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第265話 アレン達が選んだスキルは

 無事に終えた護衛依頼。

 すると、依頼者達が報酬が安すぎると言ってきました。

 それで、アルティメットまで達しているスキルを承継してくれると言う話になったのですが。

 旧ヌラル町までの護衛依頼。


 スフィンクスとかに襲われたけど、なんとか無事に帰ってこられた。


 すると、全員無事に帰ってこられた事もあるのだろう。


 ディックさん達が、スキルの承継をしてくれるって言ってきた。


 スキルの承継なんて、他人にしてもらう時は、数十万~数十億GAZUのお金を支払うモノ。


 まあ、数億GAZU以上するような希少なスキルの承継は無いんだろうけど。


 それでも申し訳ない。


 そう思いつつも、折角の御厚意だから受ける事にする。


 俺から、という事で料理スキルを欲しいと言ったんだけど。


 「やっぱり違うね。イサム君は」とディックさんが言ってくる。


 どういう意味だろう。


 そう思いつつ「人生で美味しい物を食べるのを楽しみにするの、そんなに変ですかね?」と逆に聞いてみたんだけど「そんな理由なのかよ」とアレンが突っ込んでくる。


 「真面目な話をすると、食べられるモノと言うか口にするモノに対して限定鑑定できるようになるのは、薬学スキルの限定鑑定とあわせると、食べられるモノと食べられないモノがハッキリと分かるから、サバイバルな状況で生き残るのに必須だと思うけど。

  食品が傷んだのもハッキリ分かるし。

  それにベースLV6になれば、食料に熟成・保存処理が出来る様になる保存処理技能が得られる。まあ、保存期間は未だ最大1年にしか出来ないけど。

  でも、ホーンブルの肉とかは半年とか1年の保存処理で倍の値段で売れた事があったからね。

  なら、そのお金で色々と戦闘力も強化できるでしょ」


 そこまで言うと「あ~」とアレンもミリアもシャロンも少しは納得した感じになったのか。


 「で、どうするんだよ。3人は」と3人に催促する。


 「あ~。俺は、飛撃スキルが欲しいです」とアレンは即答だ。


 それに対しミリアは「私は、どうしよう。アレン」と困っている。


 「イサム。何が良いんだよ」とアレンは何故か俺に聞いて来る。


 「何で俺に聞いて来るんだよ」


 「一番、スキル関係に詳しいだろう」


 「いや。シャロンも結構詳しいし」


 そう言ったのだけど「イサム君にはかなわないよ」とシャロンは逃げやがった。


 選択の責任を取らされるかもしれないのは、俺も嫌なんだけどな。


 そう思ったんだけど、3人が俺に視線を向けて来る。


 「は~。何を選んでも後悔しそうなんだから、自分で選びなよ」


 「なら、幾つか提示してよ。その理由も一緒に」とミリアは我が儘だ。


 なので、バッグからスキル関連の本を取り出して、それを確認しながら助言する事にする。


 「俺と同じ様に冒険者を引退した後を見据えるなら商業学を含めた生産系スキルだろうね。裁縫とか木工とか採掘とか、俺なら欲しいし。

  今現在と言うか、冒険者として力を得たいと言うなら、魔法で長距離攻撃が可能なアレンから飛撃スキルを譲ってもらえば、長距離攻撃が可能になる。まあ、職業の弊害有りだから大変だろうし、攻撃魔法を取得したらたら飛撃は職業の恩恵無しだから、そっちがメインになり、使わない気もするけどね。

  斧技スキルや受け流しスキルでも良いけど、基本職業の弊害有りだからな。まあ、それでも自分の身を守る為に受け流しスキルは持っておいた方が良いかも、とは思うけど。

  後は、欲しいステータス向上系。

  まあ、そんな処じゃない」


 そう言うと「斧技か受け流しスキルが良いのかな」と言って来る。


 「どちらも、職業の弊害ありだからな。それでも、受け流しスキルはお勧めだけど、近接戦闘を全くする気がないなら必要ないだろうし。

  それに、既に持っている杖技で近接戦闘を覚えるのでも、職業の恩恵のある槌技を取得するのを頑張ってそれを鍛えていくのでも良い気もするか」


 「駄目じゃん。アレン、飛撃スキル譲ってよ」


 そうアレンに言うミリア。


 思いついたデメリットは言ったんだけどな。


 ステータス向上系か生産系スキルが無難だと思うんだけど。


 今日、魔物の集団と3人で戦わした時も、自分だけが長距離攻撃手段を持っていなかった事に、思う処があるのかもしれない。


 「え~。イサム。俺は何が良いんだよ」


 「いや。知らんよ」


 「そんな事言わずにさ」


 「はあ。アレンは前衛だから、戦闘系スキルが良いか。で、戦闘系で何を持っていないんだよ」


 「飛撃以外は、持っているんだよね」


 「なら、ステータスアップ系は?」


 「ああ。知力向上と精神向上とMP向上スキルは持っていないな」


 「なら、いずれ取得するだろうけど知力向上・MP向上スキルを選ぶか、当面取得出来そうにない精神向上スキルか、かな」


 「ん。知力向上とMP向上スキルの方が職業の恩恵有りで、精神向上スキルが職業恩恵無しなのか」


 「そういう事。魔法を使っていると遠からず取得出来るスキルにするか、才能が無ければ当面取得出来ないスキルにするか、だな」


 「どっちがお勧めなんだよ」


 「今日、俺は強烈な魔法を喰らったからね。

  魔法や精神異常に対する耐性が上がる精神ステータスを上げるスキルを、ここで取得しておいた方が良いかも、とは思うけど」


 「分った。俺は精神向上スキルを御願いします」


 そう言うと直ぐにシャロンは「私はMP向上スキルを御願いします」と言って来る。


 1倍職だからMP不足に泣いていると言う事か。


 そう思いつつ「MP向上スキルは遠からず取得出来ると思うけど、料理スキルとか裁縫スキルとかでなくて良いんだ」と俺が聞くと「うん。今は生き残るために力が欲しいから」と言う事だそうだ。


 3人とも色々と思っていた事があると言う事か。


 そう推測していると「ポチ君とフク君は、何が良いんだい?」とディックさんが聞いて来る。


 「くゎっ」「キューン」


 「いえ。流石に申し訳ないですから」


 そう言って断ったんだけど。


 「ぐぅ」「ヴゥ―」と二匹は不満そう。


 その上「勇敢に私達を守ろうとしていた姿に感動した人も多かったんですよ。だから、そんな事を言わずに」とかバーバラさんに言われると。


 「何か欲しいのはあるの?」と一応聞いてみる。


 「くぅぅぅ」「キューン」


 「なんて言っているの?」とミリアが聞いて来る。


 「俺に任せるってさ。と言う事で、遠慮させてもらいます」


 「ぐぅぅぅ」「ヴゥ―」


 「ポチ君もフク君も不服そうにしていますよ」とバーバラさんはポチとフクの気持ちが分かる様だ。


 「はあ。甘やかし過ぎなのかな」


 「くぅぅ」「キューン」


 「そんな事を言わずに」と高齢者に優しく言われるとね。


 「ポチには、耐久向上を。フクにはHP向上スキルを。どちらも、多分トーマスさんですから、申し訳ないですけど」


 「いや。耐久向上はサンドラさんも持っているから、そっちから承継してもらう事になるよ」


 と言うか、HP向上も、耐久向上スキルもアルティメットって事は、トーマスさんは冒険者か何かでずっと盾役だったという事なのか。


 いや。


 飛撃とか、斧技とかも多分トーマスさんがアルティメットランクなんだろう。


 ……。


 結構な冒険者だったのか、寿命が基本俺達より長いドワーフだからなのか。


 それぞれのスキルを持っている人から、それぞれ薄っすらとした光と共に、新しいスキルを貰った。


 と言うか、重戦士のトーマスさんと神官のアデラさんからは複数承継してもらう事になったか。


 申し訳ないな。


 アレンとか、木工スキルを進めればよかったかも。


 ああ。


 それを言うのならポチやフクに生産系スキルを持たせるのでもよかったか。


 しかし、2倍職の大神官職なのに、精神向上とMP向上をアルティメットランクで持っているアデラさんも、どんな人生を送ってきたのだろう。


 そんな風に思ってしまうが。


 後は、俺は料理スキルを持っているのに承継してもらったのは、申し訳なかったけど、これで人前で使える力に出来る事になったのは助かったのは間違いない。


 4人と2匹で皆さんにお礼を言って、宿へと戻る事になった。

 主人公達は、依頼達成のお礼でスキルを承継してもらいました。

 自分で取得するのと違い、職業の恩恵や才能がある、と言うスキルではないので、スキルの成長と言う意味で微妙ですし、遠からず取得できるモノを選んだかも、と言った意味でも微妙。

 それでも、新たな力を得られた、或いは得られた形に出来ました。


修正点:

 食料への保存処理をノーマルランクLV1ではなく、ベースランクLV6から可能に訂正。

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