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【室町編】⑰~ あ り え な い ~

私は、群がる敵兵の只中で蝶のように舞う。

華麗に繰り出される剣の舞は、敵兵を切り裂き、その血は花びらのように散っていく。

瞬くまに周囲の敵は、吹く風にゆれる草の如くなぎ倒されいく。

そして、満を持して私は奥義を繰り出す。


「いけえええええええ・・・」


あれ???



「だから、それ違うって!フルゲージの属性に合わせて武器持ち替えなくちゃだめって何回も言ってんじゃん!」

「ごめん、まいん」

「三花!ちょっと貸せって!つか、まいんって誰? 新しい彼女さんですかあ?」

「あ、二紀にきごめん。誰だろ、まいんって」


あたしの名前は、日野三花ひのみか

日野家の3女で、JKだ。

今、姉の二紀と一緒に無双系オンラインゲームをプレイしている。

二紀がプレイヤーキャラを選択し直している。

金髪碧眼の少女剣士を選ぶ。

「あ!、その子、すげえ尊い。めちゃ好み!」

「でしょ、SSRだし、めっちゃ課金したし。」

「でもこの子、武器もってないよ。」

「馬鹿には見えない剣です。」

「馬鹿には見えない鎧にしてくれ。」


二紀は華麗にコントローラーを捌き、武器を持ち替え、持ち替えしどんどんゲージを溜めていく

5つの属性ゲージがあっという間に溜まっていく。


「くらえ!黒龍波!」


画面が一気に真っ黒になり、敵は全滅し、ステージクリア。


「見たか!三花 ワタシ ウィン フェタリティ!」ガッツポースをとる二紀。

「二紀!今、何した?何した?」

すごい!私には何が起こったか全然わからない。


あれ、でもなんで私。。。


なんで涙が出てるんだろう。。


「おい、三花泣いてんの?」

「うん、ちょっとこのゲーム、なんか違うかなって思って」

「グロ格ゲーとかやってるから、耐性あるかと思ってた。」

「いや、グロ耐性とかじゃなくて、なんか、なんか、ちょっと悲しくなって」

「ああ、じゃあ、なんか別のやろう」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「富子様!富子様!」

「義政様?」

「あ、また居眠りですか。いい夢見れましたか?」

「いや、あんまり・・・」


私はまた前世の夢を見ていたらしい。


「そうですか、それで先日のお話ですが、」

「そうですね」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それは3日前のことであった。

その申し入れに私は思わず絶叫していた。


「あ り え な い。そんなこと!

丹波国で義政の戦闘力を800近くまで調教強化してやらないと、そのフラグは立たない。

仮に細川勝元を管領から外して、畠山満家の政治力を集中調教しても、レベル6の謀略コマンドが使えないその段階では

宣旨はまだ手に入れられないはず。 妄 想 で つ か ?

とりあえず、山城の関所を増やして、関銭をどんどん稼いでおけ

展開が不安ならバックアップ取っておくのを忘れんなよ。説教くさくなってスマソ・・・。ついな・・・。」


私は動揺し、前世の記憶も合わせてわけのわからないことを喋っていた。


「富子、そうはいうもの、俺も農民たちに約束した手前、なんとかならないか?」

「そんなこと言われても・・・」

「もう、お前が受けてくれるものと思ってさ、俺も義勝も義視もみんなこの通り、出家しちゃったし」

「お前ら3人で坊主ですか?そんでもってボーズラブですか。還俗しろ!還俗しろ!」

「いいではありませんか、義政さんが、前にいってたように将軍は言ってみれば農民の棟梁ですよ。

この際、あなたの望む農民中心の国を作ってみるのはいかがですか?」

「成仁親王様までそんなことを仰るなんて」


そう、私は将軍になるように言われたのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ねぇ、お今、将軍って何でもできるのかな」

「何でもは、できないわよ。できることだけ。で、富子は何をしたいの?」

「私は、私はまずは、平和な世の中にしたいな」

「難しいわね」

「そうかな。そういえば、前に魔力の源の話をしてたよね。

死んだ人の魂が5つの世界に行って、そこで霊的エネルギーとして溜まっているって」

「まあ、大体、そんなもんね。魔導士はその5つの世界「土・水・火・風・空」に接続して、そこからエネルギーを頂いている」

「皆で溜めた貯金を、こっそり引き出している」

「言い方、悪いけど、まあそんなものね。ただ、闇は、そういう意味では、光もそうだけど、ちょっと違っていて、5つの世界に定着する前の魂と、なんらかの理由で5つの世界から逆流した不安定な霊的エネルギーの渦を使っているんだ。」

「お今、そして、5つの世界に蓄積された霊的エネルギーが減ってくると、それを補うために、より多くの魂を世界が必要とする。そのために戦争や疫病が起る、いや起こす人たちがいるんだよね。」

「うん、富子。戦争や疫病の原因はそれだけではないけれど、重要な原因のひとつではある事は確かね。」

「ねぇ、お今。じゃあ、人が魔力を使わなければいいんじゃない?」

「まあ、そういう意味で、5大世界の魔力の浪費を防ぐためにも有馬流は、その取り出しに高価な宝石を使っているわけだが。

でも、そうしても、それで戦争や疫病がすべてなくなるわけじゃない。」

「それで戦争や疫病が少しでも減るのであれば、やってみようかな、私」

「何を?」

「将軍」

「富子、大変だし、敵も多いぞ、それでも?」

「それでもやってみたい。戦争や疫病を減らすための魔道の封印。それを将軍としてやってみたい」



「私にも、手伝わせてください。」菫が手を上げる。ちなみに彼女は今、永園という貴族に養子入りしている。

「わたしも手伝うよ」と桜。山名家は、現在は、六分寺家と称している。

「有馬家としてもやるしかないわね」とお今。

「当然、わたしもやるけど」良子も賛同する。

「5人がそれぞれ、ひとつづつ5大世界の魔法を封印して、その家で未来永劫、封印を守るの」

「富子。それでもいいけど、だと日野本家だけは2つになるよ」

「そっか、じゃあ、良子、あたし日野家をやめるわ」

「富子、まあ、簡単に言うけど、結構、めんどうよ、確か分家の土御門に後継ぎがいないから、そこへの養子縁組を進めますか」

「お姉ちゃん、ありがとう、お願いするわ。じゃあ分担どうしよ」

「わたしは、火にする。日野にかけて」と良子

「私は風にします」菫

「私は、水がいいな」と桜

「空ね。これ一番面倒なんで有馬で引き受けるわ」とお今。

「残った私が土かあ、まあ畑仕事好きだし、これから土御門になるわけだし、わたしぴったしか」


そして5人の魔力封印の冒険が始まったのでした。

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