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動画クリエイターの話

 久しぶりの更新である。

 少し前、勤務していた映像制作の会社から事業縮小により勤務継続ができないことを言われた。いわゆる、リストラである。

 会社の経営悪化に伴い、退職をお願いされたが、信じていた社長が何も言わず、その月に僕を追い出さざるを得ない状態になったことはあまりにも急だったし、流石に社会人として礼儀がなっていないと思い、ようやく初めて天の上だと思っていた人に「何も言ってくれなかったのが悲しかった」と本音を伝えられた。

 急に職を失った僕だが、たまたま仕事で知り合っていた他会社の社長さんに運良く拾ってもらい、動画クリエイターとして働ける道を見つけた。今は毎日が楽しい。

 某キー局のテレビディレクターをさせて頂く機会があった。結構大きなお仕事で、夕方に放送される地上波の番組だ。そこで流れるVTRを作るだなんて、人生でもそんなに何度もある機会でもないと思い、挑戦させて頂いた。びっくりするくらい大変だったが、びっくりするくらいやり甲斐があった。

 特集内容はいわゆる老舗の味。昔ながらの変わらぬ味を求めてやってくるお客さんに対し、取材をするお仕事だ。これの編集に携われる自分は、かなり誇らしいものだった。実際にオンエアされた時は、テレビにかじりつくように見入った。

 ちなみに最近、某有名ヒーロー番組のアシスタントプロデューサーも経験した。来年度放送されるそのシリーズの撮影で3日間いさせて頂いたが、まだ世間の誰も知らないそのヒーローを間近で見ることができ、台本も読ませて頂き、有名芸能人と会うこともできたのは貴重な体験だった。

 こうして日々を過ごしていく中で、ふと振り返ると、色々辛いこともたくさんあったけれど、この道を選んできて良かったなと思う。そりゃあコールセンターをやっていたときは辛かったし、許せないことは自分にも相手にもあったりした。それでもその細くて暗い道をずっと進んだ先に、見たこともないご褒美が思ったよりあった。結局苦しい毎日だったりするけれど、努力が苦手だからこそ色んな方法で、得意なことでこの腐った根性にスーツを着せてきた。この先いい未来が待ってるとは限らないかもしれないけれど、自分のことを悪く思う機会は随分減ったのかもしれない。

 僕の首を切った前の会社の社長も同年代なので、この人生で良かったと誇りに思える生き方をぜひしてほしいなとお節介ながら思った。

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