第45話 薬の購入
主人公はアレン達を引き連れて薬屋に行ったのですが、薬は買いませんでした。
必要なモノは買うしかないのですが。
夕食前に戦利品等の売り買いに出かけ、ホーンカウの皮、肉、乳袋を売り、お金を手に入れ、薬屋に3軒ほど行った。
なんて言うか、探索スキル等から感じる店主の雰囲気が悪いし、値段も高いので買わずに宿に帰って来たのだけど、やっぱり安全の為に薬類は欲しいよな。
宿に戻って食事を頂き、各自の部屋に戻る。
先ずは、今日手に入れた薬草類に薬学スキルによる保存処理を行う。
腐らない様に水分を抜き、魔力の膜により酸化や劣化が起こらない様にする処理だ。
全部に処理はMP不足で出来ないので、早めに保存処理を行うべき薬草類に保存処理を行い、俺は宿から出て、暗闇で偽装スキルを使い別人に偽装する事にする。
偽装スキルが、ゲームを始めた時に行うキャラ創りの様な仕組みで、偽装する姿を提示してくれる。
まあ、ゲームとは比べ物にならないくらい種類はあるし、思念により俺に似た奴とか指定する事も出来るけどね。
姿だけでなく職業やスキル等も適当に設定し、それにイチロウと名前を付けて保存し、その姿に偽装する。
そして、夜もやっている薬屋に行ってみると、昼間廻った店より安い値段が付いている。
下級エリクサー15万。
下級MP回復薬が2万だから、多少ボッタくり感は無くなったが。
店の主人は、老婆と言って良い年齢の人間か。
夕方行った薬屋よりは店の主人の雰囲気が良いので「ここは、昼間行った店より、値段が安めなんだけど」とストレートに聞いてみる。
「ああ。薬師ギルドに入っていると、協定により決まった値段になるからね。うちは、もう商売っ気を捨てたから、ギルドを抜けて安くできるんだ。
まあ、ギルドの連中は、不良品を売る店って噂を流している様だけどね」
「なるほどね」
そう言いつつ「材料を提供した場合、手数料幾らで作ってくれる?」と尋ねてみる。
「ん。不良品を掴まされる覚悟はあるんだ」と、店主は不穏な事を聞いて来るが。
「いや。俺も薬学スキルを持っているから、薬の限定鑑定は出来る。水で薄めたりした不良品なら分かるから」
俺がそう言うと騙せない客だと分かったようで「あ~。手数料か。魔生薬なら出来た3つの内1個を手数料としてもらう。魔法薬なら下級なら1万。中級なら2万GAZUかな」と今度は結構な手数料を提示してくるけど、まあ、しょうがないのかな。
そう思いつつ「流石に上級は作れないんだ」とも聞いてみる。
「薬学スキルも魔法薬学スキルも、そう簡単にアルティメットまでは達しない。あんたも、真面目に薬学スキルのランク上げをやってみれば分かるだろうけどさ」と、顔をしかめながら言ってくる。
ひょっとしたら、気にしている事を指摘してしまったのかもしれない。
そう思いつつ「そっか。なら、中級のエリクサー4本。中級の魔回薬を20錠頼めるかな」と依頼をしてみる。
「MPが続くなら造れるが。魔石もあるんだろうね」と、眉をひそめながら言ってくる。
俺の所持金や原材料の準備状況が心配になったのだろう。
でも「あ~。中級エリクサーの方のBランクの魔石の手持ちが無いや」と、店主の懸念が当たった事を認める事になってしまった。
「なら、魔石Bが1個当たり12万だよ。
現金の方も手持ちがないなら、万能草を10万で、魔力草を1万で買い取ってもいいが」
そう言ってくれたので「手数料込みで、中級エリクサーが4つで56万か。魔回薬の方は、3個中1個を手数料にすれば差し引きゼロなんだろうけど」と簡単に計算してみたのだけど。
「ん。そうだね。あわせて55万GAZUにしてやってもいいが」と、悪い笑みを浮かべながら言ってくる。
ああ。
悪い魔女みたいだ。
しかも、ボッタくりだとも思うが、今現在、本当の方の力でも下級のエリクサーすら造れないからな。
それに、自分に当てはめてみると、薬学や魔法薬学のスキルのレベル及びランク上げには、薬草類や魔石が大量に必要で膨大な資金が必要だと分かる。
そう思っていると「分ったよ。50万GAZUだ。これ以上は下げない」
そう言ってきたので万能草を4単位、魔力草を10単位置き、今日オーガから得たばかりのCランクの魔石も10個置く。
その上で、「これが代金代わり」と言いつつ万能草4単位と魔力草10単位をカウンターの上に置くと「了解。これで契約成立だ」と老婆の店主が言って来る。
はあ。
予想外の出費になったな。
まあ、魔石を用意していなかった俺が迂闊だったんだけど。
アッサリ、中級エリクサーを4回、中級魔回薬を10回も製造した老婆は、ほくほく顔だけど。
こっちはゲッソリだ。
何が、商売っ気は捨てただよ。
今日それなりの数、万能草も魔力草も手に入れられていたから良かったけど。
まあ、転ばぬ先の杖さ。
そう言い訳をしたが、直ぐに必要となってしまった。
まだまだ俺は弱い。
そういう事なのだろう。
薬屋から出て、ちょっと細めの路地に入った処で偽装スキルにより俺に対し空気に偽装を行い、更に隠形スキルの隠形で俺を世界に紛れ込ませる。
これで、余程の強者でなければ、俺は認識できない。
そう思いつつ、宿に帰り、隠形と偽装を解く。
そして、ステータスウィンドウ内のMPの残量を見ると、あまり無いんだよな。
スキルに頼り過ぎているのかもしれないが、これもどうしようもないな。
自作の下級魔回薬を飲んで、MPの回復量を増やし、今日採取した薬草類の保存処理を行う。
ついでに、下級魔回薬も10回ほど造っておく。
うん。
薬草の保存処理も魔回薬の作成でも、結構な経験値が得られたので、既にLV10になっている薬学スキルなら、ユニークにランクアップするのは直ぐか。
まあ、その為に大量のMPが必要になるから、下級魔回薬を使ったんだけどね。
MPの残量と回復具合を確認し、今日も嘘はつきまくったけど、大したスキルのレベル上げは出来なかったな、と落ち込みつつ睡眠をとる事になった。
主人公は、薬の購入に成功したようです。




