狼が怯む。
白いもふもふの正体は羊さんだった。
「やぁ、狼君。菜食は止めたのかい?」
「…おのれ…引き揚げだ!」
狼は去っていった。
他の応募作も宜しくお願いします。多分、30作以上応募している筈です。