第42話 受け流しスキル
主人公は、牛の魔物の群れを倒しました。
戦利品が美味しい魔物ではあるのですが、その戦利品について偽装後の輸送能力に問題がありそうです。
俊敏向上スキルを鍛える為、限界近くまで素早く動いての牛の魔物の討伐。
勇者職とEランクの牛の魔物とではステータスが違い過ぎて、草を刈る様に次々と倒れていく。
そして、戦利品だけ残して消えていくホーンブルとホーンカウ。
肉や皮やホーンカウだけが落す牛の皮の巨大水筒に入った牛乳の戦利品である牛乳袋とかが高く売れるんだよね。
肉は自分達で食べても、牛乳は自分達で飲んでもチーズと言った加工製品を造っても美味しくいただけるし、ありがたい。
問題は、料理スキルが斥候系でも魔法使い系でも職業の弊害があり、取得した事にし辛いんだよな。
スキルを使って美味しい料理が食べられると言うだけでなく、保存処理したり熟成させたりもできるスキルだから。
しかも、保存処理した後の肉の方が高く売れるしね。
何とか抜け道が無いか考えないと。
はあ。
と溜息をつき、ホーンブル2匹とホーンカウ2匹だけ狩った事にして格納箱に入れようとして気が付く。
ああ。
このサイズは、偽装後の格納箱に入らない。
しかも、格納箱の空きが1つ程度かないし。
と言う事で、格納箱スキルの偽装後のレベルを1つ上げて空きを1つ増やし、ホーンカウ一頭分の戦利品だけ残し、残りは亜空間収納に入れておくことにする。
ホーンカウの牛乳袋は格納箱に入った。
でも、肉はそのままだと入らないので、一応料理スキルに聞きながら鉄ミスリルの剣を生活魔法で洗浄し、その剣で切り分けていく。
素人が剣で切ったとなると、価値が下がりそうだけど、しょうがない。
後は、近くに感知した、魔力草や万能草を採取して、3人の所に帰ろう。
そう思い薬草類の方へ移動し始めると発生する3匹の魔物。
今度は群生地じゃないのに、と思いつつ魔物を確認すると「オーガかよ」と思わず声が出る。
両親が死ぬことになった魔物は、ハイオーガとオーガの群れだった。
その事が頭をよぎるが今は関係ない。
ああ。
ホーンブル達に攻撃した時に隠形が解除されたのに、再度かけ直していないから、オーガ達にアッサリ見つかってしまった。
隠形が見破られたら隠形スキルをOFFにしないとMPが無駄に消費され続けるから、隠形が見破られたらスキルをOFFにする設定にしてある。
だけど、隠形のON・OFFは俺の意思だけで決める事になるように、見破られても常に隠形をONにしたままにする設定にして置いた方が良いかもな。
今回みたいにONにするのを忘れそうだし。
そう思いつつ、火弾、風弾、水弾、魔力弾を発生させ『強く速く』と念じて魔法を強化し、1匹に2発ずつ撃ち込む。
しかし、一匹には手にしている棍棒で2発とも叩き落され、もう一匹には一発だけとは言え棍棒で魔法を撃ち落されてしまった。
とは言え、風弾が頭部に命中した方が頭部に傷を負って血をながしているので、2発とも防いだほうに『強く強く・速く速く』と念じて強化し、4発撃ち込む。
すると棍棒では防ぎきれず、3発を頭に受け、それが致命傷になったようで倒れ込む。
なので、同じように強化した魔法を、血を流しているオーガに撃ち込み倒し、残りに一匹に向かい合う。
巨大な鬼の魔物であるオーガ。
鉄ミスリル製に見える巨大な金棒状の棍棒を持った半裸の巨人か。
偽装した3倍職の忍びでLV14になった事になっているから、こいつは弱く偽装後の力で倒そう。
そう決断したのだけど、巨大な事もあって迫力があって怖い。
打ち下ろされた棍棒を避けると、棍棒を叩き付けられた地面が爆発し、その破片が体中に当たる。
飛び散る破片も避ける必要があるとは。
無茶苦茶な力だな。
いや。
そう言う攻撃スキルなのか。
思考スピードは、勇者職のステータスだから余裕はあるが。
今度は、横に振り抜く感じの棍棒を、ショートソードで弾く。
うわ~。
偽装後の力だと、当然力負けするのね。
買ったばかりのショートソードは刃が欠けて、曲がりそうになっている。
受け流しスキル仕事しろよ。
ああ。
取得していないって偽装しているのね。
ならばと、受け流しスキルを取得してないと言う偽装を解除。
既にノーマルスキルだから大丈夫だろうと、今度は上からの打ち下ろしてくる棍棒を、ショートソードで受け流してみるが……。
駄目じゃん。
「ギギギギギィ」と音を立てて中古とは言え買ったばかりのショートソードがボロボロになっていく。
ああ。
受け流すのが上手くなるし、次の攻撃に繋げられる受け流し方は教えてくれるけど、受け流す時に武器を丈夫にしてくれるスキルでは無いのね。
早く言ってよ。
と言うか、俺が聞かなかったのか。
剣が傷んでしまい、頭に来た俺は、弱く偽装するのを忘れ頭部に全力の飛び蹴りをかまして、オーガの頭部を破壊した。
主人公は、オーガ達を全滅させたようです。




