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【破壊神復活編その後】②★ カーミラちゃんねる

挿絵(By みてみん)


「カーミラ様!ご覚悟を決めて下さい。」愛刀の鬼切丸を構えカーミラを睨む菫。

「菫様!これも細川の叔父様のため!私は命も惜しくありません!いざ!」大きな戦斧を振りかぶるカーミラ。


シュッ!


カーミラは戦斧を一振りする


身体を仰け反らせて、すんでのところでかわす菫。


ザッ、ズガッ


鬼切丸が宙を切る!!!


ザクッ、シュウウウウウ


「うぎゃああああああああ!!!」


絶叫とともに宙を舞うカーミラの首。


シュウウウウウ・・・・


切断された首は黒い霧となる。

そして、その霧は再びカーミラの首として実体化した!


「ハハハ、未熟者めが!」哄笑するヴァンピレスの女王。


「何!効かないのか!この悪魔め!」狼狽する菫



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

挿絵(By みてみん)

「はい、カット。カット」細川勝元の声。

「どうでしょうか?勝元叔父様?」カーミラは不安そうに細川勝元に尋ねる。

「うーん、リアルで見ると凄いけど、映像にするとね。なんか普通のSFXにしか見えないんだよね」

「そうですか・・・残念です・・・」がっくりと肩を落とすカーミラ

「カーミラちゃん、ガンバッ!」桜が声をかける。

「あ、でもライブでやるのはどうですか?」とカーミラは表情を明るくする。

「生首切断とか、どんなアイドルライブだよ」呆れる麻衣。


ここは細川勝元の経営する芸能プロダクションのスタジオ。

カーミラたちは彼女の新作動画の企画を練っているのである。

「最近、登録者数、再生数ともに伸び悩みなんです」そういうカーミラのために集まった面々。



「うーん、インパクトはあるけどリアリティに欠けるんだよね」勝元は容赦ない。

「勝元叔父様、申し訳ありません。どうすれば・・・」益々落ち込むカーミラ。

「カーミラちゃん、ここは無難にマイクロビキニ解禁とか。菫ちゃんもどう?」と勝元。

「てめえ、勝元、黙れよ!何が無難だよ!」怒る麻衣。

「じゃあさ、菫がテロリストに扮して何か事件起こして、それをカーミラちゃんが解決するのはどう?」と富子。

「私、ちょっと自信がないのです」と菫

「なんで?菫、得意じゃない?」

「いや、マイクロビキニとか着たことないので・・・」

「そっちかよ!」麻衣は口をあんぐり。

「どっかで戦争か暴動でもないかしら?」と富子。

「警察局長の言うことかよ!」と麻衣。

「なきゃ起すしかないか」

「だれかー、この馬鹿警察局長を逮捕して下さい」

「しかしさあ、カーミラってそこそこの戦闘力って聞いてたけど、戦斧の振りとか見るとそこまでのキレはないね。やっぱ菫のほうが上じゃない?」と優樹菜。

「優樹菜さん、これ持ってみますか?」菫は立てかけてあるカーミラの戦斧を指さす。

「どれ、どれ、げっ!何これ?!動かないじゃん」満身の力を入れても微動たりともしないカーミラの戦斧。

「優樹菜ちゃん、それ、万一のためにカーミラちゃんの護身用として作った劣化ウラン製の戦斧だよ」桜が説明する。

「劣化ウラン?重さは?」

「300キロ以上あるんじゃないかな?」

「なんでそんなもんいるのよ!」

「いやこれ。うちの自信作だよ。カーミラちゃんなら、これでM1の前面装甲ぐらいは軽く抜けるよ。」誇らしげな桜。

「なんでアイドルの護身用具に重戦車の前面装甲を破る性能がいるのよ!どういうシチュエーションなのよ!」と麻衣。

「六分寺は軍事産業辞めたんじゃないの?」と良子。

「そうかな・・これデザインも可愛いと思うけど」そう言って、桜はその斧をひょいと持ち上げた。

「うわっ、あたし、もうサードとか自称するのやめる。普通に桜にも勝てんわ。ただの雑魚です」と優樹菜

「じゃあ、次のやつお願い」勝元が進行を急かした。



ズガッ


鋭いヴァンピレスの牙がその美女の首筋に突き刺さる。

トロトロと流れ出す真っ赤な血液。

それを舌先で扇情的に嘗め回すヴァンピレス。

牙をあてられた美女はうっとりした恍惚の表情だ。

そのヴァンピレス、カーミラは、美女の首筋から唇を離して虚空を仰ぐ。

そして・・


「うん、まずその香を嗅いだ時に最初に私の脳裏に浮かんだのは東欧に残された古城の庭園・・・

その中の1本の薔薇の花。品種はなんでしょうか。ああ、イングリッド・バーグマンですね。そのつんとした芳香が私の鼻先を掠めたのです。

しかし次の瞬間、私は深い森の中に瞬間移動したように感じます。野生のイタリアトリュフに樹齢1000年は超えているであろう樫の木のおが屑が混ざったような香り。

うーん、それにシチリア産のイワシの乾物の香もします。ですがそれが全く臭みがなく調和されています。ありがとうございました。菫様」

「どういたしまして。カーミラさん」


「何、これ?」富子が首を傾げる。

「いわゆる効き血ってやつじゃない」と良子。

「じゃあ、次の方。優樹菜様」そういってカーミラは優樹菜を指さす。

「はい」そういって首筋を向けた優樹菜。

「って!やるわけないでしょ!私、あんたの眷属になる気ないし!」

「そうですか。残念です。」

「あーあ、これも没だな」勝元は欠伸をする。

「これもダメですか。折角長いセリフ覚えたんですが・・・」残念そうなカーミラ。

「なんだ、それセリフなんだ。じゃあ実際には菫の血ってどんな味なの」富子は尋ねる。

「ああ、普通にO型のMN型ですね」

「うわっ、ヴァンピレスって味で血液型わかるんだ。知らなかった。」驚く優樹菜。

「ねぇ、桜ちゃんや菫的は、麻衣や富子の血の味はどう感じているの?」

「麻衣のはおいしい味だよ」桜を頬を赤める。

「あー、はいはい。」と優樹菜。

「富子様のは、富子様の味がします」菫も顔を赤らめる。

「食ったことあるんかい!」普通のつっこみする優樹菜。

「なんか、もっとさあ、ぐっとくるようなエモい企画ないの?これはインパクトに欠けて地味すぎるし・・」勝元は不平を鳴らす。

「あんた文句しか言ってないじゃん」麻衣は勝元をどつく。

「じゃあ、やっぱりオーソドックスに眼帯ブラの解禁しかないね。」

「勝元!お前がどういう辞書を使って勉強してきたのかを知りたい!お前の頭の中の無難やオーソドックスという言葉の意味を知りたいわ。」




2人の女性は唇を重ねていた。

柔らかい唇が重なり合う。

女性のうちの片方、金髪の美少女は目隠しをされている。

何か新手のプレイなのか?

唇を離した2人。


「うん、わかりました。これは富子さんですね」

「ピンポーン!あたりだよ。流石はカーミラちゃん。サスカミ!」と富子。

「で、これが次の企画ってわけ?」と麻衣。

「ええ、効き唇です。これなら眷属にならなくても済みますので・・・」

「カーミラ様!なんで貴方が富子様の唇の味を知っているんですか!」目を三角にしている菫。

「この間、富子様からされまして」

「富子様!!!!」涙目になる菫。

「あはは、ごめーん、菫。ちょっと魔が差してさ」ヘラヘラと謝る富子。

「じゃあ次のネタ・・・」



時間は、どんどん過ぎていく。

しかし、「カーミラちゃんねる」の登録者増加への道はまだまだ厳しそうだ。


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