遊覧航海1~豪華客船シラナミ~
どうも、更新が遅れました。すいません。
どうせろくに面白味もないかもしれませんが、どうぞごゆっくり。
本文の前に「魔法」の説明をしておこうと思います。
魔法:世界の融合により砕け飛び散った次元片を先天的に体内に宿している人間が使用可能。
属性:火水土風雷氷光闇と
防治変動がある。
光属性はエギナ 闇属性はガドナの人種しか使えない。
上下関係:ベーシックは 火<水<土<風<雷<氷<火 というサークル
:アナザーは 動<棒<変<治<動 というサークルを描く。
闇<ベーシック<光 光<アナザー<闇
このように光属性はベーシックのども魔法より強いがアナザーのどの魔法より弱く、闇属性はベーシックのどの魔法より弱いがアナザーのどの魔法より強い。
強さ:Lv1~4
基本的に一人2~3つの属性を持っている。
(次元片:次元を構成しているとされる物質。ふつうは不可視であるが、圧縮すると肉眼で見えるようになる。この物質を先天的に保持することで魔法が使えるようになる。保持者の意思によって存在を変えると性質を持ち、一度存在を確定した次元片は強力な力を加えないと元には戻らない。
例.炎を出すには、次元片・変換・酸素&可燃物&熱エネルギー)
魔法の使用には体内の次元片を使用するため、過度に魔法を使いすぎると自己の存在を確定している次元片まで消費してしまい自滅してしまう。
現在では魔法を使えることが当たり前になっていて魔法学校が存在する。
初等(6~12歳)までが義務教育で、中等(13~15歳),高等(15~18歳)は希望者のみで魔法の才能が望めない子は別の道を行く。
初等卒業で「見習い魔術師」、中等卒業で「準魔術師」、高等卒業で「魔術師」となる。護身用の武器はナイフ⇒ダガー⇒ソードの順である。
つまりメイル・マウアは初等卒業後、仕事に就きました。
H22 11/26 文章 魔法の説明 台詞の入りを修正
「あ~あっ、ど~しよっかな~~。はぁ~~~。」
ジュン・カーザは晴れた日の昼下がりに、盛大な溜息をついた。
「彼女フェザリオンだったからてっきりパライゾに住んでると思ったのに。ワタツミのゲンカイっていったらここから船に乗らないといけないし。おまけに今日は豪華客船の出港日だからってほかの船は出ないって、いじめかな、これ。」
一刻も早く薬を母のもとへ届けたいメイルは豪華客船以外の船がないことを聞いて落胆した。そして生まれて初めて見る豪華客船を憧れるのような眼差しで見てこちらを少し見て落胆する、を繰り返していた。
何故か自分の中に湧いてくるとてつもない罪悪感。なんだ、メイルは僕に払えというのか?やめろっ、かわいそうな子犬のような目をこっちに向けるなぁーーーーーー。
そんなわけで今僕はシラナミの乗船チケット4等室(一番安い)を買うために2時間に及ぶ長蛇の列に並んでいる。メイルは喫茶店で待たしている。お金もに4等室なら買えないことはない――――
という考えは甘かった…。
4等室は希望者多数のためにもともと多人数部屋なのにベッドを二人で使うという制限だった。その事実を知ったのは販売所の直前で買うのをやめるわけにもいかず、メイルと同じベッドで寝ることになった。僕は別にかまわないけどメイルは嫌がるだろうな。はぁ。
今日で幸せが何回逃げていったかな。
カツン
ん? 飾り刀(刃はもうないけど)の鞘が何かに当たった。注意はしていたがこの人ゴミの中じゃ無理だったか。
「すいま―― 「おい、貴様。騎士に対して鞘当てするとは、どういうことか分かっているのか。」
反射的に謝ろうとしたが、当たってしまった相手の言葉によって遮られた。相手をよく見ると確かに騎士のような格好をしている。年齢は15、16あたりのテライオンだろう。プライドの高いお坊ちゃま的なオーラを抱いている。
「確か・・・、 !? まさか…、決闘?」
「分かっているじゃないか。貴様みたいなひ弱そうなものに喧嘩を売られて黙っていては騎士のプライドが泣く。良いだろう受けてやる。行くぞ!!」 ジャキン
「わっ、ちょ、ちょっと待ったぁ。」
ヒュン
見た目通りのプライドが高い騎士の抜刀をしゃがんで避けて、打ちおろしを飾り刀で受けとめる。当然周りの人ゴミはキャーキャー叫んでパニック状態。普通こんな人ゴミの中で抜くかぁ!?
「ふん、式典用の飾り刀程度でこの僕に挑むとは、この身の程知らずが!!」
鞘が切られた。何とか避けきれたが、状況がまずいことに変わりはない。おまけにこの坊や、ソードを大振りで奮っているために、下手なところで避けると周りの人が斬られる。そのため坊やの間合いぎりぎりにしか離れられない。反撃するのも手の一つだがこの坊やの格好はかなりの上物。おそらく豪華客船の1等室の客の専属騎士団というケースが多い。下手に怪我させたら損害賠償を請求される可能性がある。
くそ~、ついていない。溜息つきすぎたせいかな、はぁ。幸せが逃げていく・・・。
「何をやっている、シルド!!剣を収めんかぁ!!」
この坊ちゃんと同じ鎧をつけたおっさんの一喝により坊やの動きが止まる。助かった~。
「マ、マグアさん。こ、こいつが僕に決闘を…。」
「いいから黙ってろ!! いや~~、悪いね~若いの。ど~せ、こいつが難癖付けてきたんだろう。すまない、悪かった。」そう言って90度に巨体を曲げて謝ってきた。
この非常識騎士からマグアと呼ばれた男は常識人のようだ。それに貫禄というオーラが感じられる。外見から50近いおっさんだろうが、確実に強い。チョビゲ程度では隠しきれないほどの傷、おそらく先の戦争を生き抜いた人だろう。
「な、マグアさん!?こんなやつに頭を下げる必要なないですよ!!」
「か、顔をあげてください。あなたみたいな身分の高い人に頭を下げられたら僕の方が困ります。実際に原因は僕が作ったようなものですし。」
「いや、悪いことをしたら謝る、これは身分が高かろうと変わらない人間がするべきこと。それに俺自身はそんなに高い身分じゃないさ。ただのお偉いさんの専属騎士の長を務めている者だ。」
ヤバイ!!常識人を通り越してカッコイイ人だ。
「マグアさん、だから先に鞘を当てたのはこいつで―――」
「うるさい!!こんな人が大勢いる中で剣を抜くとは、貴様関係のない人を巻き込む気か。そんなことでお嬢様のお顔に泥を塗ってみろ!この俺が成敗してくれる!!」
このおっさんの一喝で縮こまる坊ちゃん騎士。さっきまでの威勢はどこへやら。
しかし彼らの着ている鎧といい“お嬢様”の専属騎士といい、やっぱり1等室の関係者か…。反撃しなくてよかった~。
「こいつはいい所出のお坊ちゃんで甘やかされながら騎士になったらしく、プライドが高くて…。鞘が偶然当たっただけで難癖付けられるとは、おたくも不幸だね~。あと、いくら見栄えがいいからって折れた剣を帯刀するのはお薦めしないぜ。」
おっさんがヒソヒソ話で教えてくれた。顔が近付いた時に分かったがこのおっさんはマリオンらしい。
「シルド、マグア、何してるの!!船に乗るわよ。」
甲高くも芯の通った声が響いた。
「!? お嬢様。」「おっといかんいかん。時間を喰っちまったか。」
お嬢様ということはこの二人の雇い主らしい。どんなやつだろうと思い、声のした方を振り向いた。
眼を見開いた――――― 危うく声が出るところだった――――
あいつに似ている――――――
「すいません、お嬢様。こいつが一般人に迷惑をかけていまして。」
「またなの!?もう、何回目よ。」
「す、すいません、お嬢様。」
どうやらお嬢様には反論しないらしい。というか前例があるのか…。と、無理矢理冷静になろうとバカなことを考えていると、お嬢様はこちらに振り返り
「下の者が粗相をしました。申し訳ございません。」と言葉で謝罪した。
「――――っあ、べ、別にかまいません。あの~よろしけれはお名前を伺ってもよろしいですか?」
「失礼しました。私の名はサヤ・トリューナ。護衛の不躾をお許しください。」
「!!? トリューナ・・・!?」
お嬢様は再度謝罪の言葉を述べたが、僕の頭にはトリューナという言葉が渦巻いてそれどころではなかった。
「どうしました?」
「い、いや。ト、トリューナということはもしかして…。」
「あら?やはり気付かれてしまいましたわね。かの四英人のひとり、リン・トリューナの一人娘です。」
「こんなところで有名人の娘さんに会えたから、驚いちゃって…。」
やっぱりあいつの…。
「そうですか。そうですよね。 あっ、もうこんな時間そろそろ船が出るわ。急いで乗船するわよ。それではごきげんよう。」
「待ってくださいお嬢様~~~~。」
「まったく、世話のかかるお嬢様だこと。自由奔放だ。」 そう言って走り去って行った。
リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ リン・トリューナ
この言葉か頭の中を駆け巡った。
ボォーーーーーー
はっ
汽笛の音で思想の渦から抜け出した僕は急いでメイルの待つ喫茶店へ急いだ。
「遅かったですね、カーザさん。やっぱり凄く混んでましたか?私の無理なお願いをわざわざ聞いてくださらなくても――――――きゃっ」
「悪い、マウアさん。説明してる暇がない。早くいかないと乗り遅れる。」
そう言って彼女の腕を引っ張り急いでお金を払い、シラナミへ急いだ。
メイルがベッドを共用すると知ったのは部屋に着いてからだった…。
「え、え、共用って部屋じゃないんですか!?カーザさんと同じベッドで・・・。」
「い、いや。これしか買えなかったんだ。嘘じゃないぞ!!本当だぞ!!
・・・・・、そうだよな、僕と同じベッドじゃ嫌だよな。」
「い、いいえ。無理なお願いしたのはこちらですし。べ、べつに嫌なわけじゃ・・//////」
「え!?」
「えっ!?
い、い、いえいえいえ、なんでもありません。何も言ってません////」
(あわわわ/////、口走ったの!?私////)
「ヒューヒュー、若いものはいいねぇ。」「見ていてこっちが恥ずかしくなるぜ。」「恋人同士ならガーっといっちゃえばいいのに。」「いいや、あれはまだ友達以上恋人未満とみた。」
などと、相部屋の人たちにさんざんになじられていたが、そんなことも耳に入らない二人であった。
下手くそな文章を読んでくださりありがとうございます。
いや~~、今回も難産でした。シルド君との出会いのシーンはもっと短くする予定だったのですが文章を打っていくうちにアイディアがどんどん出てきて・・・。
あまり重要でないシーンを拡大させてしまいました。
誤字・脱字等ございましたら早めに指摘してくださると恥をかかなくて済みます。
感想待っています。