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under 500 Ⅱ

ハラス越しの恋人

北海道が忘れられない。


あの人が、育った町だから。


ずっと、愛していた。


ずっと、頭で考えていた。


あの人は、今どこで何をしているのだろうかと。


北海道に帰ると言い残して、あの人は姿を消した。


帰るとは言われたが、さよならの言葉はなかった。


もちろん、別れようとも言われていない。


連絡しても繋がらないが、まだ、付き合っていることに変わりはない。


そう、自分に言い聞かせてきた。




あれから、二年の月日が流れた。


ついに、北海道に来てしまった。


北海道に家を借りて。


あの人が好きだった、鮭ハラス飯を、気付けば頼んでいた。


運ばれてきた、鮭ハラス飯を勢いよく、かっ込みながら誓った。


もう、執着するのはやめようと。


何も考えず、あの人のことは忘れて、ありのままに過ごした方が、いいかもしれない。


あの人のことを、考えずに過ごした方が、再会できる確率が高いってこともあるから。


運命って、そういうものだから。


一気にかっ込んだ鮭ハラス飯は、あっという間に無くなり、器の底が見えた。


ふと、顔を上げると、正面にあの人がいた。


しかも、視線をこちらに向け、ぐちゃぐちゃに顔を濡らしながら、かっ込んでいた。


あの人が食べていたのは、同じ鮭ハラス飯だった。

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