第六区作業場
「そんなに気にしなくていいと思うんだけどなあ……。初めてだったんでしょ? なら普通だよ」
「……」
あれから何度もメディアに優しく慰められてやっと立ち直った雄二は、食堂に食器を返しにいくついでに全部で十箇所ある作業場の一つ、第六区作業場の案内をされていた。
(意外とボロボロじゃないんだな……石造りで結構しっかりしてるしそんな臭くもないし)
「そこが木材庫でこっちが道具置き場。なにか取ってこいって言われたら大概はここにあるから覚えてね? あとはー……あそこがトイレでその隣が皆が寝るお部屋」
後ろから聞こえてくるはずの足音が急に止まってメディアはどうしたのだろうと振り返る。そこには唖然とした表情で、先ほど説明された部屋を見ている雄二の姿があった。
「み、皆が寝る部屋って……? さ、さっきまで居た部屋が俺の部屋じゃないの……?」
「あそこは医務室だよ。ユウジが気絶しちゃってたし傷もちょっと酷かったから特別に一晩借りたの」
「じゃ、じゃあ今晩から俺はあそこで寝るの……?」
「そうだよ。大丈夫、心配しなくてもすぐ慣れるから」
視線の先からはぞろぞろと半裸の男達が笑いながら出てきている。人数にして十~十五人ぐらいだろうか。ここからでは中が見れないため詳細は分からないが医務室と呼ばれていた部屋があの狭さだ、きっとあの部屋も……。そんなことを考えていると「早くしないと怒られるよー」というメディアの呼びかけに雄二は小さく答えて、足早にその場から離れた。
食器を食堂にいる男に渡して雄二とメディアは肩を並べて中庭兼作業場に向かって歩いていた。どのような作業をしているのか見ておいたほうがいいとメディアに勧められて、雄二も特に反対する事もないので大人しくついていったのだが先ほどとは違い二人の間に沈黙が漂っていた。
原因はあれだよなぁと雄二は思う。だが思うだけでどうにもできなかった。落ち込んでいる女の子を慰めた事など生まれてこの方、一度もないのだから。
かなり短くてすいません……残業さえなければ……