表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

8、物真似少女は報告する

ブクマや評価ありがとうございます!

「すいません。ちょっと組合長に話があるんですけど」

「組合長ですか?すいません、冒険者カードを見せてもらっても?」


面倒だけど報告するって言っちゃったし私が報告しなくて死亡者出たとかなったら嫌だからから冒険者組合に来た。


受付の人は大体、私のこと知っているから何も言わずに組合長まで案内してくれると思ったのだがこの人は知らないようだ。

なんか暖かな目で見てきている。


「どうぞ」


私はいつものように異空間収納を隠しつつポケットから冒険者カードを取り出し受付の人に渡した。


「え、Aランク……本物?」

「本物だよ……」


なんか今度は疑いの目を私に向けてくるんだけど偽物なわけ無いじゃん。

なんならそこら辺で私のことをチラチラ見ている他の冒険者に聞けば分かる。


「ちょっと、何かトラブル?」

「あ!先輩、聞いてくださいよ!この子が組合長に話がしたいって……」


奥から出てきたベテランの人?が様子を見に来てくれた。良かった、この人は私も見たことあるし私のことを分かってくれるだろう。名前は知らないけど。


「あいたっ!何で殴るんですか!パワハラですか?パワハラですよね?」

「あんたはちょっと黙ってて――すいません、綾那さん。こちらの教育不足で……組合長は多分組合長室にいると思いますのでどうぞ向かってください」


分かってはいたけどやっぱり新人さんだったようだ。仕方ない、どの世界でも新人は辛いものだ。

私も冒険者になりたての頃は何をしていいか分からないかった。

片っ端からダンジョンを1人で攻略してて父さんに心配されまくったっけ。


「組長〜!入っていい?」


寝ている可能性もあるので強めにドアをノックする。


「俺をそう呼ぶのは綾那か。入ってきていいぞ」


私は勢いよくドアを開けて組合長室に入る。


組長という呼び方だけど初めに会った頃、組合長のことを組長だと勘違いしていて呼んでいたのが今でも続いている。


だらしない格好のしたおじさんだけど元Sランク冒険者でそこそこ強いらしい。

ただどう見てもお腹が出てるし強そうには見えない。


「今日は何のようだ?高校に入学すると聞いてはいたんだがそれ関連なのか?まさかまたAランクダンジョンを単独クリアしたとか言うんじゃ……」

「いや、全然違う。流石にこんな短期間でAランクダンジョンをクリアは出来ないよ。1週間くらいは欲しい」

「Aランクダンジョンを1週間で単独クリア出来るほどの実力者はこの国でも数えられるほどしかいないんだけどな……」


1人だと眠るのも難しいからね。荷物も全部自分で持たなきゃいけないし全く休みないよ。

途中でモンスターが寄ってこない安全エリアとかもあるけど終盤は無いしね。


ってそんなこと思っている場合じゃないや。


「実はさっき護衛依頼でEランクダンジョンに行ってきたんだけど……終盤に差し掛かった場所でオークに出くわした」

「それ、詳しく頼む」


割と大変な事になっているので真剣に詳しい情報を話した。


「ダンジョン進化が起きているのか……一度調査をしないとだな。とりあえず例のEランクダンジョンは封鎖しようか」

「なんなら私が調査行こうか?報酬は沢山貰うけど」


来週までは暇だしやること無いから。


「ありがたいがすぐに調査をしたいから未成年は無理だな。外も暗いし後の事は大人に任せて子供は帰りな」

「えー……仕方ない。お腹も空いたし帰るか」


今日はお金沢山貰ったし盛大に回らない寿司とか行っちゃおっかなー。

そんなお金の使い方するから金欠になるのは分かっているけど美味しいものには逆らえない。


「じゃ、後の事は大人に任せるよ」

「おう!任せろ」


任せろと言っているので任せることにして私はお寿司屋さんにでも行くことにした。


さて、この辺に回らない寿司屋はあったっけ?


「ってうわ、なんかすごい通知来てる」


寿司屋をスマホで検索しようとずっと異空間収納にしまっていたスマホを取り出したらすごい量の通知がきているのに気づいた。

全て父さんからで例の焼き肉の件で今日は無理だったけど明日なら行けそうって話と私が全然既読つけないからどうしたって話。

とりあえずダンジョンに行ってたと返信しておいた。


「よし!寿司食べるぞー」


私は父さんからのうるさい通知を切って寿司屋に向かった。


結局、そこそこの金額になっちゃったけど美味しかったからしょうがないね。


そして次の日――


「んー!うるさい!」


スマホの通知音で起きた……もうお昼だね。


どうせ父さんからだろうけど一応通知の内容を見たらやっぱり父さんばっかりだったけど一件だけ可奈からだった。


内容としては合否の結果について。


「そういえばお昼くらいにメールで合否の結果が来ているんだっけ?」


すっかり忘れてた。


えっと……うん、普通に合格だね。よかった、よかった。

可奈にも合格したって送っておく。


「お昼ご飯でも食べよ」


私は色々と返事を返しながら適当に冷蔵庫の中身でご飯を作って食べた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ