遊覧航海8~待ってくれる人~
今回の解説タイムは、
【人種とその能力】 デス。
・エギナの人種
エギナの人々は強い光と紫外線の中で生活しているんで基本的に肌は褐色。発汗機能は発達しているが、発熱機能はそこまで進化していないので寒さに弱い。暗順応のも発達していないのでガドナに行くにはまず暗闇で眼が見えるようにならなくてはいけない。
・ガドナの人種
ガドナの人々は太陽が少し遠い位置にあるので強い光も強い紫外線もない世界なので肌の色素が少なく、肌が薄く陶器のように白いのが特徴。当然送られてくる熱エネルギーも弱いのでちょっと脂肪が多くふっくらしている。発汗機能はあまり発達していなので暑さに弱い。エギナに行く時は闇属性魔法で覆うか全身仮面を付けるしかない。
つぎに陸海空の人種だが世界が違っても全く変わらないのでまとめて言う。
フェザリオン/ウインガー
空人。背中に収納式の翼を持つ。個人である程度飛べるようになるが空人を生かした仕事やレーサーになるには専門的な訓練が必要。背中の翼のせいで一番ファッションを考える人種である。
男性は逆三角形 女性は細くて軽いほうが美人であるとの価値観を持つ。
テライオン/ランダー
陸人。一般的なヒューマノイドタイプ。ただ陸人だけあり脚部が発達し、走ることに関しては空人、海人に速さ・持久力の面では負けはしない。走ることに執着心があるためか靴がファッションの決め手ととらえている。
男性は経済的 女性は家庭的とあまり身体的特徴にはこだわらない価値観を持つ。
マリオン/サーペンター
海人。指の間に水かきを持ちひじやひざなど傷つきやすいところを鱗で守っている。ちなみにこの水かきは収納可。開閉式のえらを持ち。必要な時以外は使わない。やはり泳ぎにおいて右に出る者はおらず、釣りよりも素潜りのほうがよく取れると豪語する。ファッションは水に入ることを想定するためピチピチの服が多い。
男性は二の腕 女性はふくよかな肝っ玉母さんが美人とされる。
ハヘホの3回目の体当たりでシラナミの船底に穴が開いた。
「よし、もういいだろう。こっちも片付いた。もうその船はほっとけば沈む。後はキラーシャークどもに任せ―――――――!?
なんだ、このプレッシャーは!?」
下から何かが上がってきた。
「小僧!」
「『ア・ヒウ―』」ジュンの周りに風が起き次元片を空気に確定させ呼吸しながら合わせて上昇してきた。
「ぐっ、水中で風属性魔法を!?しかもこのプレッシャーと魔力、さっきまでとは別人!?
しかも風属性とは・・・、あいつも保有属性は一体幾つだ!?
ホエール!やつをぶっ潰せ!!!!」
全長約18m体重約7t強ありそうな巨体が迫ってきた。
「魔法融合掌『大気掌帝』」
ハヘホはジュンに迫っているはずだった。下に向かっていたベクトルがいつの間にか上になっている。ハヘホだけではない。周りの水も一緒に持ちあがっている。そしてジーダも…。
「!?ばかなっ!?その技はナザーの―――」
バッチャ~~ン ハヘホが10mも飛んだ。ジーダはハヘホの背にいた。
ジュンがハヘホに飛び乗り、
「豆知識だ。大型海洋生物は深海の水圧に耐えるために体内の内圧をかなり高めに設定している。よってここまで打ち上げられれば内蔵が勝手に破裂していく。・・・、まぁこの高さから水面に叩きつけられるからどっちみちもう無理だけどね。
後はお前だけだ。」
落ちていくハヘホの上でジーダとジュンが戦う。太陽に焼かれながら…。
「三発目は耐えきれまい。イクぞ!!『堕天拳骨』」
「弱い。
魔法融合拳『天獄堕天使拳殴』」
「なっ!?なんだそ――――」
ジュンの拳がジーダの拳が打ち合い、ジーダの腕を粉砕しながら顔面に入った。それでも勢いは止まらず、ジュンはハヘホの上を駆け抜け、空を突き抜け、ジーダをシラナミの側面に叩きつけ、ジュンの手がジーダの頭ごとシラナミに刺さった。
「・・・・・・、堕天拳骨の上位種を・・・、まさか貴様…、いや、あな―――」
「おしゃべりのところ悪いんだけど、君の作った時の魔法陣と君の存在を使わせてもらうよ。」
「な、なに・・を・・・。」
「この船の時間を6時間戻す。」
「!?
で、できるはずが…、がはぁ、この俺でも魔源石3つ分の魔力、ぐっ、いくら6時間程度とはいえこの船全体の時間を…。」
「戻す!お前の存在を確定している次元片を使えばいい!」
“すべての時をはらむ数多の星々よ、すべての時を示す母なる太陽よ、すべての時を刻む一繋ぎの歴史よ 私はあなたの存在を作り出した歴史を否定する その歴史 修正する”
『コード・ザ・エディター』
この船の時間が修正される。
が、ジュンの体が薄くなり始めた。次元片が足りずに自己の体を構成する次元片が使われていく。
「!?
自分の存在が!?ぐっ、ダメだ、こんなところで消えるわけにはいかない!
次元片が足りないなら喰ってやる。この船も、あのクジラも、その空気も、海水だって!できるだろジュン・カーザ!!だってだって僕は、僕はぁぁぁ~~~~」
船底に穴が開いたこととハヘホが着水した衝撃、ジュンの拳により触れる船内。そして今度は光に包まれていく。
「今度は何!?」
「サヤさん!?か、顔が…。」
「え。メイル!顔が…。」
「「戻ってく!?」」
「うわぁ~、顔のたるみが戻ってく様子はちょっとシュールですね・・・。」
「何言ってるの、あなたもよ!!(プンプン」
「……、
いったい何が起きているのですか?やっぱり…。」
「これは…。」
「カーザさん!!」「ジュン!!」
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「なにも・・・、何も知らなかったんだぁ!」
「そんな言い分で納得できるかぁ!!」
「いくらなんでも都合が良すぎます。」
「こんなやつに、こんなやつに・・・。」
「落ち着け、罠かもしれん。」
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
はぁ、二回目ともなると慣れるものは慣れるんだね。
また思い出したくもない場面だよ。
それにしても…、またこれが見れるってことは僕は死んだのかな?
やっぱ僕の存在の次元片まで使っちゃたのかな。
でももういいや、守りたいものは守ったし。
もう、いいよね。ナ――――――
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「よくありません!カーザさん!!」
「ふぇ!?」
とても恥ずかしい驚き方で眼を覚ましだ僕が最初に見たものは…。
「まだ、守っていません。私との約束を守っていません!お母さんに薬を届けるまで付いてきてくれるって、私がワタツミを案内してあげるって、釣りを教えてあげるって、
約束したじゃないですか!!」
純白の翼を広げ飛ぶ、元の年齢に戻ったメイルだった。
「マウアさん・・・。
よかった。ちゃんと修正で来たんだ…。」
「大変だったんですよ。私たちは元に戻ったはいいんですけれど、船はもう駄目らしくて…。おまけに元に戻ったといっても全員若い女の人でしたから、人手が足りなくて足りなくて。サヤさんが指揮してくれたおかげでようやく全員が救命ボートに乗れました。
その間私はカーザさんを探してたんですよ。船のすぐ近くで沈みかけてるのを見て本当に心配しましよ!もし船が沈むのみ巻き込まれたりしたら……。
おまけになんなんですか、今の言葉は!死んじゃダメですよ、死んじゃ!」
「ハハッ・・・。
ありがとうメイル(ボソ」
ちなみにジュンはメイルに抱えられて飛んでいるので、メイルが日陰を作り太陽に焼かれる事を防いでいるのだが…、
「すごいな、メイルは。服も水を吸って重くなっているのに、それを持ちあげるなんて。」
「二の腕はお父さん譲りですから(笑)それに////、肝心な部分はちゃんと守られていますが、もうほとんど服も残っていませんよ////。」
「あら、本当だ。
・・・・・・、な、なんか恥ずかしいな…、年下の女の子に抱えられて…。これって普通は男の仕事だし、こんな格好だし。」
服は当然ボロボロ。上はなくて下も隠せていればいい方である。
「!? えっ、あ、そんなはっきりと言わないでください!!
私、意識しないように一生懸命だったのにぃ~!!」
そう言って赤らめた顔を覆う。
・・・・・、覆う?何で?
もちろん、
両腕で!!
「えっ!?」「あっ。」
「うっそ~~~!?」
「キャー、ごめんなさ~い(汗」
ドッボ~ン
「な~にやってんだか、あの二人・・・。
ふぅ、ほらシルド、マグア、急いであの二人を拾いに行くわよ。」
「了解。(はぁ、流石に人使いが粗すぎます、お嬢様…。)」
「了解(諦めろシルド。俺はリンの時にそれそ悟った。)」
こうして僕たちはなんとか生き延びてワタツミに着くことができた。といっても途中で猟師の船に遭遇してなかったらどうなっていたことやら。
・・・・・・、全身仮面が全部はがれちゃった。せっかくあいつの特注だったのにな。これからフードマント装着の日中逆転生活をしないといけないのか!?
ハァ、先が思いやられる・・・。
終わった~~~~~~~~~!!
長かった、無駄に長かった。変なとこで最後引き延ばすんじゃなかった反省しております。
本当に自分で作った設定に殺されそう、てか伏線張ってみたけど回収できるか!?というかもしかしたら無かったことにするかも・・・・。
ダメだ、この作者、早く何とかしないと…。
{魔法融合~}魔法と攻撃の合わせ技で必殺技に分類される。使用中はずっと魔力を放出し続けなくてはいけないので使うには熟練度が必要。
【魔法融合拳】拳に魔法をまとわせて攻撃する必殺技。
『堕天拳骨』 +闇属性Lv2以上
まとった闇で拳が見えなくなりどこから来るか予測不能。
『天獄堕天使殴打』 +闇属性Lv4
左拳で敵の防御能力を浸食し、引いた右手での一撃で堕とす。ちなみに今回ジュンは魔力の関係上、右手しか使っていない。
【魔法融合掌】直接物理攻撃に上乗せするのではなく魔法に腕力を上乗せする。
『大気掌帝』 +風属性Lv2
掌に凝縮した大気を解放しながらの掌帝。局部的ではなく複数の敵を弾き飛ばすのにつかわれる。
”二人の秘密の会話”
「マウアさん、ひどいよ~~。」
「うぅっ、ごめんなさいカーザさん。」
「あ、そうだマウアさん。」「大丈夫だった?マウアさん。」「マウアさん?」
「何ですか?カーザさん。」「大変だったんですよカーザさん。」「カーザさん?」
「マウアさん」「マウアさん」
「カーザさん」「カーザさん」
「マウアさん」
「カーザさん」
(・・・・・・)
「カーザさん、・・・・・・・・・、あ、あのっ!」
「? なに?マウアさん。」
「メ、メ…。」
「眼?
!? マウアさん、もしかして眼を傷つけたとか―――」
「メイルッ!!」
「ビクッ!?」
「メイル…、でいいです…。名前…。」
「? マ、マウアさ―――」
「メイルッ!!」
「ビクッ!? メ、メイルさん。ソレが言いたかったの?どうして?」
「カーザさんが先に呼んだじゃないですか。メイルって。」
「 ? ・・・・・、
あっ!? あ、あれはその…。」
「嬉しかったです。カーザさんが名前で呼んでくれたことも助けていただいたことも、そして私の涙を見たくないと。」
「・・・・、ジュンでいいよ。」
「えっ!?」
「メイルさんもカーザじゃなくてジュンって言ってもいいよ。不公平じゃない、僕だけ名前度呼ぶのも。」
「そ、それじゃあ、ジュ、ジュ、ジュ―――」
「お~い、二人とも~、早くとこっちに来~~い」
「「・・・・・・、
ぷっ、ははっ、はっはっはっはっはっは!!」」
「行こう、メイルさん。」
「はい、ジュンさん。」
「はぁ~、相変わらず二人だけの空間を作るのが早いんだから…。」