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街道を、アルビ村目指して北上中。
モルガナさんとサイノさんが『転送』で向かった先は、
エルサニア王国のペンネッタという町。
その町在住のアマツさん宅に同居している竜さんが、
レミュさんこと、"レミュラシュレアス"さん。
アマツさんも、エルサニア系とは別ルートの召喚者で、
召喚時の出現先がアレノマ王国の"北の魔境"
そこでレミュさんと出会い、いろいろあって現在同居中。
ってか、ご結婚なさったそうです。
レミュさんは今でも時々"北の魔境"に里帰りちっくに戻ってきているそうで、
もしや話題の竜ってレミュさんでは?
ということを『Gふなずし』で聞こうとしたのですが、何故か通信が繋がらず。
結局、サイノさんたちが『転送』で直接ペンネッタへ向かうこととなった次第。
『私も一緒に行って、レミュさんたちにご挨拶したかったよ』
そういえば、サイノさんたちに同行しなかったのは何故です?
いつものチミコさんなら、
新しい"お胸ダイブ"候補に出会える機会を見逃すはず無いですよね。
『シジマさんがリシュナさんとヒャッホウしないよう見張りが必要って、モルガナさんから頼まれた!』
ヒャッホウって……
そもそも、ツェリアさんが一緒なのに、
イケイケジゴロムーブなんてしませんってば。
「あら、もし私がいなかったら……」
やりませんって。
むしろ、ツェリアさんとふたりっきりになれなかったことが残念無念……
『おじゃまこそが妖精の本分!』
はいはい、おじゃまだなんて思ってませんよ。
では、チミコさん。
例の"魔法のステッキ"の件、じっくりと聞かせてもらいましょうか。
どんなヤバいアイテムなんです、アレ。
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正式名称:『デンジャラス レボリューション テクニカリスティ マストアイテム』
略称:"デレテマス"
1日に1度だけ、使用者の"願い"を叶えてくれる魔法のステッキ。
もちろん、天才魔導具技師アリシエラさん謹製。
回数制限アリなのは、
内蔵している魔素貯蔵タンクの問題。
空気中の魔素を自動的に補充する仕様だそうですが、
満タンになるのに約1日かかるそうで。
『ちゃんと変身だって出来るけど、それしちゃったら他には何も出来なくなっちゃうの』
なるほど、あのサイズのステッキに内蔵されている極小の魔素貯蔵タンクでは、
貯蔵出来る魔素量がそのままリミッター的な使用制限に。
何となくですけど、チミコさんが暴走しないようにという、
魔導具技師としてのアリシエラさん流の気配りな気がする。
でも、お腰に差したステッキが、お侍さんみたいでカッコイイですし、
ヤンチャなチミコさんにお似合いだと思いますよ。
『本当はフィナさん用の護身グッズにする予定だったそうだけど、フィナさんは魔法に不自由してないから私にって……』
頑張れ、チミコさん……