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7、物真似少女はオークを倒す

ストックが切れたので毎日投稿は今日で終わります。

それからは順調にダンジョンの奥へと進んでいくのをただひたすらに見守るだけだった。


3人の連携が完璧だから危なげなく戦闘を終わらせるし護衛とかいらないんじゃない?と思って来た。


「あ、道が……」

「そこそこ狭いわね」

「明の大剣を振り回すの無理そうだな」


そう、このダンジョンは中盤から道が狭くなるのだ。普通に通るだけなら良いが戦闘で剣を振り回すとなると少し壁や天井に当たるから注意して使わなければいけない。

ましてや大剣なんて振り回すことすら出来ないだろう。


古川さんの異能が頼りになりそうだね。


「ファイアバットが見えた!」


お、このEランクダンジョンでなかなか倒しにくいと言われている火を吹くコウモリじゃん。


「僕が盾になるから由紀美は異能を」


大剣を振ることは出来ないので盾としての役割を果たす岡本さん。

コウモリが吐いた炎をしっかりと受け止めていた。


「《ファイアボール》」


異能を使って炎の球がコウモリに向かっていく……


しかしコウモリは身体を回転させて避けてしまい炎の球が当たることはなかった。


「うそっ!」


コウモリは避けた勢いでそのまま古川さんに突撃してこようとしていた。


「俺に任せろ!」


コウモリと古川さんの間に山田さんが入ってきてコウモリの突撃を盾で防ぎつつ壁に叩きつけた。

そしてそのまま短剣で切り付けて倒す。


コウモリが消滅してコロンと魔石が転がる。あとコウモリの牙もドロップしてるね。


「白百合さん!見てましたか!」

「はいはい、見てるからちゃんと戦ってね」


さっきの戦いは上手かったけどいちいち私に反応求めなくていいから……


「すいません、僕が抑えきれず……」

「あたしこそ魔法、外しちゃったから……」


2人は少し落ち込んでいたが山田さんの盛り上がりを見てすぐに立て直していた。


その後は特に苦戦することなく進んでいくのを見るにやっぱり心配することなんて無いと思う。


罠とかも山田さんの異能で見つけるの早いし。


「お、広い場所に出ましたね」

「これでやっと明の大剣が使えるわね」

「今日の俺は絶好調!」


かなり早いペースでダンジョンを攻略している。もうすぐ終盤って場所まで来たね。

時間もそこまで無いしボスまでは無理だろうけど。


ちなみに帰る時は帰還石という魔道具を使うことで一瞬でダンジョンから出れるから心配はいらない。


「2人とも待ってください……何か足音のようなものが聞こえます」


岡本さんの言葉で2人が黙り耳をすまし始める。


確かに複数の足音が聞こえてくる。モンスターでは無さそうだから他の冒険者かな?


……いや、大きなモンスターの足音も聞こえる。追われているな、これ。


「に、逃げろ……!」


バタバタと3人組の冒険者が奥の通路から出てくる。それと共に大きな棍棒を持ったモンスターが走って来ていた。


「オーク……ね」


何でDランクモンスターであるオークがこんなEランクダンジョンにいるわけ?そりゃ、この人たちも逃げるよ。


「オーク……!何でこんなところに!」

「あたしたちも逃げないとまずいわよ!」

「逃げるぞ!」


岡本さんたちも急いで逃げようとしていた。さっき通って来た通路は狭いからオークの巨体では通れないしあの場所まで行けば逃げ切れるだろう。


しかし岡本さんたちは逃げ切れるとしてもあの3人組の冒険者たちは逃げ切るより先に追いつかれそうだ。


「あ、まずい」


オークが走りながら棍棒を振り下ろそうとしていた。


このままだとオークの棍棒が3人組の誰かに当たる。


「あの人達は護衛対象じゃ無いけど目の前で死なれるのはごめんだから仕方ないけど助けるか」


私は剣を鞘から抜いて3人組とオークの間に入る。そして剣で棍棒を受け止めた……と思ったら受け止めただけでスパッと棍棒が真っ二つに切れてしまった。


そして切れた先の方が私の頭に当たる。ちょこっと痛かった。


「白百合さーん!大丈夫ですか?!」

「あ、うん。大丈夫、大丈夫」


後ろから声がしたので振り返ってみると岡本さん達やさっき助けた3人組冒険者もしっかりと狭い通路に避難していた。


「さて、良くも私の頭に棍棒を落としてくれたね。覚悟はいい?」


フードを取りオークを睨む。


オークは私を見て少し怯えているように見えた。モンスターは人間と違って目視で魔力量を正確に分かるっぽいからそれでビビっているのだろう。


基本、強い人ほど魔力量は多いし強い人は相手の魔力が微妙に見える。

私は魔力量が多い人は微かに見えるってだけ。そう考えると可奈はかなり魔力量が多いんだよね。

私とシャトルランで互角なだけある。


「ほいっ……と」


オークがビビっている間に首からザックリと剣で切った。


首から血が噴水みたいに飛び出してくる、汚い。


この返り血もモンスターが消滅したら消えてなくなるけど汚いものは汚い。ローブを装備している理由は身を守ったりエアコンの為というよりはこれの為だ。

他の機能はオマケだ、オマケ。


そんなこと思っている間に完全に消滅したみたいで返り血も無くなっていた。


「白百合さん、流石です」

「おお、やるじゃない」

「美しい……」


なんか岡本さんたちはすぐに近くに寄って来てお水まで渡してくれた。

後ろの3人組はポカンとしてて動いてないね。


「ごめん、ちょっとこのことを冒険者組合に報告しに行くから今日はこれで終わってもいい?」


今回は私がここにいたから全員無事だったけどもしいなかったら全滅はしないだろうけど何人かは重症もしくは死亡者が出ていた可能性が高い。


いや、岡本さんたちならワンチャン余裕で勝てる可能性もありそう。


「そうですね。これ、報酬です。今日はありがとうございました!」


私は報酬を受け取ってからすぐに帰還石でダンジョンから脱出した。

次回からは週一投稿、もしくは破壊少女の方と同時になると思います

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