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隠れ勇者イサムは今日も嘘つき ~勇気を示さないと強くなれない異世界で裏技を使われ強くなりましたが、面倒事を避ける為に嘘をついています~  作者: 野下大誤
第9章 行商人護衛編

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第360話 決着の後は

 主人公は、魔法に高い耐性を持つハイオーガとガチの戦闘。

 勿論、弱く偽った状態で。

 まあ、何度も加減を間違えていますが。

 その戦闘の合間に、友のアレンは何を思うのでしょう。

 なんか、ポチが2匹飛んでいる?


 あれ。


 フクも2匹居る?


 そう思っていたら、敵の主力のハイオーガが二匹になった。


 イサムはすごい。


 そう感心していたら、今度は大量の自分の幻影を発生させている。


 幻影は、魔法に強い耐性を持っていると言う個体に効果があるのだろうか。


 そう思っていると、直ぐに消えて、また別のイサムの幻影が発生している。


 50体以上のイサムが、消えては発生し消えては発生し。


 周りも俺も混乱している。


 ああ。


 そうやってハイオーガも混乱させる手段なんだ。


 と言うか、真面に戦うのでは勝てないって言っていたのに、隠形で隠れられていない様だから、ハイオーガを困惑させて奇襲を成功させようとしているのかもしれない。


 そんな推測をしていると、苛立ったハイオーガが一体のイサムに突撃している。


 そのイサムは後方に回避運動をし、それを助ける様に炎の壁が発生した。


 あれが本当のイサムなのか。


 そう思うと共に、イサムの幻覚がすべて消えた。


 結局、幻影を使った作戦は失敗だったのか。


 そう心配になり、必死に目を凝らすが炎の壁に遮られて、様子が見えない。


 思わず、城壁から身を乗り出し、飛び降りるかどうか迷っていたらシャロンが「ポチ君と協力して二匹とも倒したよ」と言ってくる。


 風探知魔法でずっと把握していたんだ。


 俺も、風魔法を。


 くそ。


 力が欲しい。


 砦を攻めてきていたオーガとゴブリン達が、恐慌状態になり逃げ始めた。


 まあ、支配階級のオーガ達が全滅したし、そうなるだろうな。


 すると「ブルクハルト、アウグスト。下に降りるぞ。北門を開けろ」とのウルマスさんの指示で、北の小さな門が開き、そこから騎士や兵士達が恐る恐る出ていく。


 俺達も急ぎ城壁から降りて、門から外に出ると、掻き消える20数枚の巨大な炎の壁。


 でも、まだ熱の影響が残っているのか、発生する蜃気楼と木製の梯子や破壊錠や投擲用の材木等が燃えて発生している炎と煙。


 その向こうから、変な人型の影が近づいてくる。


 新手のツインヘッドオーガか?


 2つと言うか、歪で巨大な頭部があるから、そう思ったのだけど。


 新たな魔物が現れたのか、と身構えている周りに対し「イサム君だよ」とシャロンの声。


 ああ。


 姿を現したのは、間違いなくイサムだ。


 得意そうにしているポチが右の肩に乗っているんだ。


 イサムは窮屈そうに、不自然に首を左に傾けている。


 なのに、その頭と左肩の間から顔を出しているフク。


 甘えているのだろうか。


 嫌そうにしているイサム。


 そんなに嫌なら離れろと命じればいいだけなのに。


 嫌がっているのはポーズだな。


 そう思っていると、イサムについてくれていた騎士のエッカルトさんが声を上げ、それに呼応して皆がイサムの名を呼び始めた。


 イサムは、更に嫌そうな顔になる。


 あれは、本当に嫌がっているな。


 ポチが勝どきに反応し翼を広げているのも、翼が顔に当たりまくっているし、嫌なんだろうな。


 勝ったんだ。


 遠くから見ても分かる、嫌そうな表情のイサムを見て、そう実感できた。



 はあ。


 今回もやり過ぎた。


 俺の勝手な『魔物の間引き』で『魔物の揺り返し』が起こり、多くの人が死にそうだから、それは回避すべき。


 俺に全く責任のない戦場だとしても、弱く偽装している俺の嘘で人が死に過ぎない様に。


 そんな理由で、力を制限してはあってもガチで戦ったんだけど。


 やっぱり、やり過ぎだよ。


 力を制限しきれていなかったよ。


 ああ。


 城壁の上の人達が、勝どきを上げている。


 「イサム様。万歳」


 ああ。


 あれは、エッカルトさんか。


 右肩のポチが調子に乗るので、褒めないでください。


 一番強いAランクを倒したのは、俺じゃないんです。


 業火を使ったウルマスさんなんです。


 本当は勇者職の俺は、それを隠したいんです。


 暗殺系の力を持つ俺は、目立ったらダメなんです。


 やめてください。


 お願いします。

 魔物の揺り返しで、強力なオーガとゴブリン達に攻められていたホバド砦。

 その防衛戦を勝利に導きましたが、主人公の望む形ではなかったのでしょう。

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