火から目を離すのは大変危険な行為です
連載に行き詰まったので気分転換
いつも気分転換している気がするけど気のせい
しゅじんこー
名前が無いのはもはやデフォ ちなみに男の子
読み子さん
昔連載してた時のヒロイン 連載期間短すぎますね ちなみに恋人
不審者というと辞書を引くまでもなく、不審な輩の事を差すのは間違いないだろう。この場に疑問の余地を挟むのは、カレーパンの中身がカレーである事ほどに存在しない。
さてさて、その中で不審者を見かけた場合、善良な一般市民である僕らが取るべき行動は何だろうか?
そう、通報である。人に寄っては「見て見ぬ振り」という現代社会を代表した行動を取る人も居るだろう。勿論のことながら僕も現代社会に生きる一人の若者として「見て見ぬ振り」が可能ならば迷わず選択したい。ソレが出来ないから、好きでもない国家機関の番号をプッシュするべきか悩んでいるんだから。
しかしこのまま悩んでいても現状は好転しない。むしろ悪化の一途を辿るであろう事は火を見るより明らかなので、どういう形でアレ目の前の事に対処しなければならないだろう。
それにしても何て説明したらいいんだ?
ため息を一つついてから、居なくなってやしないかと願いを込めてカーテン越しに外を覗く。しかし、僕の願いをあざ笑うかのようにソイツはそこに居た。
赤と白の色彩なもこもこ服と帽子、真っ白な付け髭に子供くらいなら入りそうなほど大きな袋。そう、先ほどから僕の悩みの種は全国のちびっ子が求めてやまないサンタさんである。紅白のおめでたい服装も、ちびっ子が狂喜乱舞しそうな魔法の袋も、学生寮の真ん前でうろうろされたら不審者以外の何物でもない。
そして哀しいことに今は冬休みであり、ほとんどの学生は帰省している。つまり誰かがアレを対処してくれるであろう事は望み薄だ。
しかしなぜサンタがココに居るんだろうか。いい子にはプレゼントがあるとはよく言うけれど、僕はプレゼントを貰う歳じゃないぞ。もう1,2年もすれば成人して居るであろう若者に何故サンタ?もっと他に配るべき相手がいるだろう。
しかもサンタは先ほどからチラチラとこちらの気配を伺う様子を見せている。モーニング珈琲と冬景色という、さぞ素晴らしき朝を返してくれ。何が哀しくて朝っぱらから不審者と対面しなくちゃいけないんだ。
かくして時間だけが過ぎていく。当然だ、警察の皆さんに「サンタが家の前に居る。助けて!」等と通報するわけにはいかない。良くて悪戯、最悪頭のおかしな人と受け取られかねない。
ならばどうするか。
大変不本意ながら、ここは他人の力を借りよう。三人寄れば文殊の知恵と昔の人は言った物だし。使い魔の成りそこないと人間の成りそこないでも3人集まる事になるのかな。
「読み子さん、読み子さん」
「うぁ…?」
早速狭い室内をさらに狭くしている同居人に声を掛けると、とてつもなく不機嫌そうな返事が返ってきた。さて、どうするべきか。
「読み子さん、起きてください。外に変なのがいるんです」
「…変なのー?」
紳士的に体を揺すると眠れる獅子が目を覚ました。しかし眠れる獅子はそのまま力尽きた様に布団へと倒れ込んだ。何故か失われていく温もりにしがみ付く様にして僕の膝を抱える。
「読み子さん、聞いてますか?」
「よーしよしよし、おねーさんが何でも聞いてあげるから言ってみなさい」
「外にサンタがいます」
「そうかー、サンタかー、まぁ寒いからなー」
適当な事をぬかしながらもそもそと温もりを求める様に布団を被っていく。考えるまでもなく寝ぼけていらっしゃる。
だから嫌だったんだ。
さて、現状をまとめよう。
頼らざるを得ない恋人である読み子さんは布団にて撃沈。彼女の頭があるべき枕は布団の樹海へと消えており、僕の膝がその代役をこなしている。当然ながら僕は満足に身動きする事が出来ない。
明らかに状況は悪化している。しかも一切進展してないのに。
どうしてこうなった。
どうしてこうなった!
嘆いても仕方無い。とにかく読み子さんを起こそう。
もはや現状の打開なんぞはどうでもよくて、人を枕にして幸せそうに寝息を立てているのが気に入らない。よく考えれば鍵が掛かっているんだし、サンタが来ることは無いだろう。幸いながら学生寮に煙突はない。
放置安定、見て見ぬ振り。
さて、満足に身動きできない状況で如何にして彼女を起こすか。
…コーヒーを頭にぶちまける方法も考えたけれど、それをすると掃除と彼女の機嫌の修復で一日が終わりそうだ。さてさて、どうしたものかなー。
ふむ…眠り姫か…。
とりあえず頭に手を当てて撫でると、くすぐったそうに身じろぎをしただけ。まるで目覚める気配が無い。
「…読み子さん?」
「…ふふ、しょーねーん…」
声を掛けてみたけれど、すやすやと寝ぼけている様子。寝てるふりなのか、寝てるのかどっちなんだろうか。
「…」
「…」
軽く頭を持ち上げると、無防備さんの唇を奪ってみる。
「~っ!?」
「あ、起きましたか」
飛び起き選手権があったら入賞くらい狙えそうな速度で読み子さんが飛び起きた。その速度に反応出来た僕もきっと入賞を狙えるに違いない。
先ほどまで夢の旅人と化していた眠り姫さんは真っ赤な顔で口に指を当てている。
「しょ、少年!?」
「はい」
「い、いいい今何かしたか!?」
ふむ…ココで正直に答えるのは拙い気がする。親しき仲にも礼儀ありという事だし。
何か気の利いた洒落で答えるべきか。
「眠り姫が目覚める儀式的なものを」
言った直後に後悔した。脳裏に眠り姫を薄暗い祭壇に置いて、ローブを着た怪しい集団が一身に祈りを込めている光景が浮かぶ。読み子さんも同じ様で呆けた顔で「…へ?」と呟いた。
「すみません、キスしたら目覚めるかと思いまして」
「き、き、き…」
正直に告白したら、壊れたラジオの様に同じ単語を繰り返している。耳まで真っ赤にして、何かに耐えるようにして不思議な動きをしている。
「どうかしましたか?」
「しょ、しょ、しょ…少年!そ、そ、そのだな!?」
「はい」
「そ、その…そーゆーことをするのは…あの…事前に言ってほしいというか…私にも心の準備がだな…」
「なるほど」
どうやら大変混乱しているご様子。まだ夢の中なのだろうか。
「読み子さん」
「ひゃ、ひゃい!?」
ひとまず不思議な動きをしている身体を抑えると、ビクッと直立不動になった。少しうるんだ瞳が僕の姿を捉える。
「寝ぼけてますか?」
「え…?いや…別に…」
「そうでしたか」
「へ…?あの…少年…その…」
どうやら寝ぼけているんじゃない様なので、朝食の準備をするために離れる。どういう訳か読み子さんも後ろから付いてくる。不思議に思ったけれど、彼女の考えている事はよくわからないから気にしないことにしよう。
すっかり冷めてただの苦い汁となった珈琲を飲み干すべく口の中へと流し込む。
ああ…なるほど。
「喉が乾いたんですか」
「その…少年?えっと…あ、ありがとう」
読み子さん御用達のオレンジジュースを出してコップに注ぐと、戸惑いながらも受け取ってくれた。
ついでに卵とパンを出して台所に並べる。
「しょ、少年!」
「はい」
「あ、いや…その…キ…」
「キ…?」
「キスの…フライはあるか…」
最後の方は消え入りそうな程小さい声だった。当然だがキスのフライなんぞあるわけねぇ。そもそも貴方は肉派でしょう。
その後ももじもじとしながらジュースをちびちび飲んだり、所在なさげにパンを動かしたりしている。支度をしているこちらとしては非常にやりづらい。
…いい加減邪魔だから待っててほしいのだけれど。
「読み子さん」
「っ!?な、なんだ?」
「気を付け!」
びしっと言い放つと、反射的に気を付けの姿勢を取る。少しだけ背伸びをすると本日二度目の目覚ましをする。今度はオレンジの味がした。
それにしても、身長で負けているのが少し哀しい。
先ほどよりは長い触れ合いが終わっても、読み子さんは固まったまま動かない。
「ふにゃ…」
「邪魔になるんで待っててください」
「ふぁい…」
「ああ、それと」
「…うん?」
惚けた表情で戻ろうとしていた読み子さんを呼び止める。
「何かして欲しいならわかる様な仕草でもしてください。言わなくてもいいんで」
「…わ、わかった」
読み子さんは神妙な顔で頷くと、居間へと戻っていった。
さて…朝食の準備をするか。
広くなった台所で熱したフライパンに卵を落としたり、ジャムを用意したりしていたら、ちょいちょいと袖が引っ張られた。
引っ張られるままに頭だけ向けると、俯いた顔の読み子さんが立っている。その傍らには空のコップ。
「何ですか?」
「その…だな…あの…おかわり…」
「おかわりって、まだ足りないんですか?」
「い、いや…その!」
はぁ…と思わずため息を付いてから、完全に振り向き、あまり正直になってくれないお姫様の意を汲み取る。
朝食の目玉焼きは見事に焦げた。
久しぶりにちゅーしてるだけの話
何時だかの連載を思い出す…
別に脳内お花畑なわけじゃありません
ゆるーい話を書こうと思った!
当初の予定だとでぇとをする感じの話でした
そのために必要なあらすじとかも即興ですが作りました
なぜカットしたか?長くなったら作者が辛いからさ!
気分転換で苦しむ、これ以上の悲しみはあるまい
しかし見事に内容がない
まぁ執筆2時間くらいだからね、シカタナァイネ
昔この子たちがメインの話を書いてたんだぜ!
書けなくなって没になったんだぜ!
こんな話を未完でも読みたいという奇特な方が居たらご連絡ください
ではでは、少しでも楽しんでいただけたら幸いです