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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

☆最期はもう決まってる☆(地雷臭)

ワタシあらすじウソつかない。

 自分で言うのも何なのだが吾輩は優雅な生活を送っている。


 あくせく吾輩のために働く人間どもは吾輩に必要である飯も水も全て用意し、吾輩が寝所からでてゆうゆうと遊んでいるときに吾輩の部屋の掃除をする。毎日が休みであるし働いたことなどこの世に生を受けてこの方一度もない。あえていうのであれば、吾輩の仕事は一切心に滞りをつくることなく、健やかに暮らすことである。

 そんな暮らしをしていた吾輩であるが、いよいよこの場所から他の場所に移住する時期になったらしい。吾輩に勝るとも劣らない生活をしていた先輩たちも、この場所が少々動きづらいと感じ始めた頃に吾輩達の世話をする人間共に送迎されていった。きっとここより広い場所に移って行ったのでろう。

 だがしかし、吾輩達の不満を少しでも減らそうとする心意気は買ってやってもよいが、そのための送迎で窮屈な思いをさせるのは本末転倒ではないだろうか。吾輩達を疲れさせないように移動する物体を用意するのはよいが、身動きができないほどぎゅうぎゅうに吾輩達を詰めてしまっては、先程までの少し窮屈だった場所でさえ天国に覚えてしまうだろう。

 これはいけない、と思った。これは、吾輩達のことを人間どもが軽んじ始めたということだ。

 これを放置していいのか、だめだろう。このままこの態度を放置しては吾輩達をもてなすしか能のない人間どもが調子にのり、怠けることを覚えてしまう。

 吾輩は奮起した。周りの同胞達にこのままではいけない、怠惰を覚えたあやつらに格の違いというものを教えてやろう、と。これまで生きてきた中で一番の声で呼びかけた。

 その通りだ!誰かが言った。

 でもどうやって。声が聞こえた。

 吾輩達は悩んだ。そして答えにたどり着いた。奴らはいつも吾輩達を勝手に世話する。つまり吾輩達の世話に悦びを見出しているということだ。ならば吾輩達がいなければ慌てふためくに違いない。

 そうと決まれば善は急げという。吾輩達はぎゅうぎゅうに詰められた中で更に密着し、隙間を作った。そこに全力で助走をつけてぶつかるのだ。

 1回目。だめだった。2回、3回、それ以上。なかなか出ることが出来ない。だが、吾輩達は諦めなかったのだ。そして来る68回目。ついに吾輩達は外に出た。気づいた人間共どもの焦った声がしたのを皮切りに、吾輩達は一斉に走った。

 走って走ってまた走った。なんせすぐに捕まっては人間どもへの躾にならない。きちんと焦らさなくては。

 吾輩が走ってたどり着いたそこは、緑色の柔らかい何かが天上と地を覆い、茶色の何かが乱立する空間だった。地面が緑色なのは見たことがあるが天上まで緑とは奇っ怪なことである。

 しかし腹が減ったな。いつもはそのようなこと思う前に目の前に飯があった。このようなことを思うのはいつぶりであっただろうか。

 そろそろ人間どもは吾輩を見つけられないのか。腹立たしい気持ちが募っていく。そんなときに物音がした。やっとあやつらは吾輩のことを見つけたのかと振り返ると。吾輩は恐怖ですくみあがった。

 そこにいたのは茶色の怪物であった。鋭い眼光は吾輩を捉えてはなさないし、口からはよだれがたれていた。吾輩の決断は早かった。その怪物が何やら立ち上がろうとした瞬間に一目散に走ったのだ。

 追ってきているかなど判断がつかない。ただただ全力で逃げた。必死に逃げている中、どこか冷静な吾輩が問うてきた。なぜ、追われているのか。やつと出会ったからだ。吾輩は答えた。なぜ、出会ったのか。吾輩がこの場に来たからだ。なぜ、この場に来たのか。人間どもから逃げ出したからだと考えて気づいた。この状況はあのとき吾輩が逃げ出そうとしたからうまれたのか。人間達にも何か理由があったのかもしれないと、思うべきであったのか。そうか。一度目くらいは見逃すべきだったのだ。

 不意にリィンリィンと音がした。吾輩はなぜかその音向かって走った。そうしたらなんと驚くことに人間がいたのだ。思わず止まってしまった。後ろを振り向く。何もいなかった。吾輩は窮地を脱したのだ。

 人間を見れば吾輩をみてなんだか安心したような顔をしていた。

『よかった。最後の一匹見つかった』

 人間はわけのわからない鳴き声を漏らした。なぜ人間と言うものはきちんと会話することすらできないのか。その知能の低さは甚だ疑問だ。吾輩達はうまれて3日で身につけるというのに。

 だが、そんな低能さも今はゆるそうではないか。さきに九死に一生を得た経験で吾輩は寛大になったのだ。人間ともうまくやっていってやろう。

『いやー見つかってよかったよ。こいつら高級だし』

 また人間が意味のわからない鳴き声をあげているが許すとしよう。どうだ、吾輩は寛大だろう?

『なんか機嫌も良さそうだし、いい肉になりそうだな』

 そうかそうか。嬉しいか。いまのはなんとなく吾輩にもわかったぞ。

『もう近くに精肉所があるからなー。美味しいの豚肉になるんだぞ』

 ああ、そうだな。これからも吾輩の世話をすることを許してやろう。存分にありがたがるがいい

ね、うそついてないでしょ!?ちゃんと豚さんだったし最期最初からきまってたでしょ!?ねえ!?(無意味な煽り)

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