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Turn01 カノエ/9

 アーケードゲーム・ヘヴンズハースの世界は遥か未来。恒星歴となって六千年の時代。


 西暦の末期、太陽系のほぼ全てに生活圏を広げていた人類の次なる目標は恒星間旅行。

 太陽系外宇宙への進出。それは異相空間VOID(ヴォイド)の発見から、現実味を帯びる。

 当初、通常物質では突入しただけで崩壊してしまう、超重力空間であるVOID(ヴォイド)への侵入は不可能とされていた。


 しかしそれは、太陽の極天座標宙域ゼニスポイントで起こった高次精神生命体オーバーマインドブラフマンとの邂逅。そして、一〇八のストラリアクターの現出によって解決を見る。


 ストラリアクターが生み出すエーテルシュラウドで全長三十km(キロメートル)外宇宙船スターシップを覆い、超構造体化ちょうこうぞうたいかすることでVIOD(ヴォイド)への侵入が可能となり、転移航路が確立――人類初の物理法則を無視した恒星間航法。所謂、F.T.L.(ちょうこうそく)航法。

 俗に言えば“ワープ”であった。


 恒星間航法を手にした人類は、瞬く間に外宇宙開拓時代へと駒を進める。


 そして、惑星の重力圏内に下ろすことの出来ない全長三十kmの外宇宙船に代わり、小型化したストラリアクターを用いて惑星探査用に建造されたのがゲームの主役、骨格艦フラガラッハだ。


 永久機関ストラリアクターを搭載し、星の重力の加護(エーテルシュラウド)を纏い、大気圏への突入はもちろん、超重力惑星からでさえ単独離脱可能な惑星探査船“骨格艦フラガラッハ”が、外宇宙船の艦載戦力主力へ据えられるようになるのに、そう時間は掛からなかった。


 しかしそれは、外宇宙開拓時代に辿り着いた人類の闘争を、あろうことか、全長百(メートル)の白兵戦にまで後退させる。


 超重力空間すらも航行し、エーテルシュラウドによる偏向重力へんこうじゅうりょく操作で超構造体ちょうこうぞうたいと化した無敵の骨格フレームと、全てを切り裂く超重力の刃“重力刃じゅうりょくじん”を纏った重力騎士“骨格艦フラガラッハ”の剣戟戦。

 それがアーケードゲーム・ヘヴンズハースの世界である。


――と言うのが、ヘヴンズハースの世界設定のインスト。


 しかし、世良セラのような対戦主体のスパイクプレイヤーに言わせれば、要は自機のシールドやライフ、エネルギー等のリソース管理の理由付けと、宇宙でロボットがチャンバラをするための、ゲーム的なご都合設定だと、散々な言い草である。


 そしてリソースこと、エーテルシュラウドの操る偏向重力へんこうじゅうりょくで駆動し、戦うロボットが、プレイヤーの自機であるところの“骨格艦フラガラッハ”であった。


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