恋の話
どうやら惚れっぽい性格のようだ。
可愛い女の子は大好き。男なら別にごく普通なことかもしれない。それはビジュアルが、仕草が、声が、性格が、色んな可愛いがあるだろうから、一概にこれとは言えないが、でも僕はどれかが当てはまらなくとも、どれかが当てはまれば大体コロッと好きになってしまう。
これは別に二次元だろうが三次元だろうが関係なく、この子のここが良い、この子はここが可愛らしい、等とあげていたら、アイドルグループを気付けば箱推しし出す。結局みんな好きになってしまう。
これを表立って言えない自分がいる。なぜなら、この内容はアイドルやアニメキャラだけでなく、リアルで身近な人間関係でも抱いてしまうからだ。無論、知り合った異性みんなに特別な感情を抱くのかと言えばきっと違うのだろうが、すごく綺麗に言えば博愛主義なのだと思う。これを口頭で言えば嫌味も出るし、高慢に見られる。
以前、声優さんのラジオを聴いていた時、男性声優さんが「男は可愛い女の子に優しくされたらすぐ好きになっちゃう」と発言していた。それに対して同じ場にいた女性声優さんが「誰でもいいんだ」と返した。僕は女性声優さんの発言に深く傷付いた。細かな理由なんてわからないけれど、自分自身を否定された気になぜかなってしまった。
だからなのだろうか。僕には、「一人を一途に愛する」という感覚の本質が分からない。過去にいた彼女に対して、しっかり一途だった。他の女性になんて一切恋心を抱くことなんてなかった。でも可愛い人を可愛いと身近で思うことをダメだと自分に言い聞かせていると、すごく辛くなった。これを人に相談すれば面倒臭いと思われたりするのが嫌だから、結局言葉には発さない。恋と愛の境目は曖昧で、何でも良くて、本当はどうでも良くて、だから恋愛が大嫌いだ。きっとこの発言が数年後ウソに変わるなら、それもそれで格好がつかない。
普通に異性と会話ができる能力って、どんな能力なのだろうか。知りたくて街コンに行った。男たちが当たり前にゲラゲラ笑いながらセクハラまがいに女の子と楽しそうに話している。なぜそれに応えるのか。あんな男は危険だ。その男に騙されて良いと思っているお前ら女もみんな危険だ。そう思いながら、陽キャパリピのテンションに合わせて似たように笑った。どっと疲れた。
そこらへんの男より、僕は優しい自信があると思いたい。良い人だと思いたい。でもそれを気に入らないと世間に言われるのなら。せめて惚れてしまうこの性格を消してしまいたい。