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White Magician  作者: 小林ヒデヒロ
出会い、そして始まり
7/16

入学

今回も説明回になってしまいました。

でも設定はシンプルなはずなんですけど...。

 「新入生諸君、まずは我が学園へようこそ」


 長い白髭、2メートルを超える身長、低く響くしわがれた声。そして、100歳を優に超えた今でも衰えることのない眼光は、強者の威厳を醸し出している。


 「私がこの王都立第一魔法学園学園長、アルベルト・ロードウェル・ヴァルナークだ」


 王都立第一魔法学園の一角にある大きなホールの、そのまたさらに中にあるステージの上で、男はそう言った。

 アルベルト・ロードウェル・ヴァルナークと名乗った男の視界に広がるのは、整然と並んだ新入生達。SからG、合計8クラスの全生徒が揃っている。


 「知っての通り、この学園は何人ものギフテッドを輩出してきた。だが、試験の時にも言ったように、ギフテッドになる事だけが全てではない。この学園での日々を、各々の夢を叶えるための礎にして欲しい。ぜひ他者と競い合い、磨き合い、高みを目指して欲しい。私が伝えたいことはそれだけだ」


 拍手が起きる。その中には、もちろんグレンもいた。


 「立派な人だな、ここの学園長は」


 グレンは、この学園で学べることを誇りに思っていた。


 「俺はGクラスだけど、この学園で学べば、きっと立派な魔法使いになれる。そしたら、もっとお袋にも楽させてやれるしな」


 そんなことを思いながらも、グレンの視線は一人の人物の後ろ姿に注がれていた。

 今行われているのは入学式。当然、クラスごとに整列している。

 そう、クラスごと。グレンの所属する底辺のクラス。その列に、見覚えのある後ろ姿を見つけたのだ。具体的に言うと、ダークブラウンのセミロング。

 グレンは知らないのだ。彼女が落ちこぼれと呼ばれていることを。だから当然戸惑う。なぜなら彼女は貴族だから。


 「ホントにあの子なのか?それとも俺の願望が見せる幻なのか?」


 そうしているうちにも式はつつがなく進み、いよいよ最後のプログラムになった。


 「魔導書の授与。新入生代表、カイト・ロードウェル」


 「はい」


 魔導書とは、術者が習得した魔法を記録する本のことだ。魔法以外の技能や特殊性の高い魔法をスキルとして記録する機能も付いている。そして、記録された魔法やスキルはよりスムーズに発動する事ができるようになる。

 新入生代表のカイト・ロードウェルと呼ばれた少年は、凛とした姿でステージへ向かっていく。

 亜麻色の髪、少し下がり気味の穏やかな目は、深い碧色。貴公子然としたその姿を見て、目元を蕩けさせている女子生徒も少なくない。

 制服には金の線が入っている。Sクラスの証だ。制服に入っている線はその色によってクラスを判別できるようになっている。

 Aは赤、Bは青、順に黄、緑、紫、黒、そしてGクラスは...


 「あいつが...」


 「さすがロードウェル家...」


 ロードウェル家は、国内でも有数の一族で、国の各機関の幹部に一人はロードウェル家がいるとも言われている。同じSクラスの貴族達はそれが気に入らないのか、歩いていく彼を睨んでいるものもいる(殆どの女子生徒を除く)。

 なぜなら、この新入生代表に選ばれるのは、その年の試験の成績が最も良い者だからだ。つまり、今の時点で彼はこの学年で名実共に最強の存在という事だ。


 「新入生代表として皆の模範になれるよう、これからも一層励みなさい」


 アルベルトが手のひらを前に突き出すと、光が集まり本の形を形作る。


 「有り難き御言葉」


 そう言いながらカイトは魔導書を受け取る。

 再び拍手が巻き起こる。それに紛れて女子生徒の歓声まで飛んでいる。


 「魔導書は後ほどそれぞれのクラスへ戻った際に配られる。諸君らの制服の左胸。その紋章は各自の魔導書とリンクするようになっている。リンクした後はその紋章に魔導書を収納できるようになる。ぜひ活用してくれ」


 その言葉を最後に校長は降壇し、教室の場所や生活のうえでのルールなどの諸説名の後、各教室へ解散となった。


 「ついに始まるなぁ、学園生活!クラスメイト、どんな奴らがいるかなぁ...!」


 ドンッ!


 「邪魔だよ!Gクラスの色無しが!」


 そしてGクラスは色はない。

 ーー通称、”色無し”。


 「な...!」


 グレンは知ることになる。人の醜さを。

あと2話ぐらいで最初のバトルです!

たぶん。

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