【軌道戦士編】⑨★帰還・奪還 ~ その水着回は、残念すぎる
富子たちは、水門を閉じる。
水はどんどんとひいていき、水の底から線路が現れた。
そして早速、駅の地下の情報管理センターに行き、この区域のエーテルポットン供給を復活させる。
流星号の2人も合流してきた。
良子が運転してきたようだ。
「あ、良子姉ぇ!」
「富子、菫ちゃん、桜ちゃん、みんなお疲れ。ってなんでみんな水着なの?」
富子は、いままでのいきさつを話す。
「へぇ、大変だったんだ。私もその解放軍の姿、見てみたかったわね。じゃあ、それで、ここの刻印受ける人はもう決まったようなものね。」
「竹林参謀の到着はいつ頃でしょうか?」
「菫、2時間後らしいわ」
「じゃあ、それまで水遊びましょうよ!いいよね良子姉ぇ」
「富子、いいわ、仕方ないわね」
「じゃあ、早速、水着コンテスト!」
「ちょっとそれ、俺らも??」
「棄権したければ、それでもいいわ、まいん」
「ふざくんな、ちょっと待ってろ、富子。今、着替えてくる」
そういって、良子と今依は、流星号に戻り、水着に着替えてきた。
「じゃあ、揃ったのでスタートね。一番手、菫ちゃーん」
菫は白いビキニ。
縁取りが青く、青いブラ紐が前で交差しているクロスデザインだ。
清廉な美しさと、凛とした精悍さを同時表現しているような菫の水着姿。
全く贅肉のない引き締まった身体ながらも、くびれたウェストラインと形のよいバストが女性らしさを醸し出している。
完璧である。
「じゃあ、菫、決めポーズお願い」富子が声をかける。
菫は、うなずくと両手を下におろしてくの字型にまげる。そして
「コマネチ!」
えっ???
「おい!嫁、なぜ、それをやろうとした?なぜ、コマネチ?」今依が叫ぶ。
「台無しです」と桜。
「どうせ、富子の入れ知恵でしょ」良子はあきれ顔。
「アハハ ハンディよ、菫にはハンディつけなきゃ、じゃあ次桜」
銀髪ヘテロクロミア美少女は、スク水姿である。
「優勝」
「はえーよ、広橋!早すぎるだろ、姉妹揃ってスク水フェチかよ。この変態姉妹!」
「じゃあ、次、まいん」
今依はフリルのついたオフショルビキニ。ピンク色が今依のフェミニンな雰囲気に合っていてとても可愛い。
「どうだ!谷間もあるぞ!」そういって胸を突き出す今依。
「偽乳ね。失格」良子が冷たく言い放つ。
「おい、広橋!きめつけんな!」
「そうよ、良子姉ぇ、まいんが嘘つくわけないじゃない、私がまいんの潔白を今、証明する」
そういって富子は、今依に飛び掛かり、トップを下ろそうとする。
「やめろ!馬鹿富子!やめろ、この馬鹿!」
「なんで、まいん、わたしは信じているよ、証明しよう、身の潔白を」
「富子様、ごめんない、もうしません、もう許してください。」哀願する今依。
「じゃあ次は私ね」
良子は水着の上から大きなバスタオルを巻いていた。
「広橋は、どーせ、変態エロマイクロビキニとかなんでしょ?Tバックとか?」
「はずれ」
バッ
良子は、巻いていたバスタオルを投げ捨てる。
競泳水着であった。
しかし、これはこれでなんだかエロい。
「あー、あーはいはい、それもありですね。エロ姉」と今依
「さすがは、お姉ちゃんだよ、世の中の男性すべてを魅了しちゃうね」富子は絶賛する
「はあ?富子、何言ってんだおめえ、熟女競泳水着とか、滅茶苦茶ニッチ市場だろ。お前ら変態姉妹の価値観を世の中の常識にするな!」
「じゃあ、最後、私です。」
赤の三角ビキニ。
元気で明るい富子によく似合っている。
「はい、かわいい。以上」
「えっ、それだけ?、お姉ちゃん、もっと何か言ってよ」
「あっちで怖い人が睨んでいるから、もう終わりよ」
竹林が鍵の少女を連れて到着していた。
「広橋大佐、楽しそうね、これも任務の一部?」
「竹子もやる?」
「遠慮しとくわ」
「わかった、わかった。じゃあ、ここの神殿とやらに行きますか。」
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そして7人は、地下神殿へ。
「じゃあ、広橋大佐、日野大尉、有馬中尉、六分寺少尉はこの娘の指に、」
「え、竹子、もうこの流れなら決まってんじゃん、」
「日野大尉、私は経緯も知らないし、規則通りにやってもらうわ」
「はい、はい」
4人は、鍵の少女の指にそれぞれの指を合わせる。
少女は目を瞑る。
ドン!
富子が床に倒れた
「えっ富子!」良子が声を上げる。
「富子さん?」菫も驚く。
「なんつって」へらへら笑いながら、富子が目を開ける。
「富子、あー、お前なら、そういう事、絶対やると思ってた。感動のシーンが台無し、洒落のつもりでも洒落になってない」今依はドン引きだ。
「日野大尉、これは遊びではないのですよ!」竹林の目が真剣に怒っている。
「ごめん、竹子」
「じゃあ、もう一回お願い」
「はい」
うなづいた鍵の少女は、桜の手のひらに自分の手を載せる。
「あなたに水の刻印を授けます。」
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「チャチュくん、これは一体どういうことかね」
須弥山に帰還したチャチュ中佐は、解放軍地球展開軍の司令である真壁少将の呼び出しを受けていた。
「虎の子のGOW2機喪失、精鋭のアドニス隊の全滅。すでに北部線の第4、5基幹駅は敵の手中にあると言う」
「閣下。すべては小官の不徳のなすところ、と言いたいのですが、GOW2機の損失はさておき、アドニス隊の全滅については、現場指揮官の能力不足によるものと考えておりますが」
「ふん、貴様、最前線の指揮官にその責任を押し付けるのか」
「失礼ですが、閣下。小官を本作戦の指揮官に任命したのは、閣下でありますが、、」
「ふん、相変わらず言い訳がうまいな、何か他にいう事はないか?」
「小官も武人でありますので、敗北の責を負う覚悟はありますが、その事が内外に解放軍の敗北を知らしめることになるのではないかと懸念しております。」
「なるほどな」
「今、わが父、アハル・キラの死を受けて、共和国の結束がゆるみつつあると考えております。ここは我が兄であるグレン・キラ総帥に、須弥山をご視察頂き、新体制と国防が盤石であることを内外に示すことが肝要かと小官は思います。」
「そうだな、総帥に具申してみることにしよう」
その言葉を聞きニヤリと笑うチャチュ中佐。
ここ須弥山。
権謀術策がはびこる伏魔殿である。




