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かくおの短い物語集

「海魚の冒険記」

作者: かくお

海の水はしょっぱいから、朝早くに海から川へとやってきた海魚達。

川の流れは海の流れと違って、なかなか上手に進めない。


少しでも上流に昇る度に水は美味しくなるんだけれど、流れはどんどんキツくなる。


周りを見ると、スイスイ昇っていく魚がチラホラ。

きっと彼らは元から川の魚達。


海魚の仲間達は下流でウロウロ困ってる。

全然下流なもんだから、まだ少し塩が混ざって変な味。


みんなで困っていたら、川魚の彼らが泳ぎ方を教えてくれた。


「胸ビレよりも尾ビレを振り振り」


なるほど、これは海とは少し違う泳ぎ方。


少し練習してみたら、海魚達も川で泳げる様になってきた。

スイスイとはいかないけれど、スっスっと登って行ける。


ああ、どんどん水の塩気がなくなって、水が美味しくなってきた。


昼になる頃には随分上流までやって来て、完全に冷たい真水になっていた。

みんな気持ちよさそうで美味しそうでいい気分。


それでも日が暮れ始める頃になると、真水の水が物足りない。

しょっぱい水が恋しくなって不思議な気分になってきた。


海魚達はみんなで相談して海に帰る事にした。

川魚達にありがとう。


帰りは簡単、流された。


夜には海に戻ってきて、しょっぱい水がいい感じ。

胸ビレだけで漂って、どこに流されても塩味だ。


同じ感じで仲間達。

やっぱり海がいいねと微笑みあった。




おしまい。




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