STAGE1-4割り切ったEmotion
「はぁー...なんかアンタの話聞くと呆れて怒りすら出なくなったよ...」
「いや本当に申し訳ない。これに関しては全力でお詫びをさせてもらおうと思っている。」
「いや、謝罪はもういいよ、何回やんだよこのくだり。」
俺の魂の叫びからかれこれ30分。俺が呆れ、エリアが謝罪しという流れがずっと続いている。そうしているうちにエリアは本気で
詫びていることは分かったしなんかもう...良いかなって思うようになってきた。
「そうだエリア。聞きたいんだけど、
俺が助けた女の子はもう大丈夫なんだよな?」
「心配ない。君のおかげで彼女は無事だ。
死んでしまっては君に申し訳が立たない。
もう目を離さないと誓おう。」
「そっか。良かった。......母さん達悲しむだろうな。」
「本当にすまない。」
「もういいってw。...あーでもそうだなぁ。申し訳ついでに一つお願いを聞いてほしい。」
そう言うとエリアは目にも留まらぬ速さで食いついてきた。
「なんだ!?聞かせてくれ出来ることなら何でも承ろう!」
ほう...
「今なんでもするって言ったよね?」
「あ、あぁ」
やった!言えた!人生(既に死んでいる)で1度は言ってみたかったランキング上位に入っていたこの言葉!まさか使う時が来るなんて!
「俺の家族を...幸せにしろ!!」
「...え?」
いやそんな顔しなくても
「いやだって、女の子を死の運命から救う力があるなら他の人の運命を変えることだって出来るだろ?」
「それは...可能だが...いいのか?それで。」
「あぁ、勿論。俺のせいで家族が悲しい思いするなんてゴメンだからな。こんな早くに死んだんじゃあ親不孝にも程がある。少しは孝行したい。今更だけどすごいそう思うんだ。」
そんな少し恥ずかしい話をするとエリアは
ずっと一の字にしていた口をやっと綻ばせた
「あぁ、約束しよう。君の家族は生涯かけて幸福にして見せよう。」
「そっか。うん、なら全部水に流す!あんただって本意でやった訳じゃないらしいし」
「君は...やけに割り切りがいいと言うか、優しいんだな。」
「ずっと責めてるんじゃお互いいい思いしないしな。」
「ふふっ...そうか。よく分かったよ。」
「それにしても、君から頼み事をされた時は
女としての矜持を捨てる覚悟だったよ。生前、君は童貞だったみたいだし。覚悟して損をした。」
「死んだ直後に割り切って女襲うとか節操なしか俺は!?というかヤメテェ!俺の生涯の悔いを掘り下げないでくれぇ!!」
次回、やっと転生についての話書きます。