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能力者に溢れる残酷な世界で  作者: その辺にいる赤い人
2/5

  2話 悪魔

今回は色々と話が動きます

「おう、クラスお帰り、ウェンたちも。しかしクラス、道に迷わずたどり着けたか?」

団長に話し掛けたのは副団長のランス。

その実力は団長とも引け劣らない。

そのランスの言葉に団長は言葉がつまる。

もしかして団長、道に迷ってたのか。

まあそのお陰で団長は爆発に巻き込まれなかったから不幸中の幸いなのか?


ここはこの国の王都にある「レシア王国近衛団」の本部だ。

見た目はちょっとした屋敷みたいな感じで一階に応接間、会議室があり二階に食堂、各個人部屋があり

そして三階には厳重な保管室があり地下には牢がある。

といった構造になっている。

そして俺たちは地下牢に用があった。

地下牢に続く階段を降りるとそこには確かにフィルナールの書で見たような姿の悪魔がいた。

その外見は妙に整った顔立ちをしていて男性の姿をしていた。

『団長お疲れ様です。』

二人の団員が言った。

「ご苦労。お前はもう上がっていいぜ。そこのお前は政府にレシア大森林が爆破されたと報告しとけ。」

「了解しました。」

薄暗い地下牢には現在俺と団長そしてシャイリアしかいない。

少し沈黙のあと団長が切り出した。

「お前に質問がある。答えてもらうぞ。」

「人間ごときに答える義理はないがいいだろう。」

終始偉そうな態度をとっているがフィルナールの書でもこれが平常運転と書かれていたのでこいつに限らずそうなんだろう。

「一つ確認だお前はフィルナールの書に書かれている悪魔と呼ばれる存在で間違いないな。」

「あぁそうだ。」

その言葉に少し気持ちが高ぶってきた。

横を見るとシャイリアも目を輝かせながら悪魔をじっとみていた。

「お前はフィルナールの書に書かれている黒い城に住む悪魔を知っているか?」

「あぁ、知ってるとも」

その言葉を聞いた瞬間、思わず悪魔に聞いてしまった。

「なあ、その悪魔今どこにいる?」

「今も昔も同じ場所にいるとしか答えられない。」

「さっきは質問が悪かった。じゃあ黒い城は今どこにある。」

「この世界のどこかにある。」

ニヤリとしながら悪魔は答えた。

その顔はやはり人間とは違うと思い知った。

しかし、やはり黒い城の悪魔に関しては曖昧な情報しか得られなかった。

だが少なくとも存在するとわかっただけでもよかったとしよう。

もちろん、悪魔の言うことをすべてを信用しているわけではないが。

「そろそろ俺の質問に移っていいか?ウェン。」

「すいません団長」

一方でシャイリアは悪魔から生える尻尾を目で追っていた。

お前は猫か。

と思わずツッコミを入れそうになったが心に押し止めた。

「次の質問だ。他種族はかつて存在していたのか?もしくは今も存在しているのか?」

「あぁ、今もこの世界のどこかに存在している」

それを聞いたシャイリアはさらに目を輝かせていた。

「質問は以上だ。ウェン、シャイリア先に上がってくれ。」

「なあそこの男の方のガキ。少し聞きたいことがある。」

「なんだ。」

「何でお前は黒い城の悪魔を探しているんだ?」

.....

「ただの好奇心だよ。」

「そうか....。見つかるといいな。」

悪魔の考えていることはわからない。

だけど今の言葉は本心からきているような気がする。

そう思いながら俺は階段を駆け上がった。




次の日

朝早くから会議室にて昨日起きた出来事の報告をしていた。

そこには「レシア王国近衛団」のメンバー全員、総人数40名がいた。

まず昨日レシア大森林が爆破されたことを報告した。

「何!レシア大森林が爆破されただと!またエクスの仕業か。このままでは我々の信用が地に落ちてしまう。どう責任を取るつもりだ!ウェン、シャイリア。」

「落ち着けバルムート。責任は俺にもある。あの時俺が辺りを探したならばエクスを見つけられたかも知れん。」

団長は何も悪くない。

エクスの能力は手で触れたものを任意のタイミングで爆発出来る能力を持っている。

あの時団長が辺りを探してもおそらく見つけれない。

団長はそれを分かってそうしたに違いない。

そんな中シャイリアが挙手した。

「私から提案があります。」

「なんだ、言ってみろ。」

一体何を提案するつもりだシャイリア。

「今回のことは私とウェンに非があります。ですので私たちに一ヶ月ほど時間を下さい。一ヶ月の間に必ずエクスを捕まえてみせます!」

!!何言ってんだ俺たちで捕まえられるわけないだろ。

ほらみろよ団長も頭かかえてるし。

ん?でも冷静に考えてみるとシャイリアがなにも算段なしに発言するとは考えにくい。

シャイリア信じていいんだな。

とシャイリアの顔を見ながら思った。

「もし失敗した場合はどんな処分でも構いません。」

「なるほどわかった。ではこの話はこれで終わりとしよう。」

シャイリアは俺の耳もとで囁いた

「大丈夫。私に考えがあるから。」

シャイリアはにこりと笑った。



「次はフィルナールの書に書かれている悪魔が見つかったことについてだ。これは我々が全員が集まる要因となった世界を揺るがす事件である。今回はこの悪魔の処遇について話し合おうと思う。」

悪魔の処遇これは長くなりそうだ。


案の定、議論は3時間に渡り続いた。

その結果最終的に悪魔を処刑ことになってしまった。.....




「あーあ、あの悪魔も自分が殺されるって聞いたらどう思うだろう」

「やっぱり悲しいんじゃないかな。悪魔に感情あるかわからないけど。」

あの悪魔は3日後に国民に知られぬまま殺される。

それはどうなんだと思うところがあるが組織全体で決めたことなので仕方ないこと、として受け止めるしかない。

「で、捕まえるって言ったけどどうするつもりなんだ。」

「それはね。ここだよ」

「って保管室じゃないか。」

保管室、ここには機密情報がつまりにつまったヤバい部屋。

おそらく本部の数ある部屋の中で一番丈夫にできてると考えていいほど立派な部屋。

確かにこの中ならエクスの情報があるかもしれないが一つ問題がある。

それは

「お前許可とったのか?団長、ランスさん、バルムートさんの。」

「....取ってない」

まじか...

この後なんとか許可を取った。




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