第六話 くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
「タコ食べたい」
「おいおい共食いか?ショッキングな発言は控えろよw」
「だったらおまえこそ昼飯にイカスミパスタ食うなよw」
ここは、はるか深海3000mに位置する竜宮城である。
ここに二人の軟体生物の門番が竜宮城第一防衛シェルター第二ゲートを守っていた。
しかし、この竜宮城周辺にはこれといった争いがなく、ほぼ突っ立っているだけであった。
それも昔、「ミナミの帝王」と呼ばれ恐れられた竜王の存在が大きかった。
なのでこの2匹の軟体生物は、雑談をして時間をつぶすのが常であった。
「暇だよな、たまには竜王様の大奥の覗き、いや警備がしたいわー」
キーン
「おいおいwそれだったら、乙姫様のおつき、いや身辺警備のほうがしたいわー」
キーン
「おい、なんか俺耳鳴りすんだけど」
キーーン
「バカヤロウ、俺たちに耳なんてないだろ」
キーーーン
「でも聞こえるんだよな」
キャイーーーーン
「ん?誰だあいつ」
2匹が見つめる先には、自分たちとは姿かたちがまるで違った生命体がまっすぐこちらに進んでいた。
ズーーーン
二匹が突然起こったこの異変に身構えていると、その生命体のほうから話しかけてきた。
「あのー竜宮城ってどこらへんにあるんでしょーか?」
「なんだ、迷子になった人か」
「おかしい、俺が見たところマッハで飛んでいたんだが」
「そういう奴なんでしょ。 竜宮城はここですよ、お爺さん」
「そうか、そうか」
そのとき、チラと見えたそのお爺さんが暗黒微笑したかのように見えた。
軟体門番1(タコ)がお爺さんを案内しようとした瞬間…
おもいっきりビンタされた。 そのあまりの衝撃にディフェンスに定評のある門番1の頭は塵と化した。
「おい1!!1!!」
首から上が無い1の死骸に必死に問いかけるが、返事はもちろん無い。
「畜生っ!!」
門番2(イカ)は武器の銃剣を構えると、親友のカタキに向かって、全力で突進した。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
しかし、門番2は怒りのあまり忘れていた。どんなことにも冷静に対処せよという門番長の教えを…
あっさり勝負はついた。 指一本で…
竜宮の誇る銃剣の刃は、爺の差し出した人差し指一本で粉々に粉砕されてしまった。
「脆いな その武器も 貴様らの命も…」
いかにも中二な台詞を吐いた爺は、いつの間にか門番2のデコに指を突き立てていた。
パキィィィィィィィッ 雷が落ちた様な爆音を耳にしながら門番2の命は、崩れた。
「フン 大層なもので包んでいるようだが、こんなシェルター、俺の前では無に等しい…」
爺はそう呟くと、竜宮城を包む第一防衛シェルターを蹴りで粉砕した。
この爺、名は竹取の翁と申す。
翁は、この竜宮城に潜む竜王をSATSIGAIし、竜玉‐dragonball の力を手に入れようとしていたのだ。
翁は竜王をSATSUGAIするため、哀れな箱庭の住人をMINAGOROSHIし、人としての壁を超え、レベル58となった。
翁は、ドラ●エでも魔王の城の前で、ひたすらレベル上げするタイプであった。
しかし、短時間で急激に50ものレベルを上げてしまった翁は、副作用として外道になってしまった。
それでも、翁を突き進ませるものは何か、それは婆への復讐である。
翁は婆の命を粉砕する為に、翁は竜玉の力を利用しようとしていた。
復讐を遂げるために翁は進む。 今度は細長門番(アナゴ cv:若本)たちをを蹴散らした。 なぜか唇が腫れている連中だった。
そしてまた一つ、また一つとシェルターを粉砕し、ついに竜宮城本体にたどり着いた。
翁の目の前には、3mはある鉄の重そうな扉があった。不思議と門番はなく、静かだった。
そう簡単には開かなそうな扉ではあったが、LV58の翁にとってそれは発泡スチロールと同じであった。
グシャッ ガラガラ
崩れた扉の先には、何十何百の武装兵がいた。
「覚悟しろ侵入者め! 貴様はすでに包囲されている!」
「まてっ! なんだ あれ」
武装兵の視線は翁の口に集中した。
翁は口に門番(国産ウナギ)を咥えていた。
「最近高くて中々食えなかったからな。昼飯にはちょうどよかったよ」
ブチィ 翁は門番(国産ウナギ)の体を咬みちぎった。
「貴様ァァァァァァァァァァッ!」
それが武装兵の怒りを買った。武装兵は武器を構えると翁へ一斉に突撃した。
「フン、格の差というものを見してやろう」
翁は飛びかかる武装兵たちに回し蹴りを食らわせた。
蹴りは次々と兵の頭に当たり、塵と化して消えた。
「おお、今のゲームだったら追加ボーナスものだな。これ」
その後も翁は次々と攻撃を決めていった。
ある者は脊髄を引っこ抜かれ、またある者は脳天を崩され散って行った。
しかし、数千もいる兵は一向に減る兆しも見えない。
「キリが無いな、とっとと終わらせるか」
そういうと翁は体を高速回転し、巨大な海底竜巻を作り出した。
キュインキュインキュイーン
次第に翁の回転が速くなり、多くの武装兵が竜巻の中に引きずり込まれた。
ウワァァァァァァァァァァァ ギャァァァァァァァァァァァ
悲鳴がこだまして、次々と武装兵が引きずり込まれた。
それでも翁は回転をやめない。ついに武装兵はたった数十名ほどになってしまった。
「ハァ ハァ クッ…まさかここまでとは…」
「ほう、我が【厄災】に耐えるとは… 中々骨のある奴らよ… だが」
そう言って翁は再び【厄災】のフォームに移った。 その時
「お待ちなさい!」
女性の高い声が城に響いた。 見るとそこには乙姫がいた。今度こそ正真正銘の乙姫である。
「ほう、乙姫様か…やっと出てきたか」
「これ以上先に進むなら、私を倒してから行きなさい!」
「フン、雑魚の世話には飽き飽きしていたところだ 受けて立とう」
「なめるな爺っ 私の力を見るがいい!」
乙姫は戦闘になると性格が豹変するのである。
そして乙姫の瞳が異様な光を放った。
「それだけか… ならこっちの番だ…!」
しかし、翁の体はピクリともしなかった。
「ヌゥ…動かん」
「そうだ! 私には【金縛り】の能力が備わっている! 貴様は指一本動かすこともできぬ!」
「ほう…【金縛り】か… 中々面白い能力を持っているな…」
「それだけではない! あと一分! 一分で貴様の脳まで術が届き、貴様は呼吸すらできなくなるのだ!」
「ふむ… 聞けは聞くほど厄介な術だな……面白い 愉しませてもらったぞ」
「ナニィ!」
そう叫んだ瞬間、乙姫の目の前から翁の姿が消えた。
「なっ 私の【金縛り】から抜け出すとは… 何処だっ!」
「後ろだ…」
ギョッとして後ろを見ると翁が乙姫の首に手をかけていた。
「このままだと余裕で脊髄を引っこ抜けるのだが…俺は女を殺す趣味はない(ただしブスてめーは(ry」
「俺の…勝ちだ」
翁は自分の勝利を高らかに宣言した。 そして
「さあ、竜王の居場所を教えてもらおうか…」
「そうですね 勝負に負けたのは悔しいですが…いいでしょう」
「よし…」
「ただその前に… 私の胸をもむのをやめてくれませんかッ」
乙姫の顔は地獄の閻魔様のごとき表情をしていた。
「やべ バレた」
いくらレベル58の翁でも、その乙姫の一撃はかわせなかった。
…
「侵入者はついに乙姫様を倒し、こちらに向かっています。どうなされます? 竜王様」
「…」
「何? そのまま【間】に通せ? 承知しました ただ…」
「?」
「ただ…奴のライフはもう0です」
「???」
…
「いたいよう いたいよう エーン エーン」
「当たり前だ! よくも我らのアイドル乙姫様を…」
「相手が並の人間だったら。俺がフルボッコにしてたのに…」
「落ち着け 武装兵3! 4! 後は竜王様にまかすんだ」
「さあ、着いたぞクソ爺! ここが竜王様の間だ!」
そこにはさすがの翁でも壊せないような重い扉があった。
武装兵3人に連れてこられた翁は、その重々しさに圧倒された。
「ここで待ってろ! アポが取れ次第扉をあける! いいか 絶対に待ってろよ!!」
武装兵のあまりの剣幕に、翁は少しビビった。
「おいおい、年寄りはもっと大事に扱うもんじゃよ」
「てめぇ! このエロ爺! この期に及んで年寄りだぁ!? ふざけんな!」
「わかったよぉ、待ってる 待ってればいいんだろぉ」
こうして10分ほど待っていると、アポが取れたのかその重々しい扉が重々しい音を響かせて開いた。
翁が【間】に入ると、そこが他の部屋とは明らかに雰囲気が違っていた。
【間】の奥には四肢を鎖で繋がれた10mほどのドラゴンがいた。
翁はすぐにそのドラゴンが竜王だということに気がついた。
竜王はその重々しい口を開き、翁にこう言った。
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」