サウナの話
2021年からサウナにハマりだした。
元々すごく興味があった。温泉が大好きで、旅行はそれが目当てで行く。入浴剤集めが趣味である以上、入浴は自分の中で面倒な反面、大好きな要素がいくつもある。しかしそれとこれとは少し話が別問題で、サウナだけを楽しむというのは、それはそれで奥が深い。
そもそもとんでもなく高温のところに自身を放り込んで、蒸し暑いような思いをして、疲れて帰るという見方をすると何も楽しめないのだが、ここに「水風呂」が加わると面白くて仕方がない。
芸能人がよくサウナの魅力を語っていたり、たまたま知人に勧められたりというタイミングがあったので、近くにあるスパに行った。そこに行くこと自体が久々であった。
かなり高温のサウナに入る。熱すぎて5分も持たない。それなりに身体を温めた後は水風呂に向かうのだが、これが毎回辛い。いきなり冷水を浴びるのは心臓に悪いため、サウナで出た汗はかけ湯で流す。そして身体に熱が残っているうちに水風呂へ一気に全身を浸す。最初の5秒くらいは地獄の時間だ。キンキンに冷えた水のせいで鼻がスースーする。強烈にその緊張感に押しつぶされそうになりながら、数秒経てば身体にじんわり熱が生まれる。気がつけばいつまでも浸かってられるのではないかと思うくらい、平気になっている。しかし、水風呂は1分以上浸かるとあんまり身体に良くないらしいので、身体に熱が感じられたらサッと出る。この出る作業も地獄で、身体が動くとひんやり冷気が伝わって地獄を受ける。慌ててあがるというのが毎度変わらない。
そのまま露天風呂の方へ向かう。そこにあるのは外気浴用の椅子で、水風呂からあがったおっちゃん達が大体そこでぼーっとしている。寝転べるゆったりくつろげる椅子があればなおよし。そのまま5分以上何も考えずにぼーっとする。この時間がえげつないほど心地よい。夏場は風が通るとその風に冷気がないので、敏感になっている肌に当たるだけで幸せな気分だ。これをいわゆる「整う」というのだろう。
これを何セットか繰り返していると身体も自然と覚えてきて、リラックスモードに入るスピードが早まる。この修行のような行為にもきちんと意味はあって、交感神経と副交感神経をしっかり働かせることにより、代謝促進を促したり、太りにくい身体作りをしたり、健康的になりやすくしたりとメリットがかなりあるとのことだ。
これが楽しくなってきたので、熱波を浴びたいという欲に駆られた。兵庫へ一人旅に行ったときは、サウナ専門の宿に泊まり、ひたすらサウナに入ったり水風呂に入ったりを繰り返す2時間を過ごした。熱波師から直に浴びる熱波は特別な快楽で、とにかく痛みを伴うような謎の喜びだった。水風呂もいくつか種類があって、24℃くらいのものもあり、これもすごく良い。水風呂が苦手な僕には丁度良かった。
旅先では必ず入るサウナ。今後も自分との戦いに見を投じていきたい。