私が鳥になる
引きずるものが重いほど
残る轍は深くなる
止まっているかと思うほど
遅い歩みは
周りの速度に合わせられない
いっそ手放してしまおうか
けれどもそれは
身を削がれるのも同じ事
手放す事などできはしない
ならばこのまま進みましょう
まるで蜘蛛の糸にでもかかったように
もがけばもがくほど
強固に絡まる記憶のフィルムに
進む方向さえ見失いながら
どれほどの月日
歩んできたのだろう
くっきりと付いたその轍
鳥が種を蒔くよ
その轍が消える頃には
きっと花が咲くでしょう
地中深くに根を張らし
零れた涙を吸い上げて
綺麗な花が咲くでしょう
引きずるものが重いほど
零れた涙が多いほど
綺麗な花が咲くでしょう