39.10対1
朝、いつも通り目を覚まし、階下に降りる。母さんはキッチンで朝食の準備をしていた。
「おはよう、楓」
「おはよう」
あっさりとした挨拶を交わしながら、朝食を済ませる。世界大会本戦が近づく中、俺は相変わらず、いつも通りの配信を続けていた。
朝食を済ませ、自室に戻る。ヘッドセットを手に取りながら、俺は小さく伸びをした。今日もまた、いつも通りの一日になるはずだった。まさかその予感が、これほど大きく裏切られることになるとは、この時の俺はまだ知る由もなかった。
「みなさん、おはようございます。今日もいつも通り、防衛戦から始めていきますね」
配信を開始すると、コメント欄には、いつも通りの温かい挨拶が並んだ。
【コメント】おはよう
【コメント】本戦、そろそろだね
【コメント】楽しみにしてる
軽い気持ちで防衛戦の通知に従い、俺は担当エリアへ向けて歩き出した。それが、いつもと違う一日の始まりだとは、この時はまだ、まったく気づいていなかった。
道中、突然、見慣れない通知が届いた。
```
一対一のデュエル申請が届いています
申請者:不明のプレイヤー
```
「あ、デュエル申請……レンさんの時と、似たような感じですかね」
軽い気持ちで、俺はその通知を眺めた。予選の対戦や、レンさんとの再戦の時と、同じような形式の申し込みだった。特に警戒する理由も見当たらない。
【コメント】お、また対戦申し込みか
【コメント】受けてみたら?
【コメント】でも念のため相手のプロフィールくらいは確認した方がいいかも
視聴者たちのコメントに、俺は少し悩んだ。それでも、これまでも似たような申し込みは何度も受けてきたし、断る理由もない。
「まあ、受けてみますね。一対一なら、いつも通りですし」
軽い調子でそう言いながら、俺は承認ボタンをタップした。
画面が切り替わり、対戦用のフィールドへと転送されていく。この一瞬の暗転が、こんなにも大きな意味を持つことになるとは、俺はまだ、まったく気づいていなかった。
視界が開けると同時に、俺は思わず息を呑んだ。
「え……」
目の前には、確かに一体、機体が立っていた。それでも、その周囲を取り囲むように、さらに9体の機体が、じわりと姿を現していく。
【コメント】え、なんだこれ
【コメント】1対1じゃなかったのか!?
【コメント】これ、るかハメられてないか?
視聴者たちの困惑の声が、次々と流れてくる。俺自身、状況が飲み込めないまま、その場に立ち尽くしていた。
「あの……これ、一対一のはずじゃ……」
震える声で、そう問いかける。
「るか。お前と、決着をつけたい」
先頭に立つ機体から、そう声が響いた。凛とした、それでいて有無を言わさぬ響きだった。よく見ると、その機体は、どこかレンさんの機体を思わせるシルエットをしていた。周囲を固める9体も、皆一様に、戦闘機を思わせる意匠を纏っている。
「あの、一対一のはずじゃ……これ、どういうことですか?」
「悪いが、これが俺たちのやり方だ」
その声には、静かな、それでいて強い決意が滲んでいた。
「チーターには、チートで対抗する。それが、俺たちなりの正義だ」
「え……」
その言葉の意味を、俺はすぐには理解できなかった。
「疑いを、自分の目で見て判断したい。それだけだ。ただし、正攻法でお前に敵うとは思っていない。だから、俺たちも、お前と同じように、卑怯な手を使わせてもらう」
パーティ機能の不具合を悪用し、正規のルールを捻じ曲げてまで数を揃える。彼らなりの、歪んだ理屈がそこにはあった。
「これから、俺たち10人で、お前と戦う。逃げることは許さない」
有無を言わさぬその宣言に、俺は言葉を失った。周囲のコメント欄も、騒然としているのが伝わってくる。これまで経験してきたどんな騒動とも、明らかに種類が違う緊張感が、その場を支配していた。
俺は思わず後ずさりした。周囲を取り囲む10体の機体。これまで経験したことのない、圧倒的な物量に、心臓が早鐘を打ち始めた。逃げ場はどこにもない。そのことだけは、はっきりと理解できた。
「あの、待ってください、こんな人数差、そもそも対戦として成立するんですか……?」
震える声で、そう問いかける。それでも、周囲の機体は、微動だにしなかった。
俺の問いに答える者は、誰もいなかった。ただ、静かな殺気だけが、その場に満ちていくのを感じた。
次の瞬間、10体の機体が、一斉に攻撃を仕掛けてきた。
「うわああ!」
俺は咄嗟に両腕を構えたが、四方八方から繰り出される攻撃を、すべて防ぎきれるはずもなかった。これまで経験してきたどんな戦闘とも、比べ物にならない密度の攻撃が、次々と降り注いでくる。
「ぐっ……!」
衝撃が、次々と機体を激しく揺さぶる。俺はただ、無我夢中でガードを固め、後退り続けることしかできなかった。四方から迫る攻撃の一つ一つに、正直、生きた心地がしなかった。
【コメント】え、これやばくない?
【コメント】いくらるかでも、これは……
【コメント】早く助け呼んだ方がいいんじゃ
視聴者たちの心配の声が、画面越しに流れてくる。それでも、俺には、それに応える余裕すらなかった。ただ、目の前の攻撃を、一つ一つ捌くことだけに、全神経を集中させていた。
「ひっ……!」
背後から迫った一撃を、かろうじてかわす。それでも、体勢は完全に崩れていた。転がるようにして距離を取ろうとするが、すぐに別の機体が迫ってくる。
視界が土煙で激しく霞み、上下の感覚すら怪しくなっていく。それでも、止まるわけにはいかなかった。とにかく、少しでも長く、この場に踏みとどまる。それだけを考えて、俺は必死に体を動かし続けた。頭の中では、様々な思いが渦巻いていたが、それを整理する余裕すらなかった。
――一方、俺を取り囲む10人の間では、内密の通信が交わされていた。
「おい、こいつ、本当に何も分かってねえぞ」
「動きが素人丸出しだ。これで本当にチートなのか?」
「いや、まだわからない。もう少し様子を見よう」
「攻撃のタイミングも読めてないし、ガードの構え方すら基本通りじゃない」
「本当にこいつが、あの規格外の強さの正体なのか……?」
攻撃の手を緩めないまま、彼らの間には、既に小さな疑念の種が芽生え始めていた。
俺はそんなやり取りが交わされていることなど、知る由もなかった。ただ、目の前に迫る攻撃を、必死に凌ぐことしかできずにいた。周りの音も、視界も、すべてが遠くに感じられるほど、意識は目の前の危機だけに集中していた。
「くっ……!」
何度目かの被弾で、機体が大きくよろめく。それでも、ダメージらしいダメージはなぜか一切入らない。それが、いつものように無自覚なまま、俺を守り続けていた。
衝撃の大きさに反して、なぜか体の芯まで痛みが響いてくることはない。それでも、この状況で冷静にそのことを分析する余裕など、今の俺にはまるでなかった。
攻防が続く中、攻撃側の一人が、ふと呟いた。
「なあ、この動き見て気づいたんだけど、こいつ、パーティ制限バグのこと、本当に知らないんじゃないか?」
「は? あんな有名な話、知らないやつなんているのか?」
「いや、待て。さっきの反応、明らかに素で戸惑ってた。あれは演技には見えない」
「対人戦やってる奴なら、誰でも一度は聞いたことある話だぞ。それを本当に知らないなんて」
「待てよ、逆に考えろ。もしこいつが本当にチーターなら、真っ先にこの手の抜け道に詳しくなってるはずじゃないか?」
攻撃の手を緩めないまま、10人の間で、静かな動揺が広がり始めていた。
「おかしいだろ。あのバグ、対人戦好きなら誰でも知ってる話だぞ」
「それを知らないなんて、あり得るのか……?」
「もしこいつが本当にチーターなら、こんな有名な抜け道、真っ先に知ってるはずじゃないか」
俺はそんな会話が交わされているとは知らないまま、ただ必死に、目の前の攻撃を凌ぎ続けていた。
「もう、無理かも……」
思わず弱音がこぼれる。体力はとっくに限界を超え、機体を動かすことすら辛くなっていた。それでも、諦めるわけにはいかなかった。ここで倒れるわけにはいかない。その一心だけが、俺を支えていた。
「インパクトスマッシャー!」
闇雲に振るった一撃が、たまたま一体の機体を捉える。轟音と共に、その機体が吹き飛んだ。狙ったわけでもないのに、なぜか綺麗に急所を捉えていた。
【コメント】当たった!
【コメント】これもうめちゃくちゃだけど、なんか当たってる
【コメント】るか頑張れ!
視聴者たちの声援に、俺は必死に応えようとした。それでも、まだ9体の機体が、俺を取り囲んでいる。一体倒したところで、まだ状況はほとんど変わっていない。それでも、この一撃が、確かな希望の光になった。
「くそ……! もう、めちゃくちゃでもいいから……!」
俺は両腕を振り回し、体当たりを繰り返した。狙いも何もない、ただがむしゃらな抵抗だった。技術も戦略も、今の自分には何一つ残されていなかった。それでも、諦めるという選択肢だけは、頭の片隅にすら浮かんでこなかった。
それでも、一体、また一体と、機体が吹き飛んでいく。狙いも技術もない、ただがむしゃらな抵抗のはずなのに、なぜか一撃一撃が、確実に相手を沈めていく。10人の間の動揺は、戦闘が進むにつれて、さらに大きくなっていった。
「おい、マジでこいつ、何も分かってないぞ」
「動き、完全に初心者のそれだ」
「これでチートとか、さすがに無理があるだろ……」
「なんで俺たち、こんなことしてるんだろうな」
「正直、もう続ける意味あるのか、これ」
最後の一体が崩れ落ちたとき、俺は肩で息をしながら、その場に立ち尽くしていた。
「……終わった、のか」
実感の湧かないまま、俺はそう呟いた。全身の力が抜け、その場に崩れ落ちそうになるのを、かろうじて堪えた。それほどまでに、今日の戦いは過酷なものだった。
【コメント】これ、まぐれの連続で乗り切ったよな
【コメント】でも生き残ったのはすごい
【コメント】相手側、なんか静かになったな
視聴者たちのコメントに、俺は少しずつ、落ち着きを取り戻していった。それでも、体の震えは、しばらく収まってくれなかった。
配信を終え、いつものように現実へと戻る。夕食の席で、母さんが尋ねてきた。
「楓、今日は大変だったみたいだね」
「うん……なんか、10人がかりで挑まれて、本当に怖かった」
箸を置いて、母さんは少し心配そうに表情を曇らせた。
「そう。無事でよかったわ」
母さんの何気ない一言に、俺は改めて安堵の息を漏らした。
「うん……なんとか、無我夢中で乗り切った感じ」
「楓が無事なら、それでいいのよ」
「うん……ありがとう」
母さんの温かい言葉に、俺は改めて、張り詰めていた気持ちがゆっくりと緩んでいくのを感じた。こうして日常に戻ってこられることの、ありがたさを噛み締める。
食後、部屋に戻ってから、俺はもう一度、今日の出来事を振り返っていた。あれほどの人数に囲まれても、なぜか自分は無事だった。その事実に、いまだに実感が追いつかない。
あの状況で、生きた心地がしなかったのは事実だ。それでも、こうして無事でいられる。この理不尽なまでの頑丈さに、感謝すべきなのか、それとも不気味に思うべきなのか、俺自身、判断がつかずにいた。
それでも、今はただ、無事に終わったことに、素直に安堵したい気持ちの方が強かった。理屈や仕組みを考えるのは、また今度でいい。今日のところは、ただこの安堵を、噛み締めていたかった。
世界大会本戦が、少しずつ近づいてきている。今日のような予期せぬ出来事も、これから先、また起きるかもしれない。それでも、一つ一つを乗り越えていくしかない。そう自分に言い聞かせながら、俺は静かに目を閉じた。明日もまた、いつも通りの一日が待っているはずだった。
ベッドに横になり、天井を見上げる。あの10人が、何を思ってこの対戦を仕掛けてきたのか、俺にはまだ、はっきりとはわからなかった。それでも、今日という日が、何か大きな意味を持つ一日だったような、そんな予感がしていた。
怖かった。心の底から、それは紛れもない事実だった。それでも、この恐怖を乗り越えられたのは、これまで積み重ねてきた小さな経験の一つ一つが、確かに自分を支えてくれたからなのかもしれない。そう思うと、今日という日も、無駄ではなかったのだと思えた。
あの状況で、逃げ出したい気持ちが何度もよぎった。それでも、最後まで踏みとどまれたのは、これまでの日々で少しずつ積み重ねてきた、確かな成長のおかげだったのかもしれない。以前の対人戦の時とは、また違う種類の恐怖と、今日はきちんと向き合えた気がした。
一つ一つの経験が、確実に自分を形作ってきている。そのことを、今日という日を通して、改めて実感させられた。明日からも、この積み重ねを大切にしていきたいと、俺は静かにそう思った。
【10人の攻撃側リーダー視点】
配信を終えた後も、俺はしばらく、動くことができずにいた。手のひらには、じっとりとした汗が滲んでいた。
あの対戦を仕掛けたのは、自分だった。疑いを、自分の目で確かめたい。ただその一心で、有名なパーティ制限バグを利用し、10対1という状況を強引に作り出した。準備には、それなりの時間と手間をかけてきた。信頼できる仲間を集め、作戦を練り、機会を窺ってきた。集まった9人は、それぞれの立場で、この件に一定の関心を持つ者たちだった。
あえて、最初は一対一のデュエルであるかのように見せかけた。正面から10対1を申し込めば、相手も警戒するだろうし、運営に通報されて終わる可能性もある。卑怯なやり方だという自覚は、正直あった。それでも、確実に本人と対峙するためには、この方法しかないと、俺は自分に言い聞かせていた。
正直、後ろめたさがなかったと言えば嘘になる。ルール上、決して褒められた手段ではないことは、自分自身、重々承知していた。もし運営に知られれば、それ相応の処分を受けることも、覚悟の上だった。それでも、これだけ話題になっている以上、誰かが白黒はっきりさせる必要があると、俺なりに信じていた。
これまで、様々な考察や証言が飛び交ってきた。それでも、どれも間接的な状況証拠に過ぎない。自分の目で、直接確かめる。それこそが、一番確実な方法だと、俺は思い込んでいた。今思えば、この思い込み自体が、既に判断を誤らせる第一歩だったのかもしれない。
それが今、こうして自分の目で見た結果は、想像していたものとは、まるで違っていた。
あいつは、本当に何も知らなかった。技術も、余裕も、駆け引きも、そこには一切なかった。ただ、無我夢中で、必死に生き延びようとしているだけの、一人のプレイヤーの姿があった。
恐怖に震える悲鳴、無様に転げ回る動き、そして何度も繰り返される弱音。もしこれが演技だとしたら、大したものだと感心するしかない。それでも、俺には、これが演技だとは、どうしても思えなかった。
演技であれば、どこかに計算高さが滲み出るものだ。それが、あの反応の一つ一つには、まるで感じられなかった。ただ純粋な、剥き出しの感情だけがそこにあった。これまで数々のプレイヤーを見てきた経験からしても、あそこまで自然な反応は、演技では到底再現できないものだった。
極めつけは、あのバグへの反応だった。対人戦を嗜む者なら、誰もが知っているはずの、有名な抜け道。それを本気で知らず、心底戸惑っている様子を、俺は自分の目でしっかりと見た。
あの瞬間の困惑した声は、今でも耳に焼き付いている。知識のある人間が装った演技には、決して出せない類の、素朴な戸惑いだった。あの声を思い出すたびに、俺の中の確信は、より強固なものになっていく。何度反芻しても、その印象は変わらなかった。むしろ、時間が経つほどに、確信は深まっていく一方だった。
「……これは、演技じゃない」
誰にともなく、そう呟く。あれだけ自然な戸惑い方を、演技で作り出せる人間がいるとは、俺にはどうしても思えなかった。
もし本当にチートを行使する意志があるなら、こんな基本的な抜け道すら知らないというのは、あまりにも不自然だ。むしろ、こんなにも無知なままでいられることこそが、彼女の潔白を、何よりも雄弁に物語っているように思えた。
不正を働く人間というのは、大抵、その手の抜け道や裏技に、人一倍詳しくなるものだ。それなのに、目の前の相手は、ゲームの基本的な仕組みにすら疎い。この矛盾を前にして、俺はこれまでの自分の思い込みを、根底から覆されたような感覚に陥っていた。
これまで積み重ねてきた疑惑という名の砂上の楼閣が、たった一つの矛盾によって、音を立てて崩れ落ちていく。その感覚は、決して心地よいものではなかった。それでも、事実から目を背けるわけにはいかなかった。
自分の配信のコメント欄を見ると、そこには、視聴者たちの困惑した反応が並んでいた。「これ結局どういうことなんだ」「リーダー、何か言うことないのか」――そんな声が、次々と流れてくる。
俺は少し迷った末に、素直な気持ちを、そのまま言葉にすることにした。ここで曖昧に濁すことは、これまでの自分の姿勢とは相容れないものだった。
「今日、自分の目で確かめたくて、こんな形で対戦を仕掛けた。それについては、率直に、悪かったと思う。それでも、はっきり言っておきたい。彼女は、チートなんかじゃない。あれだけ有名なバグすら知らないような人間が、意図的に不正を働けるはずがない」
言葉にしながら、俺は自分の中で、確かな決着がついていくのを感じていた。これまで抱えてきた疑念が、一つ一つ形を変えて、自分の中から消えていくような感覚があった。
「疑ってすまなかった。この場を借りて、謝罪する」
深く頭を下げながら、俺はこの謝罪の言葉に、これまでの自分の行いすべてへの反省を込めた。ルール違反を犯してまで確かめようとした自分の行動そのものにも、静かな後悔があった。
配信を締めくくりながら、俺はしばらく、静かに画面を見つめ続けていた。この結論が、これからどう受け止められるのか、正直まだわからない。それでも、自分の目で確かめた事実だけは、誰にも譲れないものだった。
批判を受けることになるかもしれない。それでも、自分が見たものを、見なかったことにするわけにはいかなかった。この配信を見た誰かの心に、少しでも真実が届くことを、俺は静かに願っていた。今の自分にできることは、もうこれ以上なかった。
深く息を吐いてから、画面を閉じる前、俺はもう一度、今日の対戦の記録を見返した。無様で、決して褒められたものではない自分の行動。それでも、この経験を通して得られたものは、決して小さくなかった。
いつか、この行動の責任を、しかるべき形で取ることになるかもしれない。それでも、今この瞬間に得た確信だけは、何にも代えがたいものだった。後悔と納得、その両方を抱えたまま、俺はゆっくりと椅子から立ち上がった。窓の外はすっかり夜が更けていた。




