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隠れ勇者イサムは今日も嘘つき ~勇気を示さないと強くなれない異世界で裏技を使われ強くなりましたが、面倒事を避ける為に嘘をついています~  作者: 野下大誤
第3章 移住支援編

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第93話 ターイズ市での冷遇

 主人公は、2日かけてカレンさん達が『商売をやってみないか』と誘われていた都市のひとつであるターイズ市に到着したようです。

 都市の城門で、ステータスウィンドウを見せて門の使用料を払い、使用許可証を受け取って都市の中に入る。


 ポチは、リリアちゃんに泣かれ続けたのが堪えた様で、外で待っているそうだけど、大丈夫かな。


 ちょっと良い宿を確保してから、カレンさんやユーナさんは、村に来ていた行商人が属している商会に行ってみるそうだ。


 リリアちゃんもポチが逃げ出した事から立ち直ったようで、一緒に子供達と宿で騒いでいる。


 まあ、俺の借りた部屋にポチが居ないか、見に来たりはあったけどね。


 俺は、宿から外に出て、町の雰囲気を確認。


 少なくとも、あのハリアガ市よりは雰囲気は良いか。


 後は、荷車か馬車の良いのが無いかと、大き目の総合商店にも行ってみる。


 前世の地方の巨大な総合スーパーの様な商店で、ざっと商品を見て回っているのだけど。


 まあ、今の木製でショックアブソーバーもベアリングもない荷車より良さそうなのは幾らでも有るか。


 馬車も馬車を引く用のゴーレムも見てみたが、値段がな。


 宝箱から得たお金は十二分にあるんだけど、『そのお金どうしたんだ』って言われる様な値段だからな。


 とりあえず、俺が荷車や馬車を引けばいいだろうから、ゴーレムは諦める。


 後は、荷車か馬車なんだけど、木と鉄製のショックアブソーバー等が付いていないのなら安いけどさ。


 まあ、高いのも買えるんだけど。


 アレンに支払わせるのだとすると値段がね。


 そんな確認をして、宿に帰る。


 すると、カレンさんもユーナさんも、もう帰って来ていて宿の食堂で暗い顔をしながら成人の4人で話し合っている。


 「ちょっと、良いかなイサム君」とカレンさんが声を掛けてきたので、そちらに行くと事情を話してくれる。


 「村で裁縫をしていた時に、商品を売っていた行商人の所属する商会に行ってきたんだけど」


 そうカレンさんが言い難そうにしているので「足元を見られましたか」とこちらから言う。


 「ああ」


 「なら、先に行きますか。そこまで行く力があると思われれば、次の都市では足元を見て来ないかもしれないし。

  まあ、この都市の他の商会に話を持っていくと言う手段もありますけど」


 「いや。ここでは、安い下請けになる以外で商売は出来ないって言われた。

  この都市での商売には、領主の発行する営業株が必要だけど、既に商売人が多すぎると言う話になっていて当分発行されないだろうから独立するのは無理。

  他の商会に行っても、契約内容が良くなる筈がないと言った感じでも言われたし」


 「そうですか。朝市で売るのとかも出来そうだけど、それだと生活が不安定になるかもしれないし。それで、料理スキル持ちの方はどうだったんですか?」


 「カレン姉さんたちと一緒に対応を受けて、そう言われたから」と、料理スキル持ちで年上のユーナさんが言って来る。


 「なら、移動かな。後は、ノーマルスキルになってから、声を掛ける方が良いかもしれないけど、その辺はどうです?」


 「その辺は何とも言えないけど。次は、アンタにも来てもらった方が良いかもしれない」


 「俺の名前は出さない方が良いかもしれませんけど」


 「そっか。そうだったね。なら明日も移動だ」


 「ええ。と言う事で、馬車の手配か荷車の新しいのを買いに行きますか」


 「ああ」


 そう言って2人を子供達の相手に残して、俺とカレンさんとユーナさんの3人で馬車について確認しに行く。


 都市間の定期便については、11人同時に乗るとなると3日後以降しか席が開いていない。


 しかも、やっぱり12歳以下の子供は駄目とか書いてあるし。


 まあ、村の乗合馬車でもそうだったから覚悟はしていたけどね。


 馬車を借りるにしても明日は無理だし、12歳以下が居るとなると、護衛にDランク程度の冒険者が4人以上つかないと貸し出せないとの条件で諦めた。


 なので、その次は荷車を引いて総合商店へ行き、それを下取りに出して、新しい荷車を買う。


 「中古の荷車に11万も払うなんて」とカレンさんは不満のようだけど。


 「でも、引いてみたらその理由は分かるでしょ」


 「ああ。軽いし、力は以前のモノより全然必要ないし、ブレーキは付いているし」と魔機工学スキルが良い品と伝えて来た、ベアリング、ショックアブソーバー付きの荷馬車に満足はしている様だけど。


 カレンさんは「お金は大丈夫なのかい?」と少し不安げに聞いて来る。


 「ああ。アレンにつけておきますから」


 「アレン君には申し訳ないけど」と、カレンさんはもう開き直るしかない感じだろうか。


 「ええ。後、この荷車だと壊れると修理は俺達素人では出来ない事。後は、盗まれる危険を認識しておく必要がありますけどね。まあ、俺は次の都市まで持てばいいと言う程度でお薦めしたんですけど」


 「あ~。定住が決まったら、高級品だから売る方が良いのか」


 「盗難対策にチェーンロックは2つ付けてもらいましたけど、それでもね」


 そんな会話をして、宿に戻った。

 カレンさん達の移住は、まだ終わらない様です。

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