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Turn05 ジゼル/12

 一方、セラエノのアストライアは、戦闘中のラグナ艦を一瞥、圧されているものの良く凌いでいるのを確認すると、エルハサルの腕を切り飛ばして制圧しているクロムナインに向かって跳躍突撃バレットチャージ


 半刃半柄鉈槍フィフティグレイヴの跳躍突撃から、流れるように暗鬼短刃アサシンダガーの突きが襲うが、素早く二本目の艦上曲刀カットラスを抜き放ったクロムナインは、二刀を器用に操って受け流す。


「さすがに見られてる状態から、一撃必殺は無理だねぇ」


「伊達にナインハーケンズ張ってませんよ、セラエノさん」


「うわ、こっちは二刀流のゼルディム君か……片腕だと、ちょっとめんどくさいな」


「めんどくさいって、えぇ……ひどいなぁ。こっちはセラエノさんと手合わせ出来るってんで、喜んでるのに」


 ゼルディムが飄々とした風で言うが、その細い目の奥の瞳はどう見ても笑っていない。

 旧知の仲ではあるが、殺気は本物。と言うよりも嬉々としている。


 セラエノは二刀に構えた艦上曲刀カットラスの動きを封じようと、二本の暗鬼短刃で連環斬撃・刺突ブレードラッシュ・ピアスを放ち、その隙間を縫って本命の半刃半柄鉈槍フィフティグレイヴを突き込む。


 しかしゼルディムはこれを、暗鬼短刃を二刀に構えた艦上曲刀カットラスで、刃を重ねるように払い、半刃半柄鉈槍フィフティグレイヴはクロムナインの身を捻らせ、外装甲板ブルワークを滑らせるように躱す。


 まるでそれは、隅々まで計算された演武のようですらあった。


「相変わらず、避けるの旨い」


 セラエノは素直に二刀流のゼルディムの腕を褒めた。

性格的にも攻撃的ではない彼は、ジゼルを除けば、ナインハーケンズでアーチボルトやクロウドに次ぐ三番手の評価に甘んじているが、正直、その三人の中ではもっとも戦いづらい。


「お褒めにあずかり光栄です。船長の邪魔はさせない……ってのは建前で、もちろん今日は俺の剣に付き合ってもらいますよ」


 セラエノもゼルディムも変則剣術の使い手。それゆえか、剛剣を好むナインハーケンズの中では珍しく、セラエノの実力を肩書以上に評価していたのが彼だった。


「やー……また困った相手に当たっちゃったな。カノエ君、悪いけど、やっぱりジゼルは任せたよ」


カクヨム投稿分から、キャラが薄かったゼルディム君に関して申し訳程度に加筆修正しました。

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