努力少女
頑張れって言葉は、背中を押すと同時にとても無責任な言葉だ。
辛いって止めたいって、もう無理だって歯を食いしばって涙を堪えてる者を追い詰める。
そんな言葉。
だが同時に人を勇気づけて励ます言葉。
努力とはとても素晴らしい。
自己を伸ばし鍛錬する。
頑張れ頑張れと自分を鼓舞し進み続ける。
だが考えてみて欲しい。
本当に努力は報われるのかと。
残酷なことを言うかもしれないが、努力が必ず報われるとは限らない。
何事においても才能というものはある。
ない訳がないのだ。
その努力だけで才能という壁を打ち破れるか。
それは安易に肯定も否定もできない。
だからこそ努力とは難しいのだ。
努力をしても才能とセンスという壁が立ちはだかる。
才能に胡座をかいてる者ならまだ、望みはあるかもしれないが、才能があるからと言って努力しないなんて人もいない。
逆に才能があるからと言って努力しない者もいるのだが。
才能に努力を重ねたものに、努力のみの人間が打ち勝てるのか。
ホラ、諦めたくもなるよね。
それでも諦められない人は努力を続ける。
ボロボロになっても、苦しくても、泣きたくなっても。
逃げたくなるなら立ち止まって休めばいいから。
それでも逃げ出さずに立ち向かうことができれば努力の結果。
そして才能とかセンスにこだわらずに、自分の目指した頂にたどり着けば……。
「…………はぁ……」
世界が開けて見えるんだ。
肺から全ての空気を出して、グッと握り締めた拳を高々と上げる。
その瞬間だけ、掴めるモノがあるんだ。
そしてそれは、努力の結晶でもある。