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第九話 知ってるよ

 

 目を覚ますと、俺は魔王城の医務室にいた。

 ベッドの上で寝ていて、リコが俺の顔を覗き込んでいる。


「アサノさん!」

「よう、リコ」

「……よかった」


 リコが涙目で、安心してくれている。

 ごめんな、心配かけて。

 もう大丈夫だ。


 リコに話を聞くと、あれからマリナとイズが、国王軍を倒したみたいだ。

 倒したといっても、もちろん人間は傷つけず、ドラゴンの翼を狙うパターンで。

 あっ、ドラゴンさんはごめんね。

 恨むなら、ハゲチャピンを恨んでね。


 そして、大臣を拘束し、そのままロード城へと行き、マリナ直々ロード王に休戦を申し込んだみたい。

 休戦は受け入れられ、大臣は牢屋へ。

 無事に、一件落着したみたいだ。

 よかったよかった。



 ――それから一年後。

 正式に、人間と魔族との戦争終結が決まった。

 人間からもピザの注文が入るようになり、ドラゴン・ピザは大盛況だ。


 人間からの注文の時、魔力通信はどうしているかって?

 実は半年前からロード城の近くに、ドラゴン・ピザの支店を開店している。

 ドラゴン・ピザ、ロード城店だ。

 向こうには、普通に電話があるみたいだしな。


 ロード城店の店長は、なんとイズ。

 配達員は、国王軍の兵士さんたちで、あのコロナさんもいる。

 コロナさんは、もちろんエースらしい。

 配達、めっちゃ遅いらしいけど。

 ピザの出来もよく、ロード城店の売り上げもいいみたいだ。

 ロニいわく、ピザの焼き加減などはまだまだニャ、らしいけど。


 もちろん魔王城店も、連日大忙し。

 マリナはもうベテラン配達員の風格を持ち、大活躍している。

 イオールさんも、活躍するマリナのその姿を見て、近頃は機嫌がいい。

 ロニは最近ルームちゃんに、ピザの作り方を教えてるみたいだ。

 使い魔のくせに、先輩ぶってがんばっている。



 そんな俺は今、休憩中で、魔王城の外で寝転んでいる。

 毎日忙しいから、ヘトヘトですわ。

 しかし、そろそろ仕事にいかないとな。

 ……んっ? リコが近づいてきたぞ。


「……あっ、気がつきましたか?」


 ……ははっ、なるほどね。


「あの……大丈夫ですか? 倒れていましたけど」


 あれから、もう一年か。


「……あのー、ここどこですかね?」

「はっ、はい。ここは……」

「知ってるよ」

「……ですね!」




「ドラゴン・ピザ、魔王城店」




 ――よし、今日もいい配達日和だ。




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