表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力者に溢れる残酷な世界で  作者: その辺にいる赤い人
4/5

 4話 語られるメモリアル

どうもその辺にいる人です。

前回雪崩に巻き込まれたウェン、

一体どうなってしまうのか。

 「君は誰?どうして僕を助けたの?」

どこからか声が聞こえてくる

「僕の名前は■■■。君の名前は?」

「おっ俺は..ウェン...」

そうかすかに呟いた


パチパチと火が燃える音がする

その音を聞き

はっと目を開け体を起こし辺りを見回す。

周りはゴツゴツとした岩で囲まれていた。

どうやら洞窟の中らしい。

俺の右隣にはシャイリアが眠っており

さらに足元には火に薪をくべているエクスがいた。

先ほどまで命がけの戦いをしていたのは嘘のように気さくに

「よう目が覚めたか」

と言った。

俺はエクスにある疑問を投げ掛ける。

「なんで俺たちを助けたんだ。お前が俺を義理はないはずだ」

「ああ?、お前、めんどくさいなあ。

そこは素直にありがとうでいいんだ。

お前は思春期の男子か。」

「17歳なんだが。なんならシャイリアも17歳だよ」

「ああ、そりゃ悪い」

エクスはばつが悪そうに頭をかいた。

「で話は変わるがお前の能力一体どうなってやがる。

急に足が速くなると思ったらとんでもない速度で斬りかかってくるから鳥肌もんだったぜ、お前の剣の腕が未熟だったから避けられたけど。

普通のフィズカルじゃ有り得ないぜ。

だからお前の能力を教えてくれ。

まあ能力以外のことでもいいが。

もちろんタダとは言わない。

それ相応の俺が知り得る情報をお前にくれてやる。

もちろんメモリアルで見た情報もだ。

悪い取引じゃないと思うぜ」

確かに悪くない条件だが一歩間違うと非常に重要な情報もエクスに話すことになるかもしれない、しかしメモリアルで見たものは多少重要な情報でなければおそらく話してくれない。

なら俺が戦闘で不利になるようなことを話すしかあるまい。

「じゃあ、まずは基本情報からだ、能力はフィズカル能力、俺のフィズカル能力は能力による強化部位を変えることができる。

まあ簡単に言うと強くする部位を自由に振り分けられ切り替えられるということだ。」

「なるほど、そういうことか。」

エクスが理解しているかはおいておいて。

「で、エクスは何の情報をくれるんだ?」

「んん..そうだな。だったら、この情報をくれてやる。

隣国レイビオ、その国王がこの国に近々戦争を仕掛けるつもりらしい。」

「何!!それは本当なのか?」

俺は目を見開き問いただす

「いや、あくまで噂だ。

俺もあの国を直接見に行ったわけじゃないからな。」

「だったらいいんだが。」

帰ったら一応団長に報告はしておこう。

「じゃあ、次だ。

能力の詳細といこう

闘化状態についてだ。」

「フィズカル能力の奥の手か。」

「闘化状態は強力な力を一時的に手に入れる代わりに

解除後、半日はまともに歩けないほど弱る。

まさに奥の手。

まあ多少慣れていると弱る時間は少なくなるらしいが」

「なるほど、聞いていたとおりまさに奥の手か。

能力の弱点を教えてくれたんだ。それに値する、メモリアルの見た内容を教えてやるよ。お前も知りたいだろ。なんなら一番聞きたい情報だろ。」

俺は驚き目を見開く。

どうやら俺たちのことも多少調べてあるようだ。

「そのとおりだよ。俺たちは個人的にフィルナールの書について知りたい。何のために書かれたのか。

人間以外の種族についても。」

俺はエクスに俺の目標を語った。

「まあ取りあえずメモリアルで見たものの一部をお前に教えてやる。耳をかっぽじって聞けよ。」

「でも、やっぱりおかしい。お前が俺にそれをいうメリットはなんだ。」

「それは今は言えない。」

ああ、もうなんなんだ何が目的なんだと少し苛立ちを覚えた。

「今は取りあえず聞いとけ。損はしない。」




俺がまず見たのは辺りが燃え逃げ場を失い、腹が減り地に伏せていた少年の前に現れた悪魔だ。

長く少しフェーブがかかった髪、目はだるそうに半開き、服装はメイドのような服を着ており、頭から生える角から人ではないと直感した。

その悪魔は少年を見るなりため息をつき

「少年。名は?」

と聞いた。

「フ..ィ...ル」

少年はかすれた声で悪魔の問いに答えた。

しかしそう答えた瞬間少年は意識を失った。



「はっ、ここは...うわっ」

少年は覗き込まれていたシルクハットを被り、右目に眼帯をした外見年齢17歳位の悪魔に驚いた。

「ホルティウス様、フィル様が目覚めました。」

悪魔は玉座に座る、ホルティウスと呼ばれた悪魔に話しかけた。

「少年、いや、フィル。調子はどうだ?」

少年は立ち上がりホルティウスの方を向くが瞬時に頬を赤らめて目線を外した。

「あははは、フィルには刺激が強すぎたか」

悪魔はフィルの行動に高笑いした。

それもそのはずホルティウスが着ていた服は露出度が高く、胸の谷間がこれ身をがしに強調されていて、さらにクロスした足から見えてはいけないものが見えそうになっていたからだ。

俺もこの時思わず目線を外したなぁ

「仕方ない、、」

すると瞬時に服装が変わり助けて貰った時と同じメイド服なようなものに変わった。

「フィルよ、こちらにこい。」

ホルティウスの呼びかけに応じ、ゆっくりとホルティウスの座る玉座に近づいた。

前にきたフィルをホルティウスは抱き締めた。

「なっ何を!?」

突然のことに少年は驚きを隠せない。

抱き締められた少年はホルティウスの胸をうずくませ(強制)ホルティウスの心音を聞いていた。

「「ドク、ドク、ドク、ドク、ドク」」

「フィルに一度見せておく、悪魔の弱点を。」

するとホルティウスは胸の中心を手でえぐり、体内から鼓動を打つ黒い玉を取り出した。

「これは言うなれば悪魔の心臓、これが完全に破壊された悪魔は世界から完全に消え去る。」

少年はさらに驚いた

それは悪魔も人間と同様に死ぬことがあるということ。

その事実を悪魔から語られたからだ。

「なあに弱点と言っても破壊される気はないけどね。」

とホルティウスはウインクしながらいった。

「ねえ一つだけ聞きたいことがあるんだけど。」

「何?」

「どうして僕を助けたの?」

悪魔はしばらくの間沈黙しその後こう答えた

「気、ま、ぐ、れ。」

と笑顔でいった

その時の笑顔は心からの笑顔だった。




「とまぁこんな感じだ。

もっと知りたいなら自分でメモリアルに触れるといい。」

「ああそうさせてもらう。」

「んん、、何かしゃべってたの?」

とシャイリアが話し終った時に目が覚めた。

「いや何でもない。」

話しの内容は山を降りてからでも遅くないと判断し

ここではシャイリアに何も話さなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ