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『好き』

作者: 木宮卓



「君って、いつもそのヘッドフォンつけているよね」


さっきまで親友と話していて外していたヘッドフォンを耳に掛けようとしていた手を、止める。異性に話しかけられるのは初めてだったから、ドキドキした。適当なところを見ようとしても、何も見当たらない。ともかく、彼女の方を向いているには嫌だったから、頬杖をついて窓の外に目を向けているフリをする。

不自然じゃないよね、平気でしょう?


「でも、坂本君と話すときは外してる」


どうして?

彼女は首を傾げてくる。俺の顔に顔を近づけてくる。発狂しそうだった。

止めろ止めろ、恥ずかしい。本当にやめてくれ。顔に熱が集まった。

急いで顎についていた手を、鼻の方まで覆う。

もう恥ずかしい。何がなんなのか分からないって。


「そんなの、関係、無いじゃん」

「あは、照れてるー」


図星でびっくりした。そう、照れてるんだよ。テレまくってるんだよ。恥ずかしいんだよ。クラスメイトの誰か、俺たちのこれ見てるんじゃないのか。勘違いとかされないのか。ヤダ、嫌だな。別に俺はいいけど、コイツが困るだろ。

いつもヘッドフォンをつけて、坂本としか喋らない俺をみんなは気味悪がっているから、そんな俺と喋っていたら、お前が駄目じゃないの。ダメでしょ。止めた方がいいよ、俺と喋るなんて。

大体、好きじゃないんだよ。人と関わるの。だから、ヘッドフォンをして自分の好きな音楽をかけて、自分の世界を作り出すの。だから、勝手に俺の世界に入ってこないでよ。迷惑。本当に、本当に。


「て、れてないからっ! ほんと、迷惑だからやめてくれる!?」


思わず声を大きくしてしまう。もう、俺から振り切ってやる。軽くコイツを睨みつけて、ヘッドフォンを耳につける。お気に入りのところからシャッフルで選んだバラードを聞く。

落ち付いてきたぞ。

まだ俺の机の前に立っているコイツを見上げる。

なんなんだよ、本当に。もう、俺と話してたって面白くないって。

コイツの唇が動いたので、音量を下げて文句でも言ってやろうと思ったところで、もう一度コイツがそれを言った。


音量まあああああああああああああああああああああああああああああああっくすううううう!!!!!!!



初のほのぼの(?)ありがとうございました! 本当はもっと長く書くつもりでしたw

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