●流麗なる南方大雪&電流少女(ライトニングエレクトロ・ガール)としてのテレジア(3)
この章は今回で終わりです。
次回、大学生になった「幼馴染の姉」がようやく登場します
「はぁ……なんであんたらみたいなのが、エロゲ買いに行くのかしらね」
「同人誌も買うよ?」
「どやかましいわ!」
僕が正直に言ったら、怒られた。ううむ……。
「フィギュアも買うよ?」
大雪も正直に言った。
「あんた買いすぎなのよ。フィギュア」
「祐の本みたいなもんだ。気にすんな」
ときに、僕は気になったことをちょっと補足しておく。
「僕らみたいなのって、何?」
「今までの話の流れで構築されたでしょ、あんたらのパブリックイメージ」
ほう、どういうキャラか、ってことか。
まあなんとなくはわかるが、正確な説明を求めたいところだが、
「しかしそれを煎じつめていくと、僕らって嫌なやつだよね」
「てめーが言うか首謀格」
「そうよ、あんたが言うの?」
「まるで自分はさも善人ですよ的意見」
僕は呆れた。
「俺らをこうしたのは……誰だっ!」
「私の青春を……あるべき青春を返しなさいっ!」
「君たち仲良しだよね」
「「返せー!」」
ハモった。
僕はこの手のノリが嫌いじゃない。だが……
「僕のせいで青春が歪められたと主張するのは度し難いな。結局それは君ら自身にどこまでも起因するものだろう。大雪、君は僕がいようがいまいがオタクだったわけだし、テレジア、君も僕をライバル視することに固執しても仕方ないと思うが」
ふたり、きょとんとした眼をする。
そして言ってくる。
まず大雪。
「それでもお前と居ることを感謝しろやこの屁理屈一代男。お前一歩路線を間違えたらいじめられっ子一直線だぜ?」
「ふん、そのような愚劣な輩に僕が屈するはずがない」
「言うねぇ」
けらけらと笑う。
次にテレジア。
「あんたってほんとーに、その、メガネキャラよね」
「すべてのメガネキャラが一律だと考えてはいないか?」
「それじゃ、限定して、少女漫画にいそうな、いかにも成績優秀で、性癖が歪んでそうな、口調は丁寧だけど、そこはかとないうさんくささが醸し出されて……」
「いるいるそういう奴」
「それがおめーだわよ」
「なぬっ!」
そこまでのテンプレキャラだったというのか僕は……これでは人気投票で、そこそこの、しかしマニア受けする位置しかとれないではないか……いや、それはそれで結構僕好みなのだが。
「そういう奴が受け入れられるには、よほど頭がよくないと無理ね。あんたはそこクリアしてたからよかったけど」
「お? ずいぶん持ち上げるじゃん」
「私のライバルが惨めなのは耐えられないのよ」
「お、これってツンデレってやつ?」
「ぶち殺すぞひゅーまん」
こいつ、隠れオタクだな、と思ったあなたは正しい。
「でも、祐」
テレジアが言う。
「あなたは、そうやって強く生きていくけど、辛くはないの? 寂しくはないの?」
「愚問に近いかな」
「私にはよくわからないのよ、あんたのその、妙な、こう、安定感というのが」
「僕だって、ずっとそうだったわけじゃない。とくに中高はひどかった。でも……」
「でも?」
「今は、しーちゃんがいる」




