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反射と通知の意味

 リズさんが俺の初期ステータスと比較しながら、ブレイブさんへ質問する。


「師匠、レベルアップではスキルの獲得は無いはずですよね。なのに、ヨシオはこの2日間で後天的に3つも習得しているわ」


 スキル:炎熱属性反射・極強、刺突属性反射・極強、通知


 スキルは炎熱耐性と刺突耐性の名称が違うな。

 32767%にしたことで、「耐性」が「反射」に変化してる。モヤッとしていた設定がはっきりしたな。

 あとは通知設定ってスキルなのかよ。


「はは……。

 スキルは魔人との闘いで手に入れました。

 死物狂いでしたから火事場のクソ力ですかね」

「く、クソって何言ってるのよ」

「リズ、それはヨシオ君の世界の格言であろう。

 ヨシオ君がかなりの死闘を体験していたかは報告で上がっている。

 初日からのレベルアップ差からすると、相手の魔人はレベル100超えの可能性が高い……」

「ブレイブさん、それってどれだけ強いのですか?」


 疑問を投げてみたらリズさんが答えてくれた。


「師匠がレベル128で、私がレベル77ね。

 レベル差の数字だけならば、私が4人もいれば師匠とやっとこさ五分の勝負ができるぐらいの強さで考えてみて。

 魔人は種族補正で魔力が私達の2倍だから、1対1の戦いならば師匠でも無事では済まない闘いになるわ。

 レベル100超え相当の魔人でしょ?

 私なら20レベル差……。

 そもそも魔力勝負になる前に、首でも落とされて瞬殺よ」


 俺は一度切られた自分の首を押さえる。

 まさか、本当に切られましたとは言えないので、あらかじめ皆に話している魔法が暴走した話をした。


「魔力操作に長けた魔人の魔法が暴走ですか?

 実際に起きた事を予測すると、ヨシオ君の反射スキルで倒したというところですかね?

 ただ、反射してもそれで倒しきれるとは思えないのですが」

「そうそう師匠、こんな反射スキルなんて見たのは初めてよ。

 2属性の反射、いや炎と熱は別属性だし、刺す、突くって属性って言うのかしら……。そもそも、反射ってどういうことかしら?

 それに通知って何?」

「リズさん、多分だけど……。

 反射は俺が受けるはずだったダメージを相手に返すってことかな。

 で、通知はレベルアップのお知らせとか、称号変更のお知らせとか、そういう情報が変わったら即時に教えてくれるスキルだと思う」

「解説ありがとう。

 その感じだと、ヨシオも正しい能力は分かってないのね」

「ん? ヨシオ君、いいかい?

 人はレベルアップをその場で感じることは出来ないのだよ。

 多少ステータスが増えるから、今まであと一歩届かなかった攻撃が、レベルアップにより通るようになることは認識されているけどね。

 私のような解析魔法で確認するか、同じ解析の仕組みがあるギルドカードの更新でしか知る方法は無いんだ」

「そうなんですね。俺もまだお知らせを受けたことは無いので、何か分かったら教えますよ。

 ところで、ギルドカードとは何でしょう」

「冒険者の組合のことを冒険者ギルドって言うわ。ギルドで管理しているアーティファクト級の魔道具で、鑑定機能を持つ金属製のカードを作って配ってるの。

 私は師匠と違って鑑定魔法を使うのに補助魔道具が必要だから、自分のステータスの確認用にギルドカードを発行しているわ」

「リズは発行しただけではなく、そのまま冒険者として楽しんでいるように思いましたけどね」


 リズさんはそう言うと、自分のギルドカードを出して見せてくれた。

 名前、レベル、ランク、ジョブ、属性が記載されている。

 俺が知らない新しい項目だと、ランクには「A」と、ジョブには「宮廷魔術師」と記載されている。属性には言葉で何かが書いてあるわけではなかった。白色で塗られた丸印と、虹のように複数の色を並べて混ぜた丸印が記載されている。

 白の属性に、複数混合の虹色の属性がある? そもそも属性って得意属性のことかな?


「そうだ、ヨシオのギルドカードを作っておきましょう」

「ああ、それが良いだろう。ヨシオ君の身分証明書にもなるし、ジョブが勇者ならば今後の説明もしやすいだろう。

 そうだ、それならアキラ君にもギルドカードをそのうち作ってもらおうかな。

 今日明日は騎士団長のところにいるから明後日が良いか……」

「これが身分証明書として使えるんですね。

 リズさん、それなら早いうちに欲しいです」

「決まりね、じゃぁこれから冒険者ギルドに行きましょう!

 私も道具を取ったら一緒に行くから、城の門前で待ってて」


 俺はリズさんとブレイブさんと別れ、冒険者ギルドという場所に向かうため、城の門前でリズさんが来るのを待つ。

 出発前にロード画面を見ると、新たなロード番号と【選択肢】が増えていた。


 【ロードする】

  0011:召喚後3日目の朝

  0012:城下町のとある食堂

  0013:城帰還

  0014:【選択肢】王からの褒美

  0015:【選択肢】ギルドカードの作成

  0016:城門前


 ギルドカードを作らない選択肢もあるってことか。何かギルドカードを作ることでまずいことが起きるのならば、ここから戻れそうだ。

 リズさんが、騎士さんと一緒に城門から出てくる。


「今日からだけど、ヨシオが城の外にいる間は護衛騎士を付けるわ。

 護衛と言っても魔人がまた出てきても勝てるわけではないから、盾にでもすればいいわ」

「いやいや、人を道具みたいに扱えませんよ」


 俺がお辞儀をすると、向こうも会釈する。

 移動している間は騎士さんはすぐ近くではなく、少し後ろを付いてくるようだ。

 

「ふーん、優しいのね。それともその考え方は向こうの世界の常識?」

「優しいわけではないですよ。

 後者ですね。人権……というよりは人道的か非人道的かって方か。

 要は他人の犠牲で何かが成り立つ世界じゃないです。みんな平等なので」

「みんな平等。なるほどね。

 身分制度そもそもがないのかな。それはとても自由だね。それで民が纏まるのかどうかは分からないけど」

「そこは憲法や法律ってルールが自分たちを守ってくれる、とかかな?」

「ふーん、ルールね」


 日本でもルールを守らず他人を食い物にしている人たちはいるし、そもそも貧富の差もあるわけだ。本当の意味では平等では無いし、俺は今綺麗事いってるだけなのかもな。


「あ、そうだわ、喋り方ももっと砕けていいわよ。

 いや、向こうの世界で普段生活しているつもりで喋りなさい! わかった?」

「分かったよ。徐々にだけど改善するよ」


 わざわざ指摘されるとは、俺は日本のほうが言葉に厳しい感じがした。

 これから行く冒険者ギルトは言葉にも気をつけないと行けないらしい。固い感じだとNGみたいだ。

 どう言う言葉が引っかかるのか細かく聞いてみる。

 そんな感じで道中リズと話をしているうちに、目的の冒険者ギルドへと辿り着いたらしい。

 おしゃべりに集中していたとか言い訳をするつもりはないが、ここまでの道は全く覚えていなかった。

 また迷子にならなくて良かったけれど、1人で来る自信ねえよ、何で案内板ねえんだ……。

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