巻き込まれる運び屋
はい、怒涛?の続きです。今回から主人公が登場します。
前置きの説明もだんだんするものがなくなってきてものさびしい今日この頃。
「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。」
この男、ジュン・カーザは朝から憂鬱だった。
「あ~あ、やってられないよ。こんな仕事。」
メイル宅を出た後急いでギルドワタツミ支部本局へ行き必死に弁解、通信機器『コールだポン♪』でガイア総本局にも弁解を入れて、受付のテッシー・アドミラル嬢のありがたい説教を2時間ほど受けてどうにか指名手配&クビにはならずに済んだ。
のだが・・・、
~ありがたい説教2時間要約版(通話費こちら持ち)~
「もぉ~、ジュンさんどこへ行ってたんですか!依頼人はカンカンでしたよ!私たちを訴えるっていてきて、いつもさぼりがちなジュンさんでもこれぐらいならって思って任せたのに!
ジュンさんがお金を稼いでくれなかったら私達との生活はどうなるんですか!!奥さんの方が稼ぎが上なんでみっともないですよ!!子どもができたら―――(以下編集カット1時間45分)
という未来予想図が台無しじゃないですか!!
ともかく規定によりジュンさんはランクをDランクにダウン、仕事5つを無報酬でやってもらいますからね!今度こそ改心して立派なパパになってくださいね!」
以上テッシー氏の(一方的な)プロポーズを含めたお説教でした。
「テッシーの話はいつもぶっ飛んでんだよな。なんで結婚したことを前提として話しを進めるんだろ?それにしてもタダ働きか~、Dランクだから簡単でいいんだけど遠くまで行けないから嫌だな。」
そう呟きながら3件目の仕事をしに受け取り場所まで歩いている。
「に、してもなんかあったのかな?」
ほかの人は気にしている様子はないが、ワタツミ城の騎士をよく見かけている。みんな何かを探しているようだ。領民に情報公開していないところをみるとどうでもいい小さなことか、知らせるとパニックになるほど重大なことか。
にしてもよく見かける。後者…、であってほしくないのだが。
「ん?」
ジュンは騎士たちの目からかいくぐっているような動きをする怪しい人間を見つけた。
「何やってるんだ?騎士から逃げるように店の中に入ったりして。ましてや全身をローブで包んで…、って僕もか。」
全身仮面のなくなったジュンは太陽に焼かれないために真っ白なローブを頭からかぶって行動していた。それでもカバーしにくい手足の先、顔を包帯でぐるぐる巻きにしてある。自分でも嫌気のさす格好なのだがガドナだから仕方がない。それに怪我をしていることには変わりない。
ジュンはその怪しげな人に声をかけてみた。
「あの~。」
「!?」
その人は驚いたようにこちらに振り向き、バッと構えたがこちらの顔を見るなりキャっと小さな悲鳴を上げた。
「?」
「ほ、包帯男・・・!?」
まるでモンスターと遭遇したかのような顔をしている。
「あっ。」フードの下が包帯男じゃ誰でも驚くよな。んっ?この人、キュニバで顔を変えている!?
「あ、あなたは誰!私に何の用!」
「いや~あまりにも君が怪しい格好をして――――」
「いましたーーーー!!」
魔法看破用のメガネを付けている騎士Aが叫んだ。
「げっ、見つかった!!」
「そこの人、すいませんがその人を抑えていてください!!」
「? 僕が?」
「!? ちょ、ちょっとお願い、ここは見逃して。まだ捕まるわけにはいかないの。」
そう言って怪しい女は下から目線&涙目で訴えてくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ガシッ 黙って彼女のローブをつかむ。
「!? こ、この、薄情者!!」
騎士B~Eがやってきた。
「ご協力ありが―――――」
『ドバイニョ』
「へっ?」
「いっっくよ~~~~!!」 ダァン!
そのまま彼女を抱えて近くの店の屋根までジャンプした。
「キャーーーーーー」悲鳴と騎士が集まるのを見て民衆がこっちを見る。
「ようは、彼らから逃げればいいんだよね。」
「え、あ、うん。」
「ま、待て!!」
ジュンは屋根屋根を跳んで移動し騎士A~Eを振り切った。
「ふぅ、ここまでこればもう追っても来ないっしょ。」
「はぁ、はぁ、人一人抱えて大ジャンプってあなたいったい何者?いくら私が軽いからって人間離れしてますよ。」
ジュン
「(重かったんだけどな…。)
ドバイニョで脚力を強化させたからね。僕はテライオンでもあるし。それより君は何者?ワタツミ城おかかえの騎士に狙われ、キュニバで顔を変えてるのかな?」
彼女はうつ向いてこう話した。
「!? そんなことまでわかっちゃうんだ…。
私ね…、実はお嬢様なの。ずっと箱入りで…、外の世界が見たいなって思ってた。でもお父様やお母様に逆らえなかった。でもそんなある日お見合いの話が決まって…、私には実は好きな人がいるの。好きじゃない人と結婚なんて嫌っ!そう思って思い切って抜け出してきたの。でも簡単にばれてお父様が仕向けた護衛たちに追いかけられてたの…。
でも、まだ捕まるわけにはいかない。あの人に、あの人に好きというまでは―――。
(う~ん、とっさに思いついた言い訳だけど在り来たりすぎちゃったな~。絶対怪しまれてちゃってるよ~~。)」
彼女が恐る恐る顔を上げると、
「なんて可哀想なんだ~~~~~(泣
こんな世の中にまだ貴女のような人がいたなんて。
任せてください。その人に会うまで僕があなたを守ってあげますから。」 号泣
「・・・・・・・・・・・、あ、ありがとう…。(バカ…、なの?)」
「僕の名前はジュン・カーザ。訳あってこんな格好していますがどうぞよろしくお願いします!」
ガシッと両手をつかんで言う。
「私は・・・・、エナ・ズノン。よろしくね。」
「とりあえず何処に行けばいいの?」
「エ゛ッ。え~っと、それは…。
(ただいなくなって心配させることが目的だったから行き先なんて考えてなかったわ!?)」
「あっ!?しまった!!」
「ビクッ!?ど、どうしたの?」
「ちょっとばかしお仕事やらなくちゃいけないだけど、ソレが終わってからでいい?」
「(ラッキー♪)どうぞどうぞ、付き合わせているのは私の方ですから。ソレが終わってからでもかまいません。外の世界のいつもの暮らしというのも見てみたいですし。」
(いつもは女王ってことである意味フィルターのかかった世界しか見ていませんからね。これはちょうどいい機会です。)
~ワタツミ城~
「なにっ!?連れ去られただと!!」
親衛隊隊長室にガガンの声が外にも漏れるほど響き渡った。
「「申し訳ございません」」
騎士A~Eが首を垂れる。
「して、その男の特徴は?」
「白いフードをかぶり、全身に包帯を巻いている見るからに怪しい男です。あと魔力による補強もありましたが物凄くジャンプ力がありました。おそらくテライオンかと思われます。」
「分かった、もう下がっていい。」
「「はっ。」」
「これは弱ったぞ。単なる女王の家出かと思っていたが協力者がいるとは…。」
大臣も頭を抱えている。
「いや、協力者がいることを考えていなかった俺のミスだ。姫一人で負ってから逃れらるはずがないと思っていた。それなら協力者を請うのは当然だな。クソッ、どこのどいつだ!完全に顔のばれないような格好をして!
手紙を受け取ったのが昨日の午前中、それ以降に姫と接した人間がおそらく協力者だろう。昨日姫とあった人間,城にかかわるすべての人間の所在確認,そして騎士からあった報告の男を指名手配しろ!!罪状は・・・・、誘拐逃亡犯だ、以上!!」
ガガンはそう文官に言いつけた。
「はいっ。」
(クソッ、何やっているんだ姫は!こんなことしなくたっていつでもお前のことを心配しているだろ!)
ガンッ 壁を殴る音が響いた。
これからジュンとエナ(ノナ)の愛の逃避行の始まり始まり(違
この章ではジュンはメインキャストではありません(笑)あくまでメインはノナとガガンが結婚するまでにどのような過程があったを記していこうと思います。
ジュン君には悪いけどまた犯罪者になってもらいます(笑)
がんばれジュン。
ここで打ち切りにしたら報われないな…、ジュン。